おぼろ迷宮

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  • KADOKAWA (2025年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784041158371

作品紹介・あらすじ

おんぼろアパート『朧荘』に住む女子大生夏芽は、まるで異次元に迷い込んだかのような不可解な出来事に遭遇する。〈謎〉を解決するのは、隣に住む正体不明の老人、鳴滝。尋常ならざる人脈と驚異の推理力を駆使する彼は一体何者なのか。街にはびこる不可思議な事件の謎を、凸凹コンビがスイーツを食べつつ華麗に解決!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

軽快なタッチで描かれる日常ミステリーが、読者を新たな体験へと誘います。おんぼろアパート「朧荘」に住む女子大生夏芽と、隣人の正体不明の老人・鳴滝が織り成す凸凹コンビは、身近な不思議な事件をスイーツを楽し...

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと抜けてる女子大生と謎の老人凸凹コンビ、人の結びつきにホンワカしちゃうミステリ #おぼろ迷宮

    ■あらすじ
    おんぼろアパートに住む女子大生の夏芽は、アルバイト先の甘味処で不可解な体験をする。店に入ると見知らぬ店員がおり、従業員である旨を伝えても追い出されてしまうのだ。しかも翌日お店に行くと、店主から何故昨日休んだのかと叱られてしまう。

    思いがけず出会ったアパートの隣人、鳴滝にその出来事を相談すると、意外な事実が判明。老人にも関わらず鋭利な推理と豊富な人脈を持つ鳴滝、彼はいったい何者なのか? 女子大生の夏芽と鳴滝が、街で起こった様々な謎に挑む。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    楽しいミステリーすね、ずっとニヤニヤしながら読ませていただきました。

    本作は女子大生夏芽の目線で物語が進行。日常の謎から始まり、警察組織にも関わる大きな事件にも巻き込まれていく。ひとりでは解決できず、アパートの隣に住む謎の老人、鳴滝とコンビを組んで様々な謎を解いていくお話です。

    他にも見た目と口調がイカツい剛田や、夏芽が通う大学の美人先生、榊も絡んでくる。思いっきしキャラ小説に振り切っているから、彼らの会話や関係性が読みどころになっています。

    まずは謎の老人鳴滝ですよ。このじじいが切れ者で人脈が太い。何モノなのってところが興味深いのですが… 読んでいただければすぐにわかってきますが、終盤はもはや時代劇キャラです。そして榊先生が愛せるんですよ、やっぱり鋭い女性が好みのタイプなの。

    そして主人公の夏芽と剛田がおとぼけキャラで可愛いんですよ。彼らも一生懸命に事件を追っていくのですが、尋問している相手に突っ込まれてしまうというマヌケっぷり。

    鋭くない行動力だけの夏芽と剛田、優秀で頭脳派の鳴滝と榊、この四人の結びつきにホンワカしちゃうんすよね~。ラストシーンは桜が目に浮かびますね、こんな優しい人たちに囲まれていたいと思いました。

    ○最初の事件
    バイト先で夏芽が不思議な出来事に遭遇する。夏芽と鳴滝の出会いから始まりますが、やっぱり鳴滝が怪しすぎますね。謎自体はシンプルだけど、人との繋がりでいえば結構深いところを描いている。

    ○次なる事件
    振り込め詐欺っぽい事件、しかし見聞きした情報だと何か違和感があり… 榊先生登場、なかなかの手厳しい人柄に惹かれちゃう。

    この事件は本当にありうるんじゃないかな、ちょっと笑えませんね。不景気で高齢化が進む日本の現代らしい物語でした。

    ○最大の事件
    本作メインの物語で、中編ほどの長さがある作品。昔あった事件、事故を掘り下げていくというお話ですが、詳しくは語りづらいのでぜひ読んでみてください。

    四人のキャラが爆発して、めっちゃおもろい。特に推したいのは剛田ですね、無駄な熱さと空回りっぷりが笑える。そしてきっとプリンが食べたくなるでしょう。

    ○朧荘最後の日
    朧荘が取り壊しになる?! アパートからでてきた昔の写真に、何故か榊先生と瓜二つの女性が映っており… 昔ながらのマンガみたいなラストエピソードが微笑ましい、THE大団円っぷりが好き。

