- KADOKAWA (2025年5月23日発売)
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感想 : 23件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041156506
作品紹介・あらすじ
40歳を機に仕事復帰することになった八重樫靖羽。家族は応援してくれるが、現実は甘くない。職場で緊張をほぐすチョコクッキー。思春期の娘の心に寄り添うホットチョコレート。娘の受験と介護に追い詰められたママ友に手作りのチョコパイ。チョコレートは自由に形を変え、進化していったと知った靖羽は、自分自身と向き合い始める――。何歳からでも新しい一歩を踏み出せるし、もっと自由に羽ばたける。美味しくて勇気をもらえる物語。
みんなの感想まとめ
人生の新たな一歩を踏み出す勇気を描いた物語で、主人公の八重樫靖羽は40歳での仕事復帰を目指し、家族や周囲の支えを受けながら成長していきます。彼女の傍らには常にチョコレートがあり、困難な時に心を癒してく...
感想・レビュー・書評
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あなたは、『チョコレート』は『飲み物』だったということを知っているでしょうか?
2025年に世界市場が15兆円を超えると言われる『チョコレート』。一人当たりの年間消費量が2kgを超えるという数字を聞くと、私たちがどれだけ『チョコレート』を食べているかを改めて感じもします。
しかし、『チョコレート』と言っても今の私たちが知るものと昔の人たちが摂取していたものはそもそもが異なっていたようです。
『チョコレートは長い間、飲み物だったんです』
えっ?という驚きの声が聞こえてきました。そうです。『チョコレート』と言われて『飲み物』を思い浮かべる人はいないでしょう。しかし、私たちが知る『甘くて風味のよい固形』の『チョコレート』は、なんと一八四七年に『薬学の知識のある人』が偶然に思い付いたことがきっかけで誕生したのだそうです。なるほど、『チョコレート』と言ってもそこには私たちが知らない事ごとが色々と隠されてもいるようです。
さてここに、そんな『チョコレート』にフォーカスした物語があります。
『最初は甘いのにビターな味があとからガツンとやってきて、絶妙です』
そんな台詞が『チョコレート』を食べたい!という思いを掻き立てるこの作品。
『カカオ豆はそのままだと渋いので、バナナの葉で包んだり、木の箱に入れたりして発酵させ、渋みをなくす』
へえーっと、そんな豆知識に唸るこの作品。そしてそれは、『チョコは人生になくてはならないアイテムだ』という主人公が、『チョコレート』を目の前にした幸せな時間に、”起点・きっかけ”を見る物語です。
『八重樫靖羽さん、うちの財団で働いてみませんか?』と『眼前に座る堤マチ子』から言われて『財団…ですか?』と、『大きく目を身開い』たのは主人公の八重樫靖羽(やえがし やすは)。『財団と聞くと自分には遠い世界の立派な場所、というイメージなんですが、私のようなものでも勤められるのでしょうか』と訊く靖羽に、『様々な支援活動を行うNPO法人などの団体への助成』を行っている『財団』についてマチ子は説明します。『資金面で支援活動に協力をする仕事』ということは理解した靖羽は『やりがいはありそうだ。だが、十五年以上も仕事から遠ざかっていた自分が、そんな場所で果たしてちゃんと働けるだろうか』と思います。しかし、『あと一ヶ月少々経つと靖羽の長女は私立高校に通うようになり、必然的に出費が増える…と考えていた矢先の申し出なので、こんなにありがたいことはない』とも思う靖羽は、『新しい一歩への誘いを、このようなステキな場所で提案されるなんて』と、『ショコラティエ・プティ・ポワン』の『店内を見回し』ます。『地元の小金井市で何年も通っているショコラティエ』という店のテーブルには、『白い皿にボンボンショコラがお行儀よく並んでい』ます。『定番の、ココアをまぶした球形のトリュフ…オレンジの皮を細く切り砂糖漬けしたものがセンターに入ったオランジェット…』と、『どれも、見るだけでも心が躍るような美しいフォルムをしている』と思う靖羽。『小さいころにたまたまいただいた板チョコが美味しくて感激し、以来』『人生においてチョコレートは欠かせないアイテムになった』という靖羽は、『辛いときや哀しいとき、あるいは嬉しくて喜びを分かち合いたいとき、チョコはいつも身近にあった』と振り返ります。そんな靖羽は、今日の誘いを『まずは家族に相談をせねばと気を引き締め』ます。そんな靖羽に『我が財団にもそれなりに歴史があるんですよ。もしよかったら、一度チヨコレイド財団をお訪ねください』と言うマチ子。『…チョコレートざいだん、ですか?』と訊き返す靖羽に『「千代子・レイド財団」です』とふっと笑うマチ子。
