千姫春秋記 (角川文庫 緑 201-8)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041201084

感想・レビュー・書評

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  •  大坂の陣の大阪城落城後からの、あの豊臣秀頼正室千姫の行く末を、著者らしい艶やかな文体で切り取って見せる小説。

     秀頼への哀切を持ち続けながらも、今を生き、秀頼遺児の女児の行く末のために尽力していく。この女としての聖母の面を描く一方、それとは別の面も。すなわち、秀頼の想い出を共有する青年との逢瀬と不義の子とが、千姫の女の部分を開花させ、それは彼女の別の面、貞淑さとは真逆の淫の質を啓いていくのだ。
     この不貞に対して千姫は平然とした態度をとり続ける姿の恐ろしいこと…。
     まさに「仏魔一紙」とはこのことを指しているに違いない。

  •  私が持っているこの本は、小中学時代に通いまくっていた地元の図書館の、多分文化祭みたいなのがあった時に、その図書館の破棄処分品を10円とか格安で売っていたものの中から買った本の一つ。
    恐ろしくボロボロな本です。
     図書館がデジタル化する前からあったようで、図書カードポケットが付いています(笑)


     女性が書く、女性が主人公の時代小説なので、視点に矛盾がなくて読みやすい。どうやらこの方、女性心理描写を得意とする方のようですね。納得。
    千姫主人公の小説は結構ありますが、これはオススメです。
    ただやはり古い作品なので、ライトノベルに慣れ切った人は読みにくいカモ…?

  • 歴史小説。
    千姫のイメージが違った。

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著者プロフィール

円地文子

一九〇五(明治三十八)年東京生まれ。小説家、劇作家。国語学者・上田万年の次女。日本女子大附属高等女学校中退。豊かな古典の教養をもとに女性の執念や業を描いた。主な作品に『女坂』(野間文芸賞)、自伝的三部作『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』(谷崎潤一郎賞)、『なまみこ物語』(女流文学賞)、『遊魂』(日本文学大賞)など。また『源氏物語』の現代語訳でも知られる。八五(昭和六十)年文化勲章受章。八六年没。

「2022年 『食卓のない家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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