- 本 ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041216378
作品紹介・あらすじ
浅井家の長女として生まれ、悲運を遂げた母の姿を見て成長し、家族を不幸に導いた張本人・秀吉の側室となった茶々=「淀どの」の壮絶な生涯。戦国の運命に翻弄された女性の姿を描きだす、井上靖の傑作歴史小説。
感想・レビュー・書評
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偉そうなことを書くと「淀殿のイメージ、基本を押さえた本」という感じを受けました。
気が強くて誇り高い、けれど時の流れに乗れなかった、みたいな。
残っている書状などみると優しい女性の面もあったようですしそういうところも書いてほしかった。むしろそんな淀殿の本がないか探したいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
姫君モノ好きの私もなんとなく避けていた戦国時代の女たち…。(だってややこしいんだもん。)中でも特にややこしいお市の方とその娘、長女茶々(=淀どの)、次女おはつ、三女小督。しかしこの本でちょっとこの辺りの時代を克服できたかもしれない。
男性作家が描いたという先入観があるからか、この茶々にはいわゆる女らしさや悲運の女性といったはかないイメージが皆無だ。ヒロインなのに?!と思うほど、時には容赦ない非情な面を見せる。運命をともにしてきたはずの姉妹に対しても然り。果たしてこの茶々が本当の彼女なのか。他の人が書いた茶々も読んでみたくなった。 -
おもしろいのと、歴史の勉強になった。
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(2011.12.08読了)(2009.12.16購入)
NHK大河ドラマ「江」の放映に合わせて読むつもりだったのですが、「江」の放映は終わってしまいました。いま読んでしまわないと、積読の山の中に埋もれることになるので、踏ん張って読んでしまうことにしました。(500頁はちょっとしんどい)
☆井上靖の本(既読)
「蒼き狼」井上靖著、新潮文庫、1954.06.
「あすなろ物語」井上靖著、新潮文庫、1958.11.30
「風林火山」井上靖著、新潮文庫、1958.12.05
「天平の甍」井上靖著、新潮文庫、1964.03.20
「敦煌」井上靖著、新潮文庫、1965.06.30
「おろしや国酔夢譚」井上靖著、文春文庫、1974.06.25
「後白河院」井上靖著、新潮文庫、1975.09.30
「西域物語」井上靖著、新潮文庫、1977.03.30
「遺跡の旅・シルクロード」井上靖著、新潮文庫、1982.12.25
「アレキサンダーの道」井上靖・平山郁夫著、文春文庫、1986.12.10 -
淀殿が主役の時代物作品。夫・豊臣秀吉だけでなく、京極高次、蒲生氏郷といった諸大名らの交流も描かれているので舞台が幅広く興味深い。文調はやや固めだが表現が細やかで風情も感じられる。『天涯の貴妃』の原作本とも言われているが、それを抜きにして読んだ方が良いかと。
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豊臣秀吉の側室、秀頼の母、浅井の娘茶々の人生を描いた小説。
私が初めて本で淀どのを知ったのは正室だったおねの視点で描かれた小説でした。そのため、淀君は傲慢で嫌な女だという印象しかなかったのですが、この小説を読んで考えを改めました。
一族を死に追いやった仇に側室として上がるのは、どれほどの屈辱であったか。誰一人味方のいない状況で置かれるのはどれ程寂しくて辛かったか。
そう思えば嫌いだとも言えなくなりました。
他の本で茶々やおねについて書かれたものを探してみたいと思いました。 -
織田信長の姪であり、浅井長政とお市の方の娘であり、豊臣秀吉の側室である淀殿(茶々)の物語。
その強気な性格がゆえに、運命に翻弄されていく。
様々な女性の生き様が印象的でした。 -
戦国の時代を強く生き抜いた女性「茶々姫(淀どの)」。
7歳で父・祖父を亡くし、17歳で母お市の方も自刃。
20歳で秀吉の側室となり秀頼を産むが、秀吉の死をきっかけに時代の流れは変わり、家康に攻められ秀頼とともに幕を閉じた。悲運の人生を背負いながら、最後まで強くありつづけた淀どのの生涯を描いた作品。
途中、秀頼が産まれてからの秀吉への過度な固執心には閉口するが・・・ -
彼女は最期まで強い女性だった。その濃い人間性がにおいたつ、戦国の終わり。
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”七光り将軍”と名高い京極高次が、何だかイケメン風に描かれている。
映画も観てみたいが宝塚スター主演とだけあって歌劇調が抜け切れてないとの酷評。
井上靖の原作だけで終わらせておくのが正解かと思い、手を出せずにいる。
著者プロフィール
井上靖の作品