場面は変わり、『おはようございます、チョコレイド財団でございます』と、『鏡に向かって口を大きく開いたり閉じたりし』ながら『はっきり言えてないな。チ、ヨ、コ、レ、イ、ド、財団でござい…』と呟く靖羽は、『ママ、行ってくるよ』と『次女の帆乃香』の声に『ママも出るから、一緒に行こう』と言うと家を後にします。そして、自転車に乗った靖羽は『のどかな住宅街を七、八分ほど走り、美しい建物の前に到着』します。『公益財団法人 千代田・レイド財団』、ここが『長女の出産を機に家庭に入って以来の再就職先だ』と、靖羽は『自転車からおり』、建物の『全景を眺め』ると『大きく深呼吸』します。『先週一週間は業務のおおよその流れを把握するのが精一杯で、まったく役に立てなかった』と振り返る靖羽は『今週はもっとスムーズに話せるようになりたい』と思います。そして、『おはようございます』と事務室へと入っていく靖羽。そんな靖羽が『千代田・レイド財団』で事務員として働く日々の中で『チョコレート』に勇気をもらう姿が描かれていきます。
2025年5月23日に刊行された内山純さんの最新作でもあるこの作品。”発売日に新作を一気読みして長文レビューを書こう!キャンペーン”を勝手に展開している私は、2025年2月に湊かなえさん「C線上のアリア」と町田そのこさん「月とアマリリス」の二冊、4月には桜井美奈さん「復讐の準備が整いました」と宮島未奈さん「それいけ!平安京」の二冊というように、私に深い感動を与えてくださる作家さんの新作を発売日に一気読みするということを毎月一冊以上を目標に行ってきました。そんな中、
2014年に「B(ビリヤード)ハナブサへようこそ」で第24回鮎川哲也賞を受賞された内山純さんの新作が出ることを知り、これは読まねば!と発売日早々この作品を手にしました。
そんなこの作品は、内容紹介にこんな風にうたわれています。
“40歳を機に仕事復帰することになった八重樫靖羽。家族は応援してくれるが、現実は甘くない。職場で緊張をほぐすチョコクッキー。思春期の娘の心に寄り添うホットチョコレート。娘の受験と介護に追い詰められたママ友に手作りのチョコパイ。チョコレートは自由に形を変え、進化していったと知った靖羽は、自分自身と向き合い始める ー。何歳からでも新しい一歩を踏み出せるし、もっと自由に羽ばたける。美味しくて勇気をもらえる物語”
なるほど、この作品が『チョコレート』という”食”にフォーカスを当てた物語であることが分かります。この世に”食”を取り上げた作品は数多あり、私のブクログの本棚にも”(๑╹ڡ╹๑)ンマィ「食」を描く”というタグに現時点で48冊の登録があります。一方で、”食”を取り上げた作品というと、このレビューを読んでくださっているみなさんの中には、またかあ、という印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この内山純さんが描く”食”には、際立ったオリジナリティがあります。それこそが上記した通りこの作品が『チョコレート』に対象を絞っている点です。このような絞り方をするものとしては、”和菓子”に絞った坂木司さん「アンと青春」、”サンドウィッチ”に絞った谷瑞恵さん「めぐり逢いサンドウィッチ」、そして”カレー”に絞った寺地はるなさん「カレーの時間」などが挙げられます。とは言え、これらの絞り方以上に『チョコレート』というある意味でマニアックな絞り方はそれ自体に興味をそそられます。
では、そんな『チョコレート』がどんな風に取り上げられていくかを見てみましょう。
『デザート代わりに持ってきた《プティ・ポワン》のラングドシャ・カカオ。肌理の細かい薄いクッキー生地の間に、少しビターなチョコレートが挟み込まれている』。
なんだか難しそうな名前です。『チョコレート』が好きな方にはピンとくるかもしれませんが、私にはちんぷんかんぷんです(笑)。そして、そんな『チョコレート』を手に取る主人公の靖羽の食レポが登場します。
