ながい旅 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041211083

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  • 「明日への遺言」の原作
    B級戦犯として起訴された岡田資中将の裁判の記録です。
    小説ではなく、レポートです。
    なので、ぶっちゃけ読みにくいです

    この裁判の論点は大きく2つ
    (1)岡田中将が死刑の判決を下した米兵は俘虜なのか戦争犯罪人なのか?
    (2)その判決を下したときのプロセス

    結果、米兵は無差別爆撃を実施したことを岡田中将はこの裁判で立証します。ってその弁護人がすごいです。
    一方、その判決を下したプロセスは略式の軍律会議ということで、岡田中将は死刑判決を受けることになります。
    しかしながら、全責任は自分にあることを明言し、部下を死刑判決から救うことになります。

    この裁判での岡田中将は堂々としていて、アメリカにこびることなく、毅然とした態度で自分の意見を貫き通します。
    誇り高い日本人を感じます

    特に、作中にあった検察側の、「戦争法規に照らして違法な行為に及んだとき、報復を認める」という前提をベースに、
    「搭乗員の処刑は彼らの違法行為に対する報復だったのか?」という質問に対して
    「報復ではない。処罰である」
    と答えているところに対して、高潔な日本人魂を感じます。報復でしたって答えれば減刑された可能性もあるのに..

    一方、死刑判決を受けて、家族への遺言を残すわけですが、これは優しさに満ち溢れています。

    日本人の侍魂を感じさせるレポートとなっています。

    お勧め

    --
    本書でもちょっと触れていますが、やはり触れないわけにはいきません。
    名古屋の無差別爆撃が戦争犯罪なのであれば、東京大空襲も戦争犯罪と思いますし、広島、長崎の原爆は間違いなく戦争犯罪と思います。
    戦勝国による裁判ってどこまで意味があるものなのか、考えさせられます
    --

  • 第二次大戦中に 無差別爆撃をした米軍パイロットを捕虜としてでなく、戦犯容疑者として扱ったことの妥当性について、法廷で闘った陸軍中将 岡田資を描いたノンフィクション

    著者の命題は「なぜ 組織(東海軍)の名誉と 部下の命を 守るために、不条理な状況下でも 自決せず、冷静に 法廷で闘い抜いたのか」ではないか

    命題に対する答えは
    岡田資氏が 日蓮宗信者であり 現世の仏性を信じていた点、敗戦国が受ける不条理に立ち向かう正義の心を持っていた点 だと思う

    法廷のやりとりは ノンフィクションの方が面白い。先が読めないというか、法廷そのものが生きている感じがする

  • B級戦犯となった岡田資の法廷闘争を描いたドキュメンタリー。岡田氏の思想や気概よりも、戦争のやりかたを法で定めることの是非、犯罪行為の有無を戦勝国が裁くことの是非など、根本的な問題を棚上げしておこなわれた極めて政治的な裁判の様子が良くわかる。またそれ以上に、戦争末期から戦後初期の日本国内の混乱状態や、タブーを抱えつつも民主的かつ公平な姿を示したい米国の苦悩が強く感じられる。

  • 戦時中の内地の兵隊、現場のトップの横顔に触れられた。敗戦後も、戦争は続いていたんだと思った。

  •  初版は1982年、新潮社刊行。敗戦時東海軍司令官だった岡田資が、戦時末期に起こったB29搭乗員の略式/正式軍律裁判による処刑について問われたB級戦犯裁判の経緯と、岡田の「法戦」のありようを追いかける。岡田は、武漢作戦時の大別山脈越え部隊の隊長でもあった。角川文庫版は、2007年での映画化時に発行されたもの。
     本書最大の眼目は、「法戦」の過程で、合州国空軍の作戦が国際法違反とされていた無差別爆撃にあたることが論証されていく場面であることは疑いない。しかし、だからといって、敗戦後の戦犯裁判が勝者による不公正なものだった、とは言いきれない。この作品を通じて印象深いのは、軍事裁判とはいえ、裁判長・検事・弁護士の法曹三者がそれぞれの立場からことの真相を明らかにしてゆこう、自身の職責をまっとうしていこうとする「法」の精神の現前である。弁護人フェザーストーン博士だけではない。バーネット、オコーナー両検事の言動、裁判評決の際には空軍の委員は辞任することなど、「法」にもとづき、その精神に即した公正さ=フェアーな取り扱いあればこそ、岡田の「法戦」は成立した。こうした「法」の原則にもとづく精神は、敗戦後70年経ったいまもなお、日本社会には根づいていないものだ。そして、状況追随的・勝ち馬に乗る的・目的達成のためなら独断専行を許容する日本軍人のメンタリティーは、現政権の基本的思考パターンに、しっかりと受け継がれてしまっている。

     本書冒頭で大岡は、「私は昭和四十三年『レイテ戦記』執筆中、軍人は上級になるほど政治的になり、ずるくなるが、軍司令官クラスには立派な人物がいることを知った」と書く。たしかに、岡田資も「立派な人物」だったろう。しかし、その「立派さ」の顕彰が何を見えなくするかには、より繊細な態度が必要だ。もし岡田が自分のケースで司令官に全責任ありとするなら、「先の大戦」にかんしては当然に、ヒロヒトにすべての責任が帰着することになるはずだ。だが、岡田はその点にまったく気付いた様子はない。

  • B級戦犯として処刑された東海管区司令官岡田中将の裁判と彼の処刑についてのノンフィクション。小説ではなくて資料中心で語るスタイルなので慣れていないと違和感を感じる。作家の勝手な想像で事実を弄ぶようなことを避けているのだ。中将は絞首刑の判決を受けて処刑される。撃墜降下した米軍爆撃手たちを処刑した罪なのだが、裁判で中将は爆撃手たちを無差別爆撃した犯罪人であるとみなし処刑したのだと訴えた。証人の供述により法廷は無差別爆撃を認めた。中将の人格と責任の取り方は立派とだが無差別爆撃を認める米国司法の公正さに舌を巻いた。

  • 米軍捕虜を処刑したとして、B級戦犯として裁かれた岡田資中将の裁判記録。
    岡田中将は「法戦」と称し、部下の責任も一身に背負いつつ、米国の戦争犯罪をも明らかにしようと裁判において戦い続けた人物であるが、その思索の深さ、思考の明快さ、そして信念を曲げない姿に感銘を受けた。
    同じく東京裁判で責任を一身に背負った広田弘毅首相にその姿が重なる。

  • 2009.07. 春の読書案内。
    -謝罪する時にこそ、人間の本質があらわれる。

  • アメリカ軍の無差別空襲を戦争犯罪と主張した岡田資中将の人となり、およびB級戦犯としての裁判を描いた作品。

    大岡昇平であるため裁判の部分が詳細に描かれている。また岡田中将が立派に描かれている。だが、wikipeadiaによると事実誤認があるらしい。そのあたりはよくわからない。
    今日は頭がまとまらないので別日にまた感想を書くことにする。

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