ももへの手紙 下巻 (単行本コミックス)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年5月26日発売)


- Amazon.co.jp ・マンガ (138ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041202593
感想・レビュー・書評
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たった11歳でお父さんと死に別れてしまうなんて、ももはどんなに辛かっただろう。しかも、喧嘩をしてももが心無い言葉(「お父さんなんて大嫌いだ。もう帰ってこなくていいよ」)を吐いてしまったその日にお父さんが死んでしまうなんて、ももはどれほど自分を責め、後悔したことだろう。ももの気持ちを考えると泣きそうになる。
そして、今度はお腹をすかした妖怪が畑から野菜を盗んだこと、お母さんが大事にしていた手鏡を割ったこと、すぐそこにいることをお母さんに信じてもらえず、お母さんと喧嘩をしてしまい、またしても心無い言葉(「お母さん変だよ。お父さんが死んじゃってから変になっちゃったんだよ。お母さん私のこと全然わかってないじゃん。家にいないじゃん。お母さん、お父さんのことも忘れちゃったんだよ」)を吐いて家を飛び出してしまう。
そんな中、次第に大型の台風は勢いを増し、激しい暴風雨にさらされながら必死になってももを探す母いく子が喘息の発作で倒れてしまう。
お父さんと同じように仲直りできないままお母さんまでも死んでしまうのではないか?と考えたももは、島でたった1人のお医者さんをつれて来るため、浩一さんと一緒にバイクで開通前の大橋を渡り、四国の今治を目指す。
果たしてももはお母さんを助けることができるのか――?
クライマックスの大橋での妖怪たちの暴走っぷりと、最後の奉納祭でソラにいるお父さんから届いた「ももへの手紙」が感動的だ。
ももの「絶対お母さんを助ける」んだという姿勢から、色んな人に支えられて今の自分はあるんだということ、側にいていつも支えていてくれる人たちがいるから自分は一人じゃないんだということ、例えば大事な人を助けようとするような「強い気持ち」が困難に打ち勝つためには必要なのだということを改めて感じられるお話だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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