完璧な家族の作り方 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2025年4月25日発売)
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感想 : 18
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  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041161999

作品紹介・あらすじ

新人賞に応募された小説作品「完璧な家族の作り方」。
角川ホラー文庫編集部は、著者のある目的のため、本作の書籍化を決定しました。



※本作は、note主催・創作大賞2024〈角川ホラー文庫賞〉受賞作です。


〈目次〉
完璧な家族になるための方法とその過去の事例
北九州に現存する一軒家で起きた凄惨な事件
その家で増え続ける行方不明者
理想的で完璧な家族のあるべき姿に関して
「首縊りの家」とその周辺地域に伝わる怪談についての取材記録
など様々

感想・レビュー・書評

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  • 今朝購入し、今、読み終わりました。
    澤村伊智の「ししりばの家」とか、小野不由美の「残穢」とか、家や土地にまつわる陰惨な出来事が起こす怪異かと思って読んでいましたが、途中で毛色がみるみる変わります。新たな家族を作るために、生きる者を無作為に選別するという歪んだ思想と土地神なのか古来の怪異がマッチングしてしまった、新しいホラーと言った感じでした。
    誰が誰なのか。点と点がつながった瞬間、「そういうことですか」と納得しました。

  • 福岡県北九州市に現存する一軒家で次々と起こる怪異。
    物語は音声記録、手記、新聞記事などを中心に進んでいくため鬼気迫る恐怖や、グロテスクな表現は少ないものの、少年が書いたとされる手記が年齢以上に幼く拙い文章なだけに内容の異常さと相まって薄ら寒い怖さを感じた。


  • まるで実話怪談のようなリアルさと怖さと不気味さ。家族写真が怖すぎる。T字路に家を建てなければ、、、石敢当を壊さなければ、、、魔物が入ってこなかったのに、、、。

  • いやぁかなり怖かった。北九州にある廃墟の家で、次々と自殺者や行方不明者が出ている。黒い影という幽霊めいた怖さと、そこで起こった殺人事件の犯人のおぞましさの両立が上手くてやられた。特に怖がりながら読み進めて、一番最後のページは鳥肌がたった。

  •  北九州に現存する一軒家で起きた凄惨な殺人事件や相次ぐ行方不明者と自殺者、そして語り継がれる奇妙な怪談や手記の繋がりを紐解いていく『近畿地方のある場所について』を彷彿とさせるモキュメンタリーホラーで、終始漂う不気味な雰囲気と徐々に明らかになる全容に恐怖と一抹のやりきれなさが最後まで頭から離れなかった。最後の写真は…恐ろしい…

  • ホラー系で言うとこの前「ドールハウス」を読んでかなり面白かったので今回は⭐︎2かな…

  •  北九州のある住宅でかつて起きた凄惨な事件。心霊スポットとなったこの家で続出する行方不明者と心霊現象の謎を関係者の証言他から追った記録と、浮かび上がる家族の忌まわしく歪み切った肖像。

     認知症になった老母の介護のため幼い息子を連れて東京から戻って来た鷹村翔太。元々10歳の時に父親の転勤で北九州へ引越してきた彼は、転校先の同級生たちにけしかけられ、近所にある気味が悪い誰も住んでいない一軒家に立ち入り、そこで世にも恐ろしい体験をする。それから21年後、再び北九州へ戻って来た鷹村は件の家がまだ残っていること、息子がその家に関心を示し「黒い人がいる」と語ること、さらには徘徊の始まった母親が夜毎息子を連れてその家の前に立つようになったことを知って次第に憔悴していく……。

     物語は鷹村への聞き書きを主に、その家の持ち主や近隣住民、行方不明事件に関わったYouTuber等への聞き取り、凄惨な事件の当事者の日記とインタビュー記録(これがとにかく悍ましい)、過去の新聞記事、etc……を織り交ぜ、その家でかつて何が起きたのかが徐々に明かされて行く。また鷹村翔太やその他の人間に話を聞いているのは作家らしく、この家と事件を題材にホラー小説を執筆するつもりであることが幕間のメモで次第に見えてくるが……。

     これも流行りの(というか一カテゴリとして既に定着した感のある)モキュメンタリー・ホラーではあるが、一軒家、そこに深く関わる事件と人物……と、場所も語られる内容も限定されており、それ故か話の全体像は中盤で見えて来る。鷹村の元に処分しても繰り返し現れるポラロイド写真が強烈に忌まわしい印象を残す。

     これほど“一冊全てが悍ましい”小説を読んだのは久しぶりかもしれない。

  • 怖っ。いや怖い怖い。
    梨氏、背筋氏、芦花公園氏、雨穴氏等、モキュメンタリーブームを巻き起こした、ネット、カクヨム系ホラー作家のモキュメンタリーを怖くするための手法がギュッと詰め込まれたこれぞ令和のホラー。
    既視感があるのはご愛嬌で、もはや王道展開といっていいと思う。

    それにしても、文章が稚拙だとか、冗長だとかそんなんが吹っ飛ぶくらい巻末の写真怖い。
    是非先にページをめくらずに最後まで、読んでください。

  • 角川ホラー文庫編集部のXを見て、これはぜひ読みたいと思った作品。

    丁字路に建てられた、とある廃墟をめぐる物語。
    良い意味で、最初から最後まで不穏な空気が漂う厭なお話でした……。
    特にある人の手記とインタビュー記事は鳥肌もの。
    書影も含めて、最近読んだホラー小説のなかでもゾワゾワ度はトップクラスだと思います。

    私はミステリーが好きなのですが、勘は良いほうではないので、本作でもしっかりびっくり。笑
    時系列を把握するために読み直してみたりと、堪能しました。
    ″完璧な家族″ってなんだろう……他の方の感想も読んでみたいです。

  • とても面白く読ませていただきましが、一つだけ気になることがありました。
    2010年時点で「バズる」という言葉はなかったような…
    気のせいでしたらごめんなさい。結局のところ、楽しく読めたので問題無しです。

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