海と毒薬 (角川文庫)

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  • 角川書店 (1960年7月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784041245019

感想・レビュー・書評

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  • 人の残酷性というものが境遇によってはなんら自然に顕在化してしまうことが、自分自身と決して遠くはないことに感じれてちょっと胃が重くなった笑

  • 10代の時に一度読んでわけがわからず、幼い私には何も刺さらなかったのが、20年経って改めて読んでみて、結末を覚えていなかったこともあるけど先が気になり過ぎてページを繰る手が止まらなかった。

    日本人の罪の意識や良心の呵責についての感想や解説はもう何十万人が語りに語っていると思うので、それは省いて、とにかく遠藤周作の描く女性達が真に迫りすぎていて感嘆した。昭和のゴリゴリの男性社会に生きていながら、なんでこんなに女性の脳内が描けるのか。独身でいること、子供を持てない後ろめたさ、家庭に入らず看護士として尽くすこと、敢えて俯瞰的に物事を見ずに目の前の日々をこなしている自分の必死さを薄っぺらく肯定する姿…え?遠藤周作って本当は女だったの???って思いたくなるくらい胃に悪かった。

    一神教の神様ってやっぱりいないんじゃないか!って言いたくなる内容。キリスト教の人達って戦争という理不尽に対して、どうやって自分たちの信仰心と折り合いをつけたのかなぁと無信心な私は疑問に思いました。

  • 文字が目に飛び込んでくるくらい好みの文体だった。

  • この作品は、遠藤周作の代表作だろうね。戦争中に人間を人体実験させられた人が、重い罪を背負わされたまま生きる。
    この主人公は、言い訳するでもなく、孤独な人生を送ることになる。その罪は重いけど、もっと悪いことをやった人は沢山いる。たまたまマスコミが取り上げたことで人生が変わってしまう。
    権力を行使する人は、警察であれ、税務署であれ、マスコミも、自分の間違いによってその人の人生を変えてしまったとしても、なんら責任を取ることはない。
    そんな不条理を感じます。

  • 米軍の捕虜を実験台として扱った実話を基にした話。

    私は、戸田だ。
    ただ、そう思った。

    いつ死んでもおかしくない。
    死ぬのが当たり前の時代に、「自分がその実験台とされたら」ではなく、「同じ立場であれば」で、読んでしまったせいか
    はたまた、そう読ませた作者の意図か
    勝呂でもなく、上田看護師でもなく、私は戸田に共感した。
    自分は心がないのかもしれない。
    勝呂みたいな人間は貴重で、そんな人間になれたら良いと思う。
    だけど、私は戸田だった。
    流されて、それを受け入れるわけではない。
    きっと抗いたいと思ってるのに、流されるのだ。
    こんなものだ、と言い聞かせて。
    あープライドが高いのかもしれない。
    諦め、にも似てるかもしれない。
    死ぬのなら、死ぬのが当たり前の時代なら、私は戸田と同じことをして、捕まって死んでも、それも人生だと思うのかもしれない。

  • ショッキングな題材に興味を持ち前から読みたいと思ってたのをようやく読破。導入で患者の立場から暗く不気味な勝呂を描き、そこから勝呂視点で過去へ立ち戻る構成に引き込まれた。阿部ミツが生きたいと願いながらも死んでいく姿には胸が苦しくなった。強行する手術が実験台のようなものであるとか、若い人妻の件で隠蔽があったりだとか、治らないのだからと注射を打とうとするところだとか、権力争いのためだとか…そういうのはすごくやりきれない思いになる。手術に関わった人それぞれの視点から描かれる物語は、読み応えがあった。看護師の上田の、幸せそうな他人の上に立ってやりたいというのがものすごく嫌な感じがするが、それは自分にも通づる部分があるからかも。あと戸田の過去を回想するシーンも罪の意識について考えさせられる。戸田と勝呂は互いに似た立場にありながら、異なる反応を示しているのが興味深いなと思った。戸田が激しい罪悪感を感じるのではなく、むしろ空虚な感じでいるのはわかるようなわからないような…。もう少し人生経験を積んでからまた読み直してみたい。

  • 小説かと思いきやドキュメンタリーでした。
    日本人は、罰は恐れても罪は恐れない。今後様々な本を読んでいく中で思い出しそうなワードです。

  • 今の自分には感想など書けそうにない。

    気づいたら物語の世界に惹き込まれ、好みの
    作家だと思う。

    再読したらもっと掴めるかな?

