- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041227244
感想・レビュー・書評
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父の蔵書であまり期待せずに読んだが、それが良かったのか思いの外楽しむことができた、40年以上前の作品になるが、そういった感じは感じることなく楽しめた。
内海の輪と、短編の死んだ馬が、掲載されている。
犯人に情が入ってしまい、完全犯罪を期待してしまうが、警察の鋭い捜査はなかなか逃れられないものだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「内海の輪」東京で乗ったタクシーが、地方での運転手で苛々するシーンが長く気になったが、結幕の伏線だった。著者の考古学の造詣の深さもあらためて感心。他に「死んだ馬」収録。14.2.16
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2012年2月21日(火)、読了。
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松本清張さんの小説に出て来る女性は、愚かだったり、狡猾だったりする。
ぼんやりとした愚かさが、 難を逃れる方便だったりもするのかもしれない。
表題は、長編ではなかったと思う。
浮気の挙句に出奔した夫に会うため、その弟と、とある街へ向かう女。
列車だったと思うが、20年以上も前に読んだのでよく覚えていない。
が、
いつだったか、テレビでやってるのを、まじまじと観た記憶がある。
弟でのちに考古学者の役は、中村雅俊さんが好演していた。と思う。
だらしなく、うらさみしい、街を、悄然とあとにした帰路、
ふたりは、温泉町に途中下車してしまう。
あとは、おきまりの、不倫物語だが、
現代に横行してる、戯けた遊び半分さは、あまりなく
深々と雪がふるような恋だった気がする。
夫を見限った女は、年老いた金持ちの所へ嫁ぎ、美しく妖艶な姿で
浮気夫の弟で考古学者の前に現れる。
『ガラスクシロ』だったと思う。
これ以上はネタバレになるので書きません。
この女性に、「けものみち?」のような、客観性や、冷静さがあったら
もちろん、殺されなかっただろう。
とだけ記したい。
兄を迎えに行った列車の中。
兄が女と暮らす街に、実際は、降ってたのかどうか、忘れたが
とめどなく何かが降っていたような気がする。
昔読んだ記憶が、淡いまどろみのように、浮遊して、よみがえる。
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