『小袋を開けると、クッキー生地に含まれる微かなアーモンドの匂いと、チョコの甘苦い香りが湧き立った。ひと口食べる。サクッとした生地のほどよい歯触り。そのあとに広がるビターチョコの芳醇な甘み』。
全く名前を知らなかった『チョコレート』でしたが、この描写によって一気に美味しそう!なイメージが文字の上に浮かび上がります。これは間違いなく食べてみたくなります。靖羽も『幸せを感じる瞬間だ』と、思いを吐露しています。この作品ではこのような感じで次から次へと美味しそうな『チョコレート』が登場します。一方で、この作品のもう一つの特徴が、『チョコレート』の豆知識が多々語られてもいくところです。こちらも見てみましょう。
・『今みたいな固形のチョコができたのは十九世紀前半から半ばなんだって。それまでは、チョコレートはずっと飲み物だったんだよ』
・『チョコレートの味は原材料のカカオで決まります。人間は、約五三〇〇年も昔からカカオを摂取していたそうですよ』
・『甘いものが大好きなショパンは、高カロリーかつ身体があたたまるショコラショーを愛飲したのね。スミレの砂糖漬けまで加えていたって』
へえっーそうなんだ!となんだか物知りになった気分です。物語では、登場人物の会話の中に『チョコレート』に関する豆知識が自然な形で紹介されていくためにこれらの情報が違和感なくすっと入ってきます。そして、そのことが物語の奥行きを深め、その説得力を増すのにも役立っていると思いました。まさしく『チョコレート』づくし!とも言えるその内容!これはもう『チョコレート』がお好きな方は、今すぐにでも”本棚に登録”ボタンを押すしかないですね!(笑)
さて、そんな作品の一つの舞台となるのが主人公の靖羽が勤め始めた『財団』です。どんな『財団』かこちらも見ておきましょう。
● 『公益財団法人 千代田・レイド財団』について
・『昭和時代に活躍した建築家リチャード・レイドの妻、千代子が、一九八九年に財団を設立した』
・『財団の財源は千代子・レイド氏の私財だ』
・『夫のリチャードは貧しい生まれのアメリカ人』。『同じように貧しい家庭に育った千代子と出会い、結婚』、『不動産投資や株の運用で成功したので、夫婦はかなりの資産家になった』が、『子供がいなかった二人は自分たちの全財産を”財団”という形に変えた』
・『毎年五千万円もの助成金をさまざまな支援団体に支給している』
いかがでしょうか?おおよそのイメージが掴めたものと思います。この世に数多ある小説にはさまざまな会社を舞台にした”お仕事小説”が存在しますが、この作品のもう一つの性格こそが、『公益財団法人』という珍しい組織にフォーカスする”お仕事小説”の側面です。私も『公益財団法人』という言葉こそ知っていましたが、それが具体的にどういった組織なのか全く知識がありませんでした。上記した通り、『公益財団法人』には、『さまざまな支援団体に』『助成金』を支給するという目的があります。しかし、『毎年五千万円』もの費用を助成するとしたら、余程の原資がない限り、長期間に渡っての『財団』の存続は難しいと思います。そのため、『財団』には『株取引などの運用で利潤を得る必要』が出てくるためそれを任とされる方も登場します。さらには、システムを担当する方ももちろん登場する中で、組織の中の人間関係も見せてくれます。”お仕事小説”として、なかなかに興味深い世界を垣間見せていただきました。
そんなこの作品は育児等のために『十五年以上も仕事から遠ざかっていた』主人公の靖羽が『財団』で働き始めた先の日常が描かれていきます。〈序章〉と〈終章〉に挟まれた5つの短編が連作短編を構成するこの作品は短編タイトルも『チョコレート』にまつわるユニークなものがつけられています。
・〈第一章 宝石の詰まったアソート・ボックス〉
・〈第二章 カカオの木が育つところ〉
・〈第三章 あなたのためにショコラショーを〉
・〈第四章 ココアバターの奇跡〉
・〈第五章 ご褒美はマリー・アントワネットから〉
なかなかユニークなタイトルばかりだと思います。この作品の雰囲気感にもピッタリです。それぞれの短編では、働き始めた靖羽が関わっていく人たちの物語が描かれます。内容紹介にある通り、そこには”思春期の娘”、”娘の受験と介護に追い詰められたママ友”、そして靖羽自身と、さまざまな悩みに苦しめられる人たちが登場します。そんな時に登場するもの、それが『チョコレート』です。
『そうだ、こんなときは、チョコだ』
『そうよ、こんなときはチョコよ』
物語では、そんな言葉の先に上記した通りさまざまな『チョコレート』が登場します。