    ■ぜっさん推しポイント
    月村先生が描くコミカルなキャラ小説、楽しませていただきました。いつのもとおり登場人物を魅力的に描くのはお上手でしたね~、さすがでした。本作とは直接関係ないですが、「機龍警察シリーズ」をほとんど読んでないんですよね。もうそろそろ新刊も出そうだし、読まなきゃなー

  • うーん、こんなんも書きたかったんでしょうな〜

    そりゃそうよ
    参考資料盛りだくさんな重厚な社会派ミステリーばっかじゃ疲れちゃうもの

    ライトでコメディタッチな日常のミステリー、でもってちょっとほろりの人情派
    たまには書いてみたいでしょうよそりゃ

    でも了衛さん
    たぶんだけど…向いてないと思う

    もっとこう振り切らないと!
    もっと色々かなぐり捨てないと!
    もっと雑に書かないと!

    コメディに振り切れてない

    向いてないわー

    • ひまわりめろんさん
      シンさん

      まぁ、目的地を決めずに旅に出たいときもあるじゃないっていう
      シンさん

      まぁ、目的地を決めずに旅に出たいときもあるじゃないっていう
      2025/04/06
    • ひまわりめろんさん
      シンさん

      まぁ、目的地を決めずに旅に出たいときもあるじゃないっていう
      シンさん

      まぁ、目的地を決めずに旅に出たいときもあるじゃないっていう
      2025/04/06
    • ひまわりめろんさん
      ユッキー 

      ちなみに本作は参考資料ゼロ
      まぁ、参考資料がたくさんあれば偉いってわけじゃないけど、いつもの感じではないってことは伝わるかな
      ユッキー 

      ちなみに本作は参考資料ゼロ
      まぁ、参考資料がたくさんあれば偉いってわけじゃないけど、いつもの感じではないってことは伝わるかな
      2025/04/06
  • 今までの骨太な社会派ミステリーとはガラリと雰囲気が違って少々戸惑ってしまったほど。
    軽快で面白さもあり、キャラも際立っていて楽しめた。

    おんぼろアパートの「朧荘」に住む女子大生夏芽と隣りに住む老人・鳴滝が、身近に起こる不思議な事件を解決していく。

    先ずは、夏芽がバイト先で不可解な出来事を遭遇したことをアパートから友人に電話で喋っていたところ、それが隣りの老人に筒抜けで…
    翌日、散歩中に老人に誘われて洋菓子店『プリムローズ』でケーキを食べながら、不可解な出来事を詳しく話すことになり…
    この鳴滝老人が不思議で、謎の人脈があるのか瞬く間にサクッと解決してしまうという。

    2話から振り込め詐欺かと思いきや…これは犯罪なのかと考えてしまう事件で、いつものようにケーキを食すのもあり。
    ここから榊准教授と剛田が登場。

    3話は、少し複雑になり榊准教授もちょっと関係ある事だったり…警察内部の隠された闇を知ることに。

    剛田の正体もわかったと同時にもちろん鳴滝老人が何者だったのかもわかる。
    ケーキじゃなくてプリンの食べ歩きはキツいだろうなと思うところもあったりと、けっして暗くはならない結果となる。

    4話は、「朧荘」の最後かと思うくらいに纏まり盛り上がる。


  • 月村了衛さんは結構好きな作家さんかも
    了衛さんと言えばやはり社会派小説でしょ

    だけど、本作はかる〜いタッチのミステリー
    一足先にひま師匠が読んで★3の評価
    (あのひま師匠が★3の評価だと!)

