夏子の冒険 (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.66
  • (44)
  • (83)
  • (90)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 791
レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041212110

作品紹介・あらすじ

芸術家志望の若者も、大学の助手も、社長の御曹司も、誰一人夏子を満足させるだけの情熱を持っていなかった。若者たちの退屈さに愛想をつかし、函館の修道院に入ると言い出した夏子。嘆き悲しむ家族を尻目に涼しい顔だったが、函館に向かう列車の中で見知らぬ青年・毅の目に情熱的な輝きを見つけ、一転、彼について行こうと決める。魅力的なわがまま娘が北海道に展開する、奇想天外な冒険物語!文字の読みやすい新装版で登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 純文学を読みたくて手に取った本ですが、とても読み易かったです。
    主人公の夏子のキャラクターがとても魅力的。何となく、ラストの展開は、そうじゃないかなぁと思ってました(笑)。
    エンターテイメントです。
    アニメとかになったら、面白そうだなぁ。と思います。実写よりはアニメの方が、夏子の親戚女性たちとか、良いキャラになりそう(笑)。

  • 「あたくし修道院へ入る」
    世間知らずな良家のお嬢様・夏子のひと夏の情熱的冒険!

    自分が美人で周りの男達が自分を放っておかないことが分かっていて、計算高く、我が儘放題で一度言ったら後には引かない。
    そんな夏子は自分の周りに情熱を宿している男が一人もいないことに絶望し、突如修道院入りを宣言。

    しかし夏子の前に一人の情熱的な男が現れた!
    四本指の凶暴な熊を追う毅の情熱に打たれた夏子は、毅に無理矢理付いて行き、その夏子の後を追うこれまた世間ずれした夏子の母、祖母、伯母…ともうメチャクチャ。

    物語全体がテンポ良くコミカルで、最後のオチの付け方も夏子らしくて好き。
    新鮮で刺激に満ち、一度味わったら引き返せない…そんな冒険に憧れる夢見る夏子。
    夏子の冒険はきっと永遠に終わることはないだろう。
    読めば読むほど魅力的に思えてくる、本当に不思議な女性だ。
    読み手にマジックをかけてしまった三島由紀夫のテクに脱帽の一冊。

  • 初 三島 由紀夫。
    勝気で美しく、超おモテになるお嬢さま夏子が
    熊狩りに挑む野生的な紳士に惚れこむ話。

    三島が26歳のときの作品だそうな。才能ってすごい。

    イマイチ入り込めなかった。副題が透けて見えたからか。
    「女は見た目と若さが九割」

  • 進め、進め、お嬢さん。その情熱のかぎりに。

    三島由紀夫の中でもかなりユーモラスな話なのでは。どんな男性も夏子を満足させる情熱を備えていない。修道院に入ろうとした夏子が、函館へ向かう途中で見つけた青年は、その瞳に求めていた情熱を宿していた。仇の熊を撃とうとする彼の情熱に、夏子は付いていくことを決め、家族や北海道の新聞社、猟友会、アイヌたちを巻き込んだ騒動が始まる。夏子の母、伯母、祖母の三人組がいいコメディリリーフ。夏子は、今で言うならば、森見のヒロインのような、何を考えているのかわからないけれど、魅力的なザ・お嬢さん。振り回される毅は二枚目だろうけど、どうしてもありきたりな造形を感じる。女三人組も、毅も、毅の友人・野口も、そう思ってみれば典型的なキャラクターなのだけど、だからか、この話はさらっと面白く読めた。熊を仕留めた毅に対する夏子の行動が見事なオチ。

  • 初めての三島由紀夫の本です。夏子が羨ましいほど潔く清々しい。激情家で周りの人は終始翻弄される。

  • 三島由紀夫の作品を初めて読みました。
    彼の作品はとっつきにくいイメージがあったのですが、この本は軽くやめました。
    夏子の我を通すチカラはすごいです。

  • 結末に笑ってしまいました。面白かったです。

  • 三島ぽくないタイトルと装丁に惹かれて数年前に買ったんだけど、実際はこの装丁じゃない、もっと可愛いです。お話もかわいかった。ほんとぽくない。つまんない文章書く人が書いたらきっとつまんなかっただろうと思う。うまい文章ってすごいということを改めて。

  • ワガママでエゴイストで小悪魔な夏子、最初から衝撃の最後まで可笑しな言動に、楽しませてもらいました。現代小説だと嫌悪感だけで面白くも何ともないのだろうけれど、三島の書いた戦後あたりの時代の話だから面白い。おまけに、夏子の母も叔母も祖母も、世間知らずすぎて可笑しい。

  • 「三島由紀夫のレター教室」に続き2冊目の三島由紀夫。これまた面白かった。
    そこはかとなくブルジョアをこバカししつつ、この追跡に継ぐ追跡による熊退治劇、久しぶりに早く続きを早く続きをと、のめり込みました。

    夏子の性格から熊退治後、追っていた情熱はどこへ行く?と思っていたけれど、最後、究極のオチ!お見事!

    浅田次郎の「プリズンホテル」を読みながら、作者がすごく楽しんで書いている感じがしたけど、これもまた三島由紀夫の楽しそうな顔が浮かんできて、読んでいて楽しかった。

    この角川のおしゃれな表紙に惹かれて購入したけれど、このシリーズが本棚に並んでいたら素敵。次回は猫を買ってくるつもり。

全113件中 1 - 10件を表示

プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

夏子の冒険 (角川文庫)のその他の作品

三島由紀夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
三島 由紀夫
三島 由紀夫
三島 由紀夫
三島 由紀夫
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

夏子の冒険 (角川文庫)に関連する談話室の質問

夏子の冒険 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする