小説帝銀事件 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041227060

感想・レビュー・書評

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  • 「小説」というタイトルになっており、一部分はジャーナリストである仁科が調べていく過程は入っているものの、前編ドキュメンタリーであり、資料の検証である。当然、平沢等の名前も実名で記載される。

    「日本の黒い霧」「昭和史発掘」をはじめ、清張の多くの著作の中でも取り上げられていた、帝銀事件こと帝国銀行毒殺事件について、やはり納得の行かないところが有るようで、執拗に捜査の矛盾をつくという形で告発を行っている。

    小説として読むには、非常に読みにくいのだが、ひとたびドキュメントだと思えば、理解しやすい1冊であろう。「黒い霧」「昭和史」も読んでいるため、同じような表記が出てきて、既読なのか未読なのかの判断がつかなくなるのは辛いところ。

    また、ページをめくると、その前のページに書いてあった文章そのままが記載されているところも有る。それだけ物証に乏しい事件であり、ルポの書きにくい事件ということであろう。

    他の著作と大きく異なるのは、筆跡鑑定への疑問を呈するところではないか(注: 忘れているだけかもしれません)。他の筆跡鑑定からの冤罪事件を述べたうえで、「実は同じ筆跡鑑定人なのである」と断ずるあたりは痛快ではあるが、結局平沢の釈放や再捜査には繋がっていない。

    恐らく森村誠一が、731部隊の調査を行ったり、反体制作品の著作のモチベーションにつながっているのに、清張のこういう作品が有るのではないかと感じる。

  • 終戦直後に起きた帝銀事件の容疑者とされた平沢貞通のアリバイについて多角的に考察し、真犯人が別にいる可能性についても言及している。推理小説だが、実際に起きた事件を題材にしており、リアリティがある。平沢氏は証拠が不十分なのにもかかわらず、当時が旧刑法であったこともあり死刑判決を受けている。最近、強制的な自白による冤罪が問題になっているだけに、再びこの事件について目を向けてみるべきではないだろうか。

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