    さらには、「了衛さん、向いてないわー」とツッコんでましたwww

    そんな情報を入手してしまうと、ちょっと期待値が下がっちゃいました⤵⤵⤵
    ウソです!
    ちょっとではなくまあまあ下がったので、もうひとつ⤵を付けときます

    けど、予約が回ってきたので読みました

    ま、いつもの了衛さんに比べるとやっぱり物足りないけどそこまで残念ではなかったかなと
    案外好きかも(*´ェ`*)ポッ

    なのでひとつ付けてた⤵を⤴まではいかないけど、→ぐらいには訂正しておきます

    • 1Q84O1さん
      あのお爺さん実はね、、、

      ピィ───────の、
      ピピピ──────で、
      ─────────なの!
      あのお爺さん実はね、、、

      ピィ───────の、
      ピピピ──────で、
      ─────────なの!
      2025/05/07
    • ゆーき本さん
      ε٩(๑>ω<)۶з なんやてー!!笑
      ε٩(๑>ω<)۶з なんやてー!!笑
      2025/05/07
    • 1Q84O1さん
      もう一回借りて読んでみます?w
      もう一回借りて読んでみます?w
      2025/05/08
  • すっごく面白かった!!
    4編からなる連作短編集(1つだけ中編サイズ)
    こういった作りの作品の中では今まで読んだ中で1番完成度が高いように思う。

    世間を忍ぶ元警視総監が謎を解くのも面白いのだけれど、それよりもバディを組む夏芽とその他の主要人物全員に濃すぎない個性があり、バランス良く調和しているのでほんわかと暖かい気持ちにさせてくれるところが素晴らしい。
    月村氏の作品でクスクス笑うものなんて今までなかったと思うが、まさかこんなものも書けるなんて医者と教師以外で初めて『先生』と言いたくなってしまった。
    新たな新境地を開いた作品のように思う。

    それにしても最後の終わり方はまるで朧のよう、、、

  • 「虚の伽藍」で著者の存在を知り、本作はまったく違った雰囲気を醸し出しているので手に取ってみました。

    表紙からして昭和感が漂っていますが、作風もまた、どこか懐かしい昭和の空気感があります。舞台は現代(令和)なのに、アパートや地名など、そこかしこに“朧”という漢字が登場するせいでしょうか。全体にノスタルジックでレトロな雰囲気が流れているのです。
    (「乱歩と千畝」を読んだ流れで本作を読んだせいか、余計にそのレトロ感を強く感じました。)

    それにしても、思いっきり人情モノに振ってきましたね。笑
    しかも、読み心地はとてもライト。
    月村了衛さんは重めのテイストを描く作家だと思っていたので、そのギャップにやられました。

    「おぼろ迷宮」を読んで感じたのは、「人は人に生かされているんだな」ということです。
    ITやAIといったテクノロジーをどう使いこなし、いかに効率よく働くかが求められる毎日ですが、それだけじゃないよなぁ、と思うのです。
    ちょっとした効率の悪さ(手間)が、楽しみや苦しみを生み出し、人との関わりを広げてくれることもある。
    女子大生・夏芽と老人・鳴滝が事件を解決していく様子を眺めていると、そんなことをしみじみ思わされました。

    そんな中で、私が好きなシーンは“プリンの食べ歩き”の場面です。
    謎解きの最中、夏芽と鳴滝が洋菓子店を回りながら人探しをする――という名目で、ひたすらプリンを食べ続けるシーンがかなりのボリュームで描かれています。
    目的はあくまで聞き込みなのに、いつの間にかプリンが主役に。笑
    途中で「プリンを食べなくてもいいのでは?」と気づくも、うんざりしながらもプリンを食べ続ける二人の姿が想像できて、思わず笑ってしまいました。

    そして、本作で特に印象的だったのは、罪の償い方がちょっと変わっている点です。
    罪を犯した人が、法律ではなく“別の方法”で償っていくのです。

    今の時代、世の中はあまりにも世知辛い。
    本作のような結末は、現実ではありえないのかもしれません。
    でも、せめて物語の中だけでも、こういう償い方があってもいいじゃないかと思うのです。

    “正しさ”とは、置かれた立場や、それを判断する人の視点によって、いかようにも変わってくる。
    だからこそ、“正しさ”って、ひとつじゃないんじゃないかな……そんな余韻を残す作品でした。

