- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041227510
作品紹介・あらすじ
辣腕事業家山内定子が創った八王子郊外の結婚式場「観麗会館」は、その高級感がうけて大変な繁盛ぶりだ。経営をまかされている小心な婿養子善朗はある日、口論から激情して妻定子を殺し、死体を会館の名所である「岩壁」に埋め込んでしまう。門出を祝う式場が奇しくも墓場となり、その上空を不吉なカラスが飛び交い、新たな事件が発生する…。河越の古戦場に埋れた長年の怨念を重ねた、緻密な大型長編推理。黒シリーズの最新作。
感想・レビュー・書評
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序盤に書かれた歴史の説明的なくだりになかなか馴染めず、読むのに少し時間がかかりました。
1つ目の殺人は犯人もその方法も全て分かっているので、どう展開するのかと不思議に思いましたがなるほど、と唸らせる結末。
様々な意味で根の深い内容でした。
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ああ、川越夜戦、嗚呼、東明寺。
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結婚式場を舞台とした復讐劇。神の使いでもあり、凶兆の象徴であるカラスと慶事である結婚式、そしてその裏の復讐。白と黒の情景を目に浮かべながら一気に読んだ。
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室町時代の関東管領であった山内上杉家と扇谷上杉家、扇谷上杉家は滅亡し、山内上杉家が生き残ったという。その子孫の怨念が、この作品の主題となっている。山内上杉家の子孫で関東山内グループの女会長、その婿養子、そして扇谷上杉の子孫の女社員。殺人事件が起こる。
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話の流れがとてもよくできている。
非常におもしろかった。 -
うーん。。清張さんの初めて「うーん」を読んだ気がす。。
面白くないわけではないんだけど・・・・。
なぜかいまいち感が・・・。
誰にも感情移入がしにくいからなのか・・・。 -
初松本清張読了です
文体が古くて読みにくい
まぁまぁ面白いが最後は無理矢理こじつけた感じがして残念
まぁ 他の作品も読んでみようと思う -
90年代に刊行された作品の割に、ちょっと読みにくい。日本史のエピソードが筋に絡んでるので、戦国武将の時代の話をすいすい読めるような人じゃないと、ちょっと行き詰まると思います。
読み終えてトリックを考えてみるとタイトルは非常に巧妙ですし、伏線も綺麗にきっちり回収されていって、最後にきちんと集約されてます。ただ、素人探偵役の人の動きに対して、警察がこんなに敏感に反応するかなぁ?という辺り、リアリティに欠けるかな。
ちなみに推理小説としては、前半は「コロンボ」型(ドラマで言うなら古いけど「古畑任三郎」型)です。つまり、犯罪の経緯がすべて読者に明らかにされ、それを隠蔽するためのトリックも語られるというもの。その場合、読者としては「どこで犯人のトリックが露見するか」を推理するのが楽しい訳ですが、この作品はそのポイントが実に分かりやすい。「あ、ここで破綻するんだな」があっさり読めてしまいます。これも惜しいポイント。
そして後半は打って変わって、トリックを読者が解いていく形に切り替わりますが、これも残念なのが登場人物が少なすぎるが故に「コイツ以外に犯人はいないわな」となってしまうこと。あと3人ぐらい、脇でチョロチョロする人間を出してくれれば、もう少しクライマックスに向けてテンションが上がったかもしれません。 -
なんだこれは・・・
10年以上振りの再読。本棚に並んでいたけど、手に取らない理由を忘れていた模様。
巨匠といえども、こういう作品もつくるのね・・・最高を知っているだけに、これを読みとおすのはキツイ。断念。
歴史蘊蓄好きな方には良いかも。