『ドロドロした状態から抜け出すには、相手と自分をしっかり見つめねばならない。カカオ豆の油分を減らして調節したらサラサラのココアができたように、自分を信じるためには、自分の信念のバランスを見直す必要がときにはあるのかもしれない』。
そんな風に、身近に食べられる『チョコレート』に悩み苦しみから抜け出すためのヒントが浮かび上がってもきます。この世に悩みがない人などいないと思います。誰だって何かしら悩み、苦しみ、動けなくなってしまう、長い人生の中ではそんな瞬間は決して他人事ではないでしょう。そして、そんな時はどうしても気持ちに余裕がなくなってもしまいます。物事を一面でしか見られなくなってもしまいます。そんな時に大切なこと、それが”起点・きっかけ”です。この作品では、『チョコレート』を食べて、美味しいな!と思う瞬間、ほっとするそんな瞬間に”起点・きっかけ”を得る人たちの姿が描かれていきます。『チョコレート』という誰もが知る、誰もが笑顔になる身近な”食”を取り上げたこの作品。そこには、そんな”食”に幸せな瞬間を感じ、そこに何かを掴みとっていく人たちの物語が描かれていました。
『美味しい、嬉しいと感じることができて、エネルギー供給源にもなる。元気になって、また頑張ろうと思える。チョコレートってそういうものよね』。
内山純さんの最新作でもあるこの作品。そこには、『チョコレート』にフォーカスしたほっこりとした物語が描かれていました。『チョコレート』という”食”の魅力に抗し難いものを感じるこの作品。『公益財団法人』の”お仕事小説”としての側面も持つこの作品。
読み進めれば読み進めるほどに、『チョコレート』が無性に食べたくなってもしまう、とっても『美味しい』物語でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
40歳を機に仕事復帰を希望していた八重樫靖羽は、小金井にある《ショコラティエ・プティ・ポワン》で、堤マチ子から仕事に誘われる。
靖羽の再就職先は、公益財団法人千代子・レイド財団。
昭和中期に建てられた美しい洋館で働き始めた靖羽は、家庭で母としての役割も果たしながら、ひとつずつ前向きに仕事をこなしていきます。
幼い頃から靖羽の傍らには大好きなチョコレートがあって、何かにつまずいた時にはいつもチョコレートに励まされていました。
困っている人にそっと手をさしのべて心を開かせてくれる。
そのような財団を立ち上げた千代子さんの信念と、大昔は"薬"だったというチョコレートの歴史がうまく組み合わされた、人の心に寄り添うようなとても温かい物語です。 -
初めましての作家さん。
角川ごちそう文庫、新刊の1冊です。
とても読みやすい文章で、内容も身近なもので親しみやすかったです。
主人公、八重樫靖羽の仕事復帰の話の中に、支援がいる子の話、学校でハブられている話、親戚の介護や家の格の話、職場でのパワハラの話、等などが深刻になりすぎない感じに描かれています。
その時の靖羽さんの対応というか物の捉え方がとても良くて真似したいと思いました。私自身に何かあったら思い出して、乗り切れたら良いなと思っています。
また、靖羽さんの家族がとても自然体で家族の温かい繋がりが感じられて、柔らかい気持ちになりました。
内山純さんの他の作品も読んでみようと思います。
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表紙も素敵だし、チョコレートも出てるしと思い購入。
素敵な本だけど、主人公もその家族もちょっとなんというか出来過ぎかなぁ。
御伽話みたいで綺麗すぎて、白けた気分になってしまった。
でも、千代子・レイド財団の志はとてもとても良かった -
前半から中盤まではあまりチョコレートの話というよりかは人々との出会いであったり、仕事のことであったり、環境であったりの話が多かったように思います。
そのため、あれチョコレート全然出てこないけど題名や帯として成立するのかな?と疑問に思いました。
ですが、後半は丸っきりチョコレートネタだったので、ちょっと後半にこじつけすぎ感はありましたが、本としては良かったと思います。 -
チョコレートの歴史も学べるし、財団についても知れるし、色々と勉強になる本でした。主人公の女性も家族もそれぞれがすごくしっかりしていて、人として学べるところも多かった。人は人、自分は自分。嫌なこと言う人にも、「そうきたか」と捉える。嫌なことをしてくる人に対しても、穏便に、丁寧に対応する。大人な対応を学べました!
