神と野獣の日 (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 117
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041227626

作品紹介・あらすじ

「重大事態発生です」-ある早春の午後、官邸の総理大臣にかかってきた、防衛省統幕議長からの緊急電話が伝えた。Z国から東京に向かって誤射された、5メガトンの核弾頭ミサイル5基。1発で、東京から半径12キロ以内が全滅するという。空中爆破も迎撃も不可能。ミサイルの到着は、あと…43分。ラジオ・テレビの臨時ニュースによって、真相が全日本国民に知らされた!SF的小説に初めて挑戦した松本清張の隠れた名作。

感想・レビュー・書評

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  • 松本清張の隠れた名作と言ってもいいと思います。
     
    ある国が核ミサイルを誤射してしまって(しかも5発)、
    その内3発は迎撃するものの、残りが東京に落ちる、
    というパニックもの。
     
    数十分後に核爆弾が落ちるよ、といった時に、
    人々はどのような行動に出るのか?
    日本国首相、海外の要人、一般のサラリーマン、
    獄中の囚人たち・・・
    と様々な人間の行動を追っています。
     
    終わり方も映画的で、昭和48年発刊なのに
    いま読んでもおもしろいです。
     
    実は状況説明の仕方が
    素晴らしいので読んでみなさいと、
    櫻井秀勲先生にすすめられて
    読んだ本だったのですが
    まさにその通りでした。
     
    今後の執筆活動の上で、
    参考にしていきたいと思います。

  • 「松本清張」のSF的小説『神と野獣の日』を読みました。

    「清水義範」のSF連作集『博士の異常な発明』を読んで、SF作品を読みたくなったんですよね。
    「松本清張」作品は、『ゼロの焦点』以来なので約半年振りです。

    -----story-------------
    「重大事態発生です」―ある早春の午後、官邸の総理大臣にかかってきた、防衛省統幕議長からの緊急電話が伝えた。
    Z国から東京に向かって誤射された、5メガトンの核弾頭ミサイル5基。
    1発で、東京から半径12キロ以内が全滅するという。
    空中爆破も迎撃も不可能。
    ミサイルの到着は、あと…43分。
    ラジオ・テレビの臨時ニュースによって、真相が全日本国民に知らされた!
    SF的小説に初めて挑戦した「松本清張」の隠れた名作。
    -----------------------

    日本から2万km離れた太平洋自由条約機構のZ国から誤って発射された核弾頭ミサイル5基が東京に向かっている… 自爆装置は起動せず、日本(自衛隊及び在日米軍)の迎撃能力では3基しか破壊できない、、、

    43分後の12時32分(のちに140分後の15時9分に訂正)には東京が被爆することを覚悟した政府の混乱、事実を告げられた住民のパニック等がリアルに描かれています。


    東京から逃げるためにパニックとなった住民の蛮行は、ぞっ… とするような身勝手で野蛮な行動なのですが、実際に死の恐怖に直面した人間は、冷静ではいられないんだろうと思いますね。


    極限の状態に置かれ、本能に任せ野獣と化した人々、最期まで人間性を失わず神として行動した人々、、、

    その両方が描かれていますが、自分が、その場にいたら、どちらの行動を取っただろうか… 考えさせられる物語でしたねぇ。


    (多分?)東西の緊張が高まっていた1963年に書かれた作品ですが、原発事故や北朝鮮の人工衛星発射等もあり、なんだか現実味のある物語に感じました。

    現実にならないことを祈るばかりですね。


    助かった… と思わせたあとの、このエンディングは巧みです。怖いです。

    映画化しても面白そうな作品に感じましたね。

  • 2021/11/30読了

  • 神と野獣の日(角川文庫)
    著作者:松本清張
    発行者:角川パブリッシング
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    40年以上の間根強い人気を誇るSFパニック作品。

  • 先日、点と線を読み終わり図書館にあったので借りた本。
    間もなくミサイルが飛んできて終わる東京で人々の行動や心理が面白い。もっと深堀りしても読めるんじゃないかな。

  • 1973年に発表された作品なのに、全然昔話になっていません。
    某国のミサイルの誤射から東京着弾までを書いています。インターネットと携帯電話が出て来ないのを除けば、まるで昨日今日の話のようです。

    あと1時間で、今いる場所が壊滅すると言われたら、逃げるのか、残るのか。ライフラインを守る仕事をする人たちが逃げたらどうするのか。
    交通機関は動くのか?動かないのか?電気はいつまで供給されるのか?

    頭の中で自分ならどうする?という問いを明滅させながら一気読みでした。

  • 清張先生のSF。一気に読めた。

  • どっかで観たような先の読める話だが、
    73年に描かれた小説ということを考えれば
    その古典であると言えるのかもしれない。

    核ミサイルが後一時間程で飛んでくると宣言された東京で起こる
    集団ヒステリーや阿鼻叫喚の様子と
    大阪に避難した総理大臣を始めとした内閣の
    喜劇的なまでの不甲斐なさが素敵なコントラストをなしている。

    ミサイルが着弾する最後の10分程の民衆の狂気と
    タイトルのセンスが素晴らしい。

  • 東日本大震災を重ねながら読んでしまう。人間って追い詰められたらどうなるのか、こうなるのか。とても短くスピード感もある本だけれど、内容は濃い。

  • Z国から誤射された5発の核ミサイル。迎撃も失敗し日本に向かうミサイル。着弾地点は東京。混乱する民衆と状況の確認を行う総理大臣と内閣、官僚。

     2011年8月3日読了

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著者プロフィール

松本清張
一九〇九年、福岡県小倉(現北九州市)に生まれる。五一年、《週刊朝日》主催の〈百万人の小説〉で「西郷札」が三等に入選。五三年「或る『小倉日記』伝」で第二八回芥川賞を受賞。五五年、短篇「張込み」で推理小説に進出し、五六年に作家専業となる。五八年に刊行した初の推理長篇『点と線』は大ベストセラーになり、一大推理小説ブームを引き起こす立役者のひとりとなった。七〇年『昭和史発掘』で第一八回菊池寛賞、九〇年朝日賞受賞。九二年死去。

「2022年 『松本清張推理評論集 1957-1988』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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