  • アルバイト先の甘味処で不可解な体験をすることに・・・
    アパートの隣に住む謎の老人と知り合う・・・

    個人的には少し物足りない感じでした。
    本当にありそうな事件もあってなるほどと納得しながら読むことができます。
    でも、何か物足りない感じが歯痒くって少し読むのに苦労した感じでした。

    少し時間をおいて再読してみようと思います。

  • 星3.7と言ったところ。
    作風としては以前読んだ同じ作者の『ガンルージュ』に近い感じだと思いました。
    ただ、最後の章の話は果たして必要だったのか?という疑問が残ります。
    面白いのは面白かったのですが、その前の章で終わっていても別に良かったんじゃないかなという感じでした。

  • オンボロアパート朧荘に住む女子大生、その隣人の元警視総監の老人、現職の刑事、水戸黄門と頼りない助さん角さんの様な3人が事件?を解決する短編。著者はノワール物や機龍警察シリーズのようなハードなストーリーは勿論、ガンルージュや本作のようなコメディタッチの物語も上手い。

  • 高知新聞、秋田魁新報、神戸新聞、熊本日日新聞、北國新聞、中国新聞、信濃毎日新聞に2023年1月〜2024年6月まで掲載されたものに加筆修正し、2025年3月角川書店刊。最初の事件、次なる事件、最大の事件、朧荘最後の日、の4章で構成。ある意味バディものというか、ホームズとワトソンというかそういうコンビで事件を解決していく夏芽と鳴滝の掛け合いとクセのある登場人物たちとの展開は楽しいものの、最後の事件とユーモア仕立ての噛み合いが悪く、違和感が残った。

  • 初作家さん。
    面白いんだけど、ちょっとファンタジーが過ぎる気もしたな。
    元総監がカッコいいけど、ちょっとご都合主義?

  • ドタバタコミカルで、作中の謎も日常の謎で、ほのぼの。読みやすい内容にグイグイ読める。
    ラストだけ妙にファンタジー。

  • Amazonの紹介より
    女子大生夏芽と謎多き老人鳴滝が街の難事件を鮮やかに解決する!
    おんぼろアパート『朧荘』に住む女子大生夏芽は、まるで異次元に迷い込んだかのような不可解な出来事に遭遇する。〈謎〉を解決するのは、隣に住む正体不明の老人、鳴滝。尋常ならざる人脈と驚異の推理力を駆使する彼は一体何者なのか。街にはびこる不可思議な事件の謎を、凸凹コンビがスイーツを食べつつ華麗に解決!


    冒頭から、なにやら不思議な出来事に遭遇します。バイト先に行ってみたものの、オーナーが別人で、夏芽はそこで働いていないという扱いに。ところが翌日になると、まるで何もなかったかのように今迄のオーナーがいて、バイトとして招かれます。

    なんともSFめいた展開だったので、これは摩訶不思議なSF?とか思ってしまったのですが、後に知りますが、これは普通のミステリーでした。ちゃんとしたトリックといいましょうか、論理的に説明できるので、意表をつかれました。

    そもそも、それを解くのは、謎の老人なのですが、謎すぎました。隣人であるにも関わらず、他人の話を盗み聞きしたり、ちょっかいを出したりと最初は変な老人だなと思いました。
    ところが、次第に老人の正体がわかっていくのですが、度肝を抜かれました。予想を上回る正体に、話としては面白いなと思いました。様々な人脈を駆使して、驚きの推理をしていくので、さすが○○と思ってしまいました。

    なぜこのおんぼろアパートにいるのか?あまりの落差に思わずクスっとしてしまいました。
    さらに謎の老人だけでなく、謎のヤクザ風の男も登場し、話を面白くさせてくれます。

    その正体も、老人と繋がっているのですが、その存在感は凄かったです。その反面、本人の視点で見ると、気の弱い存在感なのですが、3人を巻き込んで事件を解決していく過程は、コミカルで面白かったです。
    コンビ、いやトリオの会話のやり取りにほっこりしました。

    事件としては、摩訶不思議な出来事から警察の不祥事、はたまたアパートの立ち退き騒動まで、色んな種類の出来事を推理していくのですが、最大の読みどころは、「最大の事件」かなと思いました。警察の不祥事を扱う出来事なのですが、それは老人とヤクザの男に大きく影響していて、それぞれの活躍が大いに発揮されていました。

