中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (804ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041171042

感想・レビュー・書評

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  • 「月夜の浜辺」月夜の晩にボタンがひとつ浜辺に落ちていた
           捨てられないもの
    中也の詩があってうれしい

  •  うつくしさと力強さを兼ね備えた言葉達だと思った。
     単語選びのきれいさを見ると、消えそうな言葉と感じてしまってもいいと思うのに、絶対に消えないで、しぶとく残る印象。きれいなのに力強い、よりは力強いのにきれい、の方が表現として合っているかもしれない。

    「朝の歌」「失せし希望」「一つのメルヘン」「ひからびた心」「月夜の浜辺」が好き。

  • 2012/02/10読了

    若くして亡くなった中原中也の全詩集。797ページのこの本に、中也の喜びや苦悩の全てが詰まっているとも言えるだろう。大学の講義にて、彼のバックグラウンドを知識として得ることができたので、それを踏まえた上で詩を読むと、より一層中也の思いに近づけるように思う。
    彼の詩には様々なものがある。一様に詩の形式を固定せず、多方面にチャレンジしたとも言えるだろう。だが歌うようなリズミカルな作品が多い。音楽性を感じ取ることができる。
    とはいえ、もともと楽曲の作詞をしていたことから、そこから彼の歌うような世界観があるのかもしれない。
    親に最後までべったりだったし、愛する存在を次々に失って、狂ってしまったことすらあった。それでも友人には恵まれた、詩に対する情熱は人一倍だった。それこそ狂うほどだったと彼は詩に記している。
    数々の作品を残し、亡くなった中也。
    その生き方を再度味わうには、やはり彼の作品を鑑賞するのが一番いい。


    以下、お気に入りの詩を挙げる(数字は本書でのページ数)

    朝の歌p28 少年時p64 汚れつちまつた悲しみにp88
    雪の宵p110 いのちの声p130 夏の夜p160
    この小児p164 冬の日の記憶p166 湖上p176
    骨p183 残暑p212 一つのメルヘンp230
    春日狂想p256 春の日p277 暗い天候p284
    夏と私p292 寒い!p297 詩人は辛いp306
    タバコとマントの恋p357 初夏p374
    (名詞の扱ひに)p387 雪が降つてゐるp467
    湖上p483 (七銭でバットを買って)p525
    別離p641 十二月の幻想p683 桑名の駅p689
    道修山夜曲p717 雨が降るぞえp724

  • 文豪と呼ばれる作家たちの中で、一番大好きな中原中也の全集を本屋で見つけて即買い。やはり心に残る。何度も読み返したい。折角なので好きな詩を。「都会の夏の夜・帰郷・生ひ立ちの歌・春・幼獣の歌・骨・北の海・白紙・修道山夜曲・自滅・初夏・(僕の夢は破れて、其処に血を流した)・昏睡・暗い公園・(嘗てはラムプを、とぼしてゐたものなんです)」。 「また来ん春」と「嬰児」は文也のことを謳っているのだな、と思うと、幼くして亡くした長男のことをどれだけ中也が愛していたかが伺えて、心打たれる。

  • 残念ながら中原中也の詩はぜんぜん響いてこない。
    感性がまるで違いすぎるのか、読むには歳をとりすぎているのか。
    どうもよくわからん。
    分からんもんはしかたがないな。

  • トタンの屋根がセンベイみたいに夕陽を食ってしまったとして
    それになんの不都合があろう
    空と山とに笑われながら、思いの丈を現在に叩きつけても
    それはまったく自由であろう
    だが自由とは
    他者の自由を禁ずる自由でもあったというわけなんですよ
    それに気づいた友人たちが
    去っていくのを見送ったあと
    テンポ正しく真面目にやろうと
    思ったときには遅すぎた
    中也も息子も早くに死んで
    あとには自分のポエムのみ
    汚れっちまった悲しみのように
    誰も乗らないブランコのように
    打ち捨てられていた
    のだった

  • この人のこと、嫌いだよ

  • 私の一番好きな詩人。本屋さんで見つけて即買いした。

  • カッコつけてるのだろうか、自然な感性なのだろうか。
    いずれにしてもしびれる。

  • 中原中也さんも大好きだ!!!!
    冬の寒い日に温かいココアを飲みながら読みたい本です。

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著者プロフィール

中原中也(なかはらちゅうや)
1907年4月29日、山口県生まれ。23年、山口中学を落第し、京都の立命館中学に編入。劇団女優、長谷川泰子と知り合い、翌年から同棲を始める。25年、泰子とともに上京。泰子が小林秀雄のもとに去る。26年、日本大学予科文科に入学したが、9月に中退。29年、河上徹太郎、大岡昇平らと同人誌「白痴群」を創刊。33年、東京外国語学校専修科仏語修了。遠縁の上野孝子と結婚。『ランボウ詩集《学校時代の詩》』刊行。34年長男文也が誕生。処女詩集『山羊の歌』刊行。36年、文也が小児結核により死去。次男愛雅(よしまさ)誕生。37年鎌倉に転居。『ランボオ詩集』刊行。詩集『在りし日の歌』を編集し、原稿を小林秀雄に託す。同年10月22日結核性脳膜炎により永眠。享年30歳。翌38年『在りし日の歌』が刊行された。

「2017年 『ホラホラ、これが僕の骨 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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