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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784041157619
作品紹介・あらすじ
貧しき人々に剣を教える流浪の剣士が、藩の指南役と対決する(「薯粥」)。井伊家を訪れた浪人は、玄関先で切腹させてほしいと言うが(「異聞浪人記」)。主家なきあとの大石内蔵助の命を狙うのは誰だ(「鬼の影」)。旗本の実家を飛び出し刀屋になった光三郎が、大騒動に巻き込まれる(「うわき国広」)。用心棒を頼まれたのは、長屋暮らしの頼りない浪人だった(敵持ち)。おのれを貫く浪人たちの生き様を描くアンソロジー。
感想・レビュー・書評
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【収録作品】
「薯粥」 山本周五郎
「異聞浪人記」 滝口康彦
「鬼の影」 葉室麟
「うわき国広」 山本兼一
「敵持ち」 宮部みゆき
「薯粥」頑固者の生き様がなんとも懐かしく感じられる。
「異聞浪人記」浪人の悲哀。安泰な側のおごり。
「鬼の影」赤穂浪士もの。
「うわき国広」国広マニアと虎徹マニアの旗本の諍いに巻き込まれた刀剣商。
「敵持ち」命を狙われた料理人が同じ長屋住まいの浪人に用心棒を頼む。宮部みゆきは巧い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「芋粥」自分の人生という時間も、稼ぎ出したお金も惜しみなく分け与えるそんな生き方何人ができる?
「異聞浪人記」復讐は叶ったけど…悲しい。勧善懲悪と言うか、因果応報というか…好意が好意で返らぬこともある。善が報いられぬこともある。何度も経験して知っているのに、話が進むにつれ、憤りを覚える物語だった。
「鬼の影」流石というか。葉室麟氏の文章には何時も不思議な高揚感を覚える。お家復興を第一に考える大石。殿の敵討ちを考える安兵衛。対立の中にある根っこの志の熱さ。
「うわき国広」趣味が高じた大騒動。楽しい話に笑いが尽きない。
「敵討ち」ラストが宮部みゆきさん。
ミステリーの世界へ秒で引き込まれる。
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どれもこれも短編ではあるが面白い
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2025(令和7)年発行、KADOKAWAの角川文庫。5篇。山本兼一『うわき国広』浪人の話というより刀の収集に関する旗本の話、しかしなかなか面白い。宮部みゆき『敵持ち』ミステリ風な話である。犯罪を犯す方がまったく間抜けなやり方で、話の途中で聞く話もなんか不審な部分がある、主人公が気付いているところがいいところである。
収録作:『薯粥』山本周五郎、『異聞浪人記』滝口康彦、『鬼の影』葉室麟、『うわき国広』山本兼一、『敵持ち』宮部みゆき、解説:「解説」末國善己(文芸評論家)、 -
己を信じひとりで闘い続ける人々の姿は、気高く美しい。困難な世の中を生き抜いた、男たちの折れない「信念」を体感。江戸時代の浪人を主人公にした短編小説の傑作をセレクト。
著者プロフィール
宮部みゆきの作品
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