青衣の人 (角川文庫 緑 216-10)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041216101

感想・レビュー・書評

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  • ――最初から、「おっ」と身を乗り出してしまうような展開でしたが、それは最初だけで中盤はたらたらと。

    しかし、問題はそこではなくてこの本の全ては後半の盛り上がりです。激しく過ぎるような時間の中で、

    向き合う二人の心情を克明に描いています。後半は手が止められません。止めてしまうと、読み進めた時

    との興奮は段違いでしょう。 境道助は、三浦暁子に憧れにも近い恋心を抱いている。そして、暁子の姪

    であるれい子は、叔母をこの上なく尊敬している。この3人の複雑な関係をそれぞれの視点から描いてい

    ます。この作品は主人公は一人ではありません。道助、暁子、れい子、それぞれです。そのため曖昧な想

    像が無く、一人一人の心情が、細かく書かれています。 この作品は、後悔や嫉妬心など暗い感情が強調

    されています。でも、井上靖はやっぱすごい。一秒一秒人物の心の動きが伝わってくる。どの作品にも共

    通した井上靖の心情描写。上手すぎます。 ラストはしりきれとんぼのようですが、締めくくりとして、

    あれがベストだったのでしょう――

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著者プロフィール

井上 靖(いのうえ やすし)
1907年5月6日 - 1991年1月29日
北海道旭川で生まれ、天城湯ヶ島、三島・沼津で18歳まで過ごす。その時代までのことは『しろばんば』をはじめとした「自伝的小説三部作」に詳しい。金沢の第四高等学校(現・金沢大学)で詩作を始め、京都帝国大学を卒業後大阪毎日新聞社に入社。
小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950年デビュー。現代小説、歴史小説、エッセイ、自伝的小説、シルクロード西域関連の作品、詩集など創作範囲は多岐に及ぶ。主な代表作に、『風林火山』『氷壁』『天平の甍』『おろしや国酔夢譚』などがある。
1964年日本芸術院会員に。同年『風濤』で第15回読売文学賞、1980年菊池寛賞、1985年朝日賞などをそれぞれ受賞。1976年には文化勲章も受章しており、多数の受賞歴がある。

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