紅い白描 (角川文庫)

著者 :
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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041227497

作品紹介・あらすじ

美大を卒業したばかりの葉子は、憧れの葛山デザイン研究所に入所する。だが不可解な葛山の言動から、彼の作品のオリジナリティに疑惑をもつ。一流デザイナーの恍惚と苦悩を華やかな業界を背景に描くサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 清張ものにしては軽く読み進められた。結局、ヒロシが誰の子だったのか読者を引っ張ったが分からず終いだった。
    ハッピーエンドっぽく終わったのも清張らしくない。
     しかし予想通りドラマ化はされていないようだ。

  • 美大のデザイン科を卒業した葉子は、大学の恩師の後押しもあり、高明な葛山デザイン研究所に入所する。しかし、葛山から命じられた名古屋出張がきっかけとなり、商業デザインのスポンサーとデザイナーとの関係、また奇妙な葛山所長の行動などから、徐々に不信感や葛山の闇の部分の探索に進んでいく。

  • 一気に読み終わりました。どうなるのかと目が離せなくなる展開やスピード感のある文章、ハラハラしました。

    松本清張さん自身に、とても絵画やデザインに対しての関心や知識が深いのだとしれたのも発見でした。デザイン会社の中、それに関わる人たち。ドラマになったらどんな俳優さんがイメージなのか想像するのも楽しかったです。

    そして、今だと考えられないくらいの個人情報の漏れっぷり。今だったらどんなふうにお話が展開していくのかな。

  • 美大を卒業した葉子は、鬼才の葛山デザイン研究所に入所するが、葛山に言動に疑いを持ち始める。
    あまり展開がなく、同じような言動が繰り替えされるため、ある程度のところで真相はわかる。
    しかし、女性が東京から名古屋に泊まりがけの出張するだけで、大事(おおごと)の時代だったんだな。
    あと、女性の生き方として、ラストはどうなのかとは思う。
    (電子書籍 Sony Reader)

  • 若い女性から 
    会社の偉い人や経営者とその時代の寵児を見つめた時に
    人間的な潔癖さを求めるという視点で 人間性を疑う。
    翳った旋舞においても 同じような手法だった。

    『芸術はニンゲンが生み出すものだ。
    その芸術がすばらしかったら、人格的にもすばらしいに違いない。
    ニンゲンと芸術とが 背反することがあるだろうか』114ページ
    俗物が 創造性を生み出すのか?とも 問いかける。
    さらに ビジネスが 関連してくる。
    芸術とビジネスが ぶつかる。
    積極的に売り込むこと(商魂)に嫌悪を感じる。
    芸術家は商魂をもつべきではない。
    クライアントの理不尽な要求にどう対応するのか?

    俗っぽいニンゲンに描くことで 
    若い女性の眼から みた ニンゲン批判をする。
    松本清張の手法って、意外と 頑固で、潔癖性なんですね。

    『結局、才能というものはちゃんとどこかにあるんだけど、それを引き出してくれる外的な何かが予見できないということですわね。その作家自身にも前もって見当のつかない何かですね。』221ページ

    才能がどこで開花するのか?突然変異なのか?
    連続性の中の非連続性。

    『ぼくだってあの画風は尊敬しているよ。ただ、尊敬できないのは、葛山さんの人間的な面だな。しかし、芸術は人間を考えないでいいのかもしれないね。作品だけが勝負だから、そういう点にしぼれば、葛山先生を尊敬していいと思う。』245ページ

    ニンゲンが 矛盾をもった存在であることをみとめない。

    葛山の創作の源泉は、どこにあったのか。
    その独特の作風は 今までにないものだった。

  • この本を手に取った理由が「白描」を「白猫」と見間違えて、「不思議なタイトルだな」と勘違いした為という、恥ずかしい思い出がある。主人公の話し方に時代を感じる。

  • 初めて読んだ松本清張の作品。一気に読めたと記憶している。

  • 殺人事件は起こらないです。わりと今では有名なオチ?で話は終わるんですが・・・面白い。松本清張の作品に出てくる男性に何かひかれます。葛山さーん!!

  • ええーっ。とびつくりした覚えがある。
    松本清張はテレビのサスペンスのイメージが強いが、初めてまともに読んだもの。なかなか面白かったが、なぜかほかの作品を読んでみようという気にはならなかった。
    なぜだ?

  • 美大を卒業したばかりの葉子は、憧れの葛山デザイン研究所に入所する。尊敬する鬼才、葛山の下で精一杯、勉強したかったからだ。が、不可解な葛山の言動から、彼の作品のオリジナリティに疑惑をもつ。真実を知りたいという熱い思いにかられ、葛山の周辺を次々に追及する葉子の前にあらわれた意外な真相とは―。常に斬新でなければならない一流デザイナーの苦悩を、華やかな業界を背景に描いた傑作サスペンスロマン。

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著者プロフィール

松本清張
一九〇九年、福岡県小倉(現北九州市)に生まれる。五一年、《週刊朝日》主催の〈百万人の小説〉で「西郷札」が三等に入選。五三年「或る『小倉日記』伝」で第二八回芥川賞を受賞。五五年、短篇「張込み」で推理小説に進出し、五六年に作家専業となる。五八年に刊行した初の推理長篇『点と線』は大ベストセラーになり、一大推理小説ブームを引き起こす立役者のひとりとなった。七〇年『昭和史発掘』で第一八回菊池寛賞、九〇年朝日賞受賞。九二年死去。

「2022年 『松本清張推理評論集 1957-1988』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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