  • 2回目。
    1回目に読んだ後は、読了後にものすごい心地悪さを感じ、1か月くらいはずっと心に残っていた。

    あらすじも覚えていたので、その衝撃がなくなってしまった。多分もう読まないと思うけど、読んだことない人にはオススメ。

    1回目は☆5
    2回目は☆3
    間をとって☆4

  • あなた達もやはり、ぼくと同じように一皮むけば、他人の死、他人の苦しみに無感動なのだろうか。多少の悪ならば社会から罰せられない以上はそれほどの後ろめたさ、恥しさもなく今日まで通してきたのだろうか。(117ページ)

    ほしいものは呵責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。(147ページ)

    「罰って世間の罰か。世間の罰だけじゃ、何も変わらんぜ」(158ページ)

  • 良心とは何か、その呵責とは何かといった話だとは思うが結局最後まで分かるようで分からなかった。話も文体としては決して読みにくくないとは思うのだが途中から兎に角重たかった。読んでも読んでも進まない感じ。
    あと何故「海と毒薬」というタイトルなのかが最後まで掴めなかった。社会と、卑しい自己みたいな捉え方をしたけどどうなんだろう。
    あぁ自分は馬鹿なんだなと思わされた、腑に落ちないけどそれも含めて一定の満足と納得があるという謎の読後感。また文学…というか文化芸術に沢山触れて成長したら読み直しても良いかなと思った。

  • 高校時代に社会の授業で知り、購入。
    電車内で読んだが読み進めるごとに自分の表情がくるくる変わっているんじゃないかと思うくらい衝撃的だった。

    戦後本当にこんなことが行われていたのかと思うとゾッとする。
    あれ以来読んでいないが、機会があったらまた読み直したい。

    オススメ度→4(5段階評価)

  • 自分の中でノンフィクションとフィクションの境い目がむずかしい

  • 考えただけで怖すぎる

    映画も観たけど‥‥
    もう観たくない!!

  • 命の重さの相対性。なんでタイトル毒薬なのか最後までわからんかった。

  • (1996.10.03読了)(1996.10.01購入)
    (「BOOK」データベースより)
    生きたままの人間を解剖する―戦争末期、九州大学附属病院で実際に起こった米軍舗虜に対する残虐行為に参加したのは、医学部助手の小心な青年だった。彼に人間としての良心はなかったのか?神を持たない日本人にとっての“罪の意識”“倫理”とはなにかを根源的に問いかける不朽の長編。

    ☆遠藤周作さんの本(既読)
    「白い人・黄色い人」遠藤周作著、新潮文庫、1960.03.15
    「沈黙」遠藤周作著、新潮社、1966.03.30
    「死海のほとり」遠藤周作著、新潮社、1973.06.25
    「イエスの生涯」遠藤周作著、新潮社、1973.10.15
    「キリストの誕生」遠藤周作著、 新潮社、1978.09.25
    「スキャンダル」遠藤周作著、新潮社、1986.03.05

  • 暗い穴の底を覗き込む感じ。
    読んでいる最中も、読み終わってからも、ちょっとしんどい。

    戸田の記述がかなり重い。
    ひきずられそう。
    良心の呵責って、なんなんだろう....

    ヒルダさんは良い人なのかもしれないけど、残酷だ。

  • 『事実』ではないけれど、事実をもとにして書かれた『小説』。気付けば顔をしかめながら読んでしまう。ショッキングな内容。

  • 第二次対戦末に日本人が九州大学で外国人捕虜の生体解剖を行った旋律的な非人道的行為を犯した。その事実の中にある人間の内面に焦点を当て、日本人の罪責意識を根本的に問おうとした本(解説より)

  • 戦争で捕虜になったアメリカ兵を解剖する話。
    九州大学でこんなことが行われていたとは。

    結構、ぞっとします。



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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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