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自分の価値観が、一度洗濯されて太陽の匂いを吸収しながら乾いていく、そんな一冊だと感じた。
人間誰しも、私も、周りの人々にレッテルを貼って見ていた。誰々の友達、この会社の人、こんな病気をもっている人…
これは、その人自身を見ているとは言えない。“個”を尊重するとはどういうことなのかを改めて考えさせられた。それに、「仕事は苦痛をもたらすものではなくその人の人生を豊かにするものであるべきだ」という考え、なんて優しくて救われるような言葉なんだろう。
この一冊から私はたくさんのことを考えて、感じることができた。チョコも元々好きだが、大好きになった。私もホットチョコレート、淹れてみたい。 -
チョコレートに関する話だし、装丁も可愛かったのでほのぼの系かなと思っていましたが、ちょっと違くてお仕事小説感強めの日常物語(?)みたいな感じでした。いじめや虐待、浮気疑惑パワハラなどなど結構ハードめな内容が多くて読んでて疲れる印象。
チョコレートが好きなので作品に期待しすぎたかも。 -
元々チョコは好きだったけど、この小説を読んでチョコの歴史や奥深さを知って、ますます好きになった。
仕事や家族の問題で悩みながら、自分自身と向き合い、一歩一歩前に進む主人公の靖羽。その人生にはいつもチョコが寄り添ってくれている。
「人の為に何ができるか?」私も考えながら生きていきたい。 -
チョコレートが大好きな靖羽の人生には、いつだって色んな形のチョコレートが寄り添っている。人生の転機にも日々の困りごとにも傍らにはチョコレートがある。
うまくいかないときのラングドシャ。辛い心をほどくホットチョコレート。ご褒美のつややかなチョコレート。姿を変えて目を、舌を楽しませてくれる。
長い時間をかけて、たくさんの人による様々な試行錯誤があったがゆえに、今のおいしいチョコレートができている。チョコレートのことを知っていく中でもっともっとチョコレートの魅力に気づいていくのだ。
この物語を読み終えて、早速チョコレートを一つ口に運んだ。甘く溶ける素敵な茶色の宝石は私に幸せを運んでくれた。 -
よくある「ちょっとした困り事」に向かう主人公一家の立ち位置がニュートラルで心地よい。
自分事となると沸点が低めの人間なので、靖羽さんの物事の捉え方を真似したい。
困っている人達の僅かな力になれば、という思いを繋ぐ登場人物達の姿勢が、温かい気持ちにさせてくれた。
そして案の定帰りがけにチョコを買ってしまった。
影響されやす過ぎ。
次女が良い味。我道感が大好き。 自由研究をフルで読みたい。 -
ビターな状況に遭っても、チョコレートがあれば大丈夫。日々のお守りに一粒のチョコレートを。
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
主人公の、仕事や家庭、ご近所付き合いへの向き合い方は参考になることも多かったし、チョコレートの歴史なども少し学べたりして、良いお話でした。
偶然なことに自分はこの物語の舞台となる小金井市に勤めています。素敵な、でもカジュアルめなショコラトリー、無いかなぁ…。 -
この本を通して、チョコレートの歴史、そして意外にも「財団」というものがどうしてできたのかまで、知れたのが興味深かったです。
ココアとホットチョコレートは同じものだと思っていたので、その違いを知れたのも面白かったです。
ただそんなに長編でも無いのに、あまりにも登場人物たちに次々と災難が降りかかりすぎるので、そこがちょっと詰め込みすぎだなぁ…と思ってしまいました。
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2025/05/30読了
内山純の作品
