水の炎 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 72
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041227312

作品紹介・あらすじ

東都相互銀行の若手常務で野心家の夫、塩川弘治との結婚生活に心満たされぬ信子は、独身助教授の浅野を知る。彼女の知的美しさに心惹かれ、愛を告白する浅野。美しい人妻の心の遍歴を描く長編サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったけれど、弘治のように、無茶に無茶を重ねていくのを見て、絶対しっぺ返しがくるぞ、と思ったらその通り。
    或る程度展開は読めた。

  • 松本清張といえば、社会派推理や古代史を扱った作品が多いが、本作はそれらと異なるジャンルに属する。
    ひとことで言うと、欲望と野心の固まりであり家庭を省みない夫に苦悩しながらも、美しく健気に生きるヒロインの姿を描いたロマン小説。
    東都相互銀行の若手常務で野心家の夫である塩川弘治との生活に心を満たされぬ信子は大学の通信教育を受け、独身教授浅野を知る。浅野は信子の知的な美しさに心惹かれ、彼女に愛を告白する。だが、信子はその激しさにたじろぎ、次第に距離をおくようになる。ところが、夫は、愛人を利用して、信子が浅野と不貞を働いているかのように、二人の接近を画策する。彼は実業界への飛躍を図ろうと、その元手を信子の実家から借りるが、信子の不倫をでっち上げることで、その借金を棒引きにしようと企てたのである。
    家に縛られ、夫に尽くす、世間の目を気にする・・・相当古い時代背景の小説ではあるが、サスペンスの要素もあり、それなりに楽しめた。妻の気持ちや人権を踏みにじり、愛人を操り、野心達成のため手段を選ばぬ悪辣な塩川。そんな彼の成れの果ての姿に対し、自らを見つめ直した信子が最後に見せた毅然とした態度には思わず「よくやった」と拍手を送りたくなった。

  • 世間が狭すぎな感が否めない。淡々と進んでいく物語で、他の清張作品とは異なる印象を持った。

  • 相互銀行の設立者の息子で、その野心家で妻を顧みない夫、その夫と親の勧められるままに結婚した若き妻、その妻が通信教育のスクーリングで出会った若き大学助教授、そして、相互銀行の息子をたぶらかす新興企業の面々。

  • 松本清張お得意の「鬼畜な男」が登場します。野心家で、絵に描いたような悪辣ぶり。最後の最後、強烈な制裁がその男を襲います。女性誌に連載されていたのも頷ける、実に爽やかなラストでした……。

  • 野心家の若手銀行役員と形だけの結婚生活を続ける美しい妻・信子、リゾート開発会社への出資を目論む夫は・・・。
    信子は28歳というが、現代の女性に比べればものすごく大人。今の感覚からとすれば信子の行動は歯がゆく感じるが、意思の強いきっぱりとした女性である。
    ろくな男が出てこない小説であった。
    (電子書籍 Reader)

  • 松本成長の得意な鬼畜男、が出てくる作品。
    それと対比するように美しい花のごとき
    女性が出てくるのです。
    ちなみにそれが、鬼畜男の妻。

    彼女は有無も言わさず
    鬼畜男の陰謀煮から娶られていきます。
    そしてその中では想っていた人の
    死すらあるのです。
    もし彼女に「決断力」があったら…

    ただし、この鬼畜男に
    最悪の制裁がくるのは
    まさに爽快そのもの。
    諸悪がきられていくそのさまは
    まさに「爽快」

  • 松本清張『水の炎』も読了。夫婦それぞれの気持ちの変遷に、融資だの起業だの愛人だのが絡んでくる。有名どころの(これも有名?)清張ミステリとはちょっと毛色が違うけれど、いろんなところに散らばるハラハラ感がたまらん。最後の一文に出てくる「正確に」という言葉に、なんかシビレた。

  • 東都相互銀行の若手常務、野心家の夫塩川弘治との結婚生活に心満たされぬ信子は、独身助教授浅野を知る。彼女の知的美しさに心惹かれ、愛を告白する浅野。美しい人妻の心の遍歴を描く。

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著者プロフィール

松本清張
一九〇九年、福岡県小倉(現北九州市)に生まれる。五一年、《週刊朝日》主催の〈百万人の小説〉で「西郷札」が三等に入選。五三年「或る『小倉日記』伝」で第二八回芥川賞を受賞。五五年、短篇「張込み」で推理小説に進出し、五六年に作家専業となる。五八年に刊行した初の推理長篇『点と線』は大ベストセラーになり、一大推理小説ブームを引き起こす立役者のひとりとなった。七〇年『昭和史発掘』で第一八回菊池寛賞、九〇年朝日賞受賞。九二年死去。

「2022年 『松本清張推理評論集 1957-1988』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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