    夏芽としては、不遇にも巻き込まれてしまうのですが、老人にとっては大きく影響を受けたこともあって、読みどころが多くありました。

    箸休めとして、色んなスイーツを食べている描写では、ほっこりとした雰囲気があって、楽しめました。
    続編があっても面白いかなと密かに期待する自分もいました。

  • 今まで読んだ月村了衛さんの作品のイメージとは違って新境地といった感じ。
    ハートフルで軽いタッチのミステリーといえばいいのかな?
    美味しそうな甘味がたくさん出てきて、なんだか甘いものが食べたくなった。

  • 月村さん、機龍警察のイメージが強かったからパスかなぁと思ってたが、やはり読ませていただきました。先入観はよくないと言われた気がするこの一作だが。まず、物語をまわす夏芽が浮いてる。私が読み足りないんだろうな。

  • おんぼろアパート『朧荘』に住む女子大生夏芽は、まるで異次元に迷い込んだかのような不可解な出来事に遭遇する。〈謎〉を解決するのは、隣に住む正体不明の老人、鳴滝。尋常ならざる人脈と驚異の推理力を駆使する彼は一体何者なのか。街にはびこる不可思議な事件の謎を、凸凹コンビがスイーツを食べつつ華麗に解決!。続編出ないかなぁ。

  •  女子大生夏芽の一年間の冒険譚というと作品のイメージがガラリと変わってしまいそうだが、最後まで読み切るとこの作品の主人公は間違いなく夏芽であり、その役割を真っ当している。作中、全てのキャラクター造形が際立っており、親友の紬以外はバックボーン含めて想像できる様な描き方がされている。それぞれの登場人物達は皆魅力的で、謎の老人である鳴滝も、彼の知人である剛田も、夏芽の大学の教授である榊も、まるで彼らが登場する作品を過去にみてきたかの様に生き生きとしている。
     一点残念な部分があり、表紙に夏芽と鳴滝の姿が描かれている点で、時に鳴滝についてはミステリアスな要素を残しながら、読者に人物を想像させて欲しかった。イメージとかけ離れているわけでは無いが、夏芽含めて少しだけ、想像のビジュアルとギャップがあるのは残念な要素だ。

     大きく四つの章から構成されており、一つ目、二つ目は世界観の共有、3つ目が最大の事件、ラストが大団円の構成になっている。どの章も面白いが、最終的な物語の締め方は、何故この作品が「おぼろ迷宮」であるのかを充分に表現しており、夏芽が迷い込んだ不思議な数々の出来事や出会いが、ノスタルジックな描写で霞んでいく、飲み込まれていくイメージの作品だ。

    鳴滝という謎の老人が、ぼろぼろのアパートで生活しながらも、時に鋭い洞察や判断、時に夏芽と甘いもの談義を交わす和やかさと魅力的で、正体等もっとぼかして欲しかったなあ、と思う反面、第三章は正体がわかったからこその物語であり、難しいところだ。鳴滝がシリーズ化しながら他にも沢山の人が増えていき、実はあの人物がこうだみたいに派生していく事ができそうな、世界観が広い作品に思う。
     それぞれの事件自体が重苦しいものではなく、「謎」について最大にフォーカスされているので比較的軽めに読む事ができるし、徐々に打ち解ける夏芽と鳴滝のやりとり、食レポは個人的にとても楽しかった。

  • 初めはカッコよかった鳴滝老が徐々にコミカルになっていくのが興味深い

    この作家さんにしてはなかなか振り切った作品に感じられる

  • 闇社会や陰のある人間をシリアスに描く作品が多い著者だが、本書はコメディー要素が強い。夏芽や鳴滝、剛田らの砕けた言動が微笑ましく、フェードアウトしてゆくラストシーンも朧げ満点。月村了衛先生の笑いのセンス、文才に敬嘆。

  • おぼろ荘に住む老人と大学生が事件を解決。ほのぼのストーリー、、、。月村さんには、珍しいかと、、、。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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