猫目荘のまかないごはん 夢とふっくら玉子焼き (角川文庫)

  • KADOKAWA (2024年9月24日発売)
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感想 : 11
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  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041151594

作品紹介・あらすじ

満開の桜の中、古びた下宿屋「猫目荘」にやって来た結芽の心は重い。念願の漫画家になったものの、ヒット作を出せず、筆を折ろうと決意したのだ。未来が見えなくても、ここのまかないごはんは美味しい。牛肉とゴボウの和風炒め、タリアテッレに絡むボロネーゼ、イワシのオーブン焼き。大家の伊緒のドジっぷりも楽しく、毎日住人たちで囲む食卓はにぎやかだ。そんな中、思いがけない話が舞い込んできた――。自分を信じたいすべての人に贈る、美味しくて勇気の出る物語。

感想・レビュー・書評

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  • 前作を読んだのは去年の11月でした。
    ほぼ1年ぶりの続編です。
    今作の主人公は、念願の漫画家になったけれど、ヒット作がなくて漫画家を辞めることにした倉橋結芽。
    彼女が猫目荘へやって来る所から物語は始まります。
    今作も主人公が猫目荘の住人たちとの交わりの中で「自分」というものを取り戻していきます。
    猫目荘の住人も含めて人はそれぞれ異なります。過去も未来も生きていくうえでの大切なものも。
    今回は主人公、倉橋結芽の日常のストーリーを軸に、「人生を楽しもう!」と励ましてくれる元気をもらえる作品でした。

  • 「猫目荘のまかないごはん」第二弾!
    前作も楽しく読めたので続編出版に歓喜!

    今回は猫目荘にやってきた元漫画家の倉橋結芽が主人公。
    彼女のブレーキしてしまった人生が再び動き出す迄のお話。
    人生うまく行かない事も多い。
    立ち止まったまま一歩が出せなかったり、足は上げているのにどちらに踏み出せばいいのか分からなかったり…見える結果に本心とは裏腹な道を選んでしまったり…そもそも足を下ろす道が見えていない事だってある。
    結芽も何者かになりたいと大きく目指すものはあっても、自分の行動や発言が上手く噛み合わず結局自分を見失い諦めという怠惰な結果や生活に甘んじている。
    そんな中でも結芽は夢を捨てずに持っていた人。「夢」に向かって進めた人。
    でも、諦めたり目指したりする「夢」や「目標」ってヤツも時々重くなる。
    ふと…「夢」って持たなくちゃいけないもの?目指さなければいけないもの?
    夢や目標の見つからない人も、見つけたくない人もきっといる。
    それらも含めて人の生き方なんて自由でいいと…猫目荘の住民を見ていて感じる。
    そしてやはり人との関わり、外へ出る事の大切さにも気付かされる。
    籠ることも良し!でもそれだけではダメなんだ。
    人や自然、外にあるものを視野に入れる事が内なる自分に少しずつ刺激をくれている。
    そうする事で気づく事、見えてくるものもたくさんある。

    なんか相変わらずまとまらず、今思った事をポンポンと記してしまった。

    これらの事を考えた本だった…ってとこかな。

    第三弾も読みたい!是非期待して待っていよう。

  • 『猫目荘のまかないごはん』(がシリーズになったのかな?)第二弾です。続きが読みたかったので嬉しいです。
    だけど、夢を追って会社を辞めたけど挫折したあたりが前回の主人公と境遇が似てる?と思ってしまいました。それでも今回の主人公の方が『夢』が明確だったので面白く読めました。

  • 前回のいおちゃんが大家になってからの大家目線でのお話かと思ってたら新しい主人公のお話だった。
    好きなことを仕事にするっていうのは好きなことが純粋に楽しめなくなるって分かってたけど実際今回読んでみてやっぱり辛いなって思った。
    やりたいことがなくても人は生きていかなきゃいけないし、簡単に死ねないし、生きるなら楽しみたいし、でもどうやったら楽しめるのか分からないし。みたいな事をずっと考えちゃうのだけどやっぱり1人でこもってたらなにも変わらないよなって再認識した。
    色んな人の色んな人生観とか考え方を見て、聞いて、話すから自分の価値観も広がるんだなって。
    私もそうしなきゃなって。外に出なきゃなって思った。

  • 念願のWEB漫画家になったものの、中々閲覧数が伸びず筆を折る事を決めた結芽。まかないつきの古びた下宿屋「猫目荘」へ住む事になり、住民との交流と共に自分の本心と向き合う事に…

    自分に自信がなくなった結芽が、紙雑誌の漫画家へのチャンスが巡ってきたのは本当に良かったです。
    親に漫画家を反対されてずっと言えなかったけれど、和解できてホッとしました。

  • 猫飼いは猫の絵が本の表紙についてるとついつい手に取ってしまう。
    小説のなかで、決して猫スキスキ~だけではなく要所要所で猫をさわって元気もらう、現実味のある登場のしかたです。
    夢を追いかけるのは無駄なのか、親に否定された生き方をしてていいのか…悩む『(元)漫画家』の主人公。
    この中で、ちょこっとだけ出てくる叶ちゃんが鋭い。将来やりたいことは、と聞かれて『イタリアの、森と湖のそばでくらすこと、国連で地球温暖化に取り組みたい』こと。すごいねぇ素敵な優等生だ、と思ったら、叶ちゃんはもっとすごかった。『違うよ、地球は守らないし、私たちには守れない。どこまで行っても人間のための活動だよ。だって、…』ほんとすごいんです、叶ちゃん。ストーリーの本筋にはそこまで絡んでこないとはいえ。

  • 猫好きなので読んだ本。
    思いがけず今の自分の悩みと重なる部分が多かったからか 元気が出た

  • ねこちゃん。癒される。

  • 主人公は新しい住人に交代。まかない付きいいなあ。叶ちゃんがもっと引っ掻き回すと思いきやいい子だった。どんな大人になるか気になる。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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