中原中也詩集 在りし日の歌 (角川文庫)

  • 角川書店 (1997年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041171035

作品紹介・あらすじ

旺盛な活動を続ける中での愛児との突然の別れ。「亡き児文也の霊に捧ぐ」という言葉とともに中原が最後に編集した詩集『在りし日の歌』全編と同時期の代表作を精選。詩人最晩年の活動のすべてを示す。

感想・レビュー・書評

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  • 旺盛な活動を続ける中での愛児との突然の別れ。「亡き児文也の霊に捧ぐ」という言葉とともに中原が最後に編集した詩集『在りし日の歌』全編と、同時期の代表作を精選。詩人最晩年の活動のすべてを示す。

  • 「まことに人生、一瞬の夢、ゴム風船の、美しさかな。」

  • 中原中也の「湖上」が大好きで、収録されているこの本を買ってしまいました。

  • (月夜の晩に、拾ったボタンは 指先に沁み、心に沁みた。
     月夜の晩に、拾ったボタンは、どうしてそれが、捨てられようか?)

    古典文学はあんまり好きじゃありませんが、昔の詩とか短歌は好き。
    言葉遣いがクラシックで、重苦しくて、でもときどきはっとするほど軽やか。
    中原中也が見た世界は、私にはもう見られないし感じられない。

    詩の中から垣間見られる今はもう見れない時代の世界や感性にどきどきします。


    好きな詩は

    ・秋の日
    ・湖上
    ・蜻蛉に奇す
    ・北の海
    ・月夜の浜辺
    ・言葉なき歌
    ・少女と雨

    引用は月夜の浜辺から。

  • この詩集、有名な「月夜の浜辺」が読みたくて、買いました。
    「月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちていた」
    あらためてぱらぱらめくると、他にも知っているフレーズがいくつも目に入ります。一日一度ページを開いて目に入ったところを読む、週末にぱらぱらめくって自分の気持ちに合う詩を探す、のような読み方がおすすめですね。

    他にも気になったフレーズはこちら http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120328/1332913950

  • 中原中也の詩集。
    以前読んだ「孤島パズル」に出てきた中也の詩がとても印象的だったので。
    「湖上」もそうだけど、月が出てくる詩が好きだなぁ。「月夜の浜辺」とか。
    あと「北の海」も好きです。教科書に載ってたのかな、見たことがある。
    何を表現してるのかよくわからないものもあったけど、その中に不思議とストンと落ちてきて心に残るフレーズがたくさんありました。

  • 中原中也『中原中也詩集』(角川文庫)(2010:黒木章先生推薦)

  • 中也の詩集は他に持っていたけれど、真っ白な装丁に惹かれてジャケ買い。
    文字の間隔や見開いたときの余白が多くて読みやすい。

  • 中也がだいすき。

    静かでひんやり冷たいけれど
    けれどどこかしっとりとしている「冬の夜」がだいすき。

  • 眠れなくなったので何となくやや自虐的なチョイスをしてみた。
    やっぱり「北の海」が好き。

    人魚じゃない波がいそうな灰色の海が見たい今日この頃w
    (10.09.14)

  • どことない切なさと悲しさにあふれている詩集

  • 内面に深ーく潜りたいときに。
    恐ろしくもあり悲しくもあり。

  • "骨はしらじらととんがつてゐる"

  • ポッカリ月が出ましたら、
    舟を浮かべて出掛けせう。

  • 地元に帰る。蛙の声が、夜の闇に響いている。何百メートルも明かりがない。真っ暗な夜。
    ビニールハウスの光がぽつんと点いている。形は闇に溶けていった。輪郭が失われて、境界が消えていく。
    蛙の声が、世界の声だった。その場に立っていたのだろうか。その場はどこだったのだろう。
    そこは、すべての場所のように感じた。

    田の水面に蛙の声が浮いている。わずかな光が水面を照らす。何百メートルも先の電灯が、
    古びた光を照らしている。湿っている。空気が肌に触れている。境界線が、身体の境界線が
    曖昧になる。蛙の声が身体に侵入する。夜に、空に。

    その場に立っている。それを感じることが、僕らの感じるべきすべてではないだろうか。
    「在りし日の歌」の最後に入れられた『蛙声』。大学時代は、孤立して泣き叫ぶ蛙を想像していた。
    天に届かなくとも、泣き続ける蛙を。けれども、今は天と一体になって生きる蛙を見ている。
    もしくは、それこそが孤独に通じるものなのではないか、と思いながら。
    夜の、形のない、その場所に立って。

  • そうそう。その気持ちが分かるよと言うのではなく、 そう言う事があったのねと 愛しくなる様なそんな詩

  • 教科書で出会った「月夜の浜辺」、それから10年を経て「北の海」(風見零:漫画)、「湖上」(有栖川有栖:孤島パズル)…「春日狂想」で離れがたい作者となりました。

  • テンポ良く悲しい詩集。歌いだしそうな言葉たち。

  • つい買ってしまったのでした(汗

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著者プロフィール

詩人・歌人・翻訳家。旧姓は柏村(かしむら)。代々開業医である名家の長男として生まれ、跡取りとして医者になることを期待されていた。小学校時代は学業成績もよく神童とも呼ばれたが、8歳の時、弟が脳膜炎により病死したことで文学に目覚めた。中也は30歳の若さで死去したが、生涯で350篇以上の詩を残した。その一部は、結婚の翌年刊行した第1詩集『山羊の歌』および中也の死の翌年出版された第2詩集『在りし日の歌』に収録されている。訳詩では『ランボオ詩集』や、数は少ないがアンドレ・ジイドの作品などフランス人小説家の翻訳もしている。日本大学予科、中央大学予科などを経て東京外国語学校(現在の東京外国語大学)専修科仏語部修了。

「2025年 『女声合唱とピアノのための 中原中也の詩による3つの歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中原中也の作品

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