海と毒薬 (角川文庫 緑 245-1)

著者 :
  • KADOKAWA
3.51
  • (10)
  • (26)
  • (42)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 203
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041245019

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 2回目。
    1回目に読んだ後は、読了後にものすごい心地悪さを感じ、1か月くらいはずっと心に残っていた。

    あらすじも覚えていたので、その衝撃がなくなってしまった。多分もう読まないと思うけど、読んだことない人にはオススメ。

    1回目は☆5
    2回目は☆3
    間をとって☆4

  • 戦争中に捕虜となった米国兵を生体実験した医師達を、様々な登場人物の心境を切り換えながら描き、日本人の罪に対する意識を問う作品。と書けばよくあるレビューになってしまう。当時、根本的な治療のできなかった、結核が現代では治癒することが出来るようになり、結核専門病棟も消えてしまった、という医学の進歩が心強く思える。しかし、治癒することの出来ない病は沢山ある。本書の趣旨から外れた考えだが、かつて結核の療養所であった国立病院の小児科にそれとは違う病で入院していた時のことを思い出さずにはいられない。

  • あなた達もやはり、ぼくと同じように一皮むけば、他人の死、他人の苦しみに無感動なのだろうか。多少の悪ならば社会から罰せられない以上はそれほどの後ろめたさ、恥しさもなく今日まで通してきたのだろうか。(117ページ)

    ほしいものは呵責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。(147ページ)

    「罰って世間の罰か。世間の罰だけじゃ、何も変わらんぜ」(158ページ)

  • 良心とは何か、その呵責とは何かといった話だとは思うが結局最後まで分かるようで分からなかった。話も文体としては決して読みにくくないとは思うのだが途中から兎に角重たかった。読んでも読んでも進まない感じ。
    あと何故「海と毒薬」というタイトルなのかが最後まで掴めなかった。社会と、卑しい自己みたいな捉え方をしたけどどうなんだろう。
    あぁ自分は馬鹿なんだなと思わされた、腑に落ちないけどそれも含めて一定の満足と納得があるという謎の読後感。また文学…というか文化芸術に沢山触れて成長したら読み直しても良いかなと思った。

  • ショッキングな題材に興味を持ち前から読みたいと思ってたのをようやく読破。導入で患者の立場から暗く不気味な勝呂を描き、そこから勝呂視点で過去へ立ち戻る構成に引き込まれた。阿部ミツが生きたいと願いながらも死んでいく姿には胸が苦しくなった。強行する手術が実験台のようなものであるとか、若い人妻の件で隠蔽があったりだとか、治らないのだからと注射を打とうとするところだとか、権力争いのためだとか…そういうのはすごくやりきれない思いになる。手術に関わった人それぞれの視点から描かれる物語は、読み応えがあった。看護師の上田の、幸せそうな他人の上に立ってやりたいというのがものすごく嫌な感じがするが、それは自分にも通づる部分があるからかも。あと戸田の過去を回想するシーンも罪の意識について考えさせられる。戸田と勝呂は互いに似た立場にありながら、異なる反応を示しているのが興味深いなと思った。戸田が激しい罪悪感を感じるのではなく、むしろ空虚な感じでいるのはわかるようなわからないような…。もう少し人生経験を積んでからまた読み直してみたい。

  • 高校時代に社会の授業で知り、購入。
    電車内で読んだが読み進めるごとに自分の表情がくるくる変わっているんじゃないかと思うくらい衝撃的だった。

    戦後本当にこんなことが行われていたのかと思うとゾッとする。
    あれ以来読んでいないが、機会があったらまた読み直したい。

    オススメ度→4(5段階評価)

  • 自分の中でノンフィクションとフィクションの境い目がむずかしい

  • 考えただけで怖すぎる

    映画も観たけど‥‥
    もう観たくない!!

  • 命の重さの相対性。なんでタイトル毒薬なのか最後までわからんかった。

  • (1996.10.03読了)(1996.10.01購入)
    (「BOOK」データベースより)
    生きたままの人間を解剖する―戦争末期、九州大学附属病院で実際に起こった米軍舗虜に対する残虐行為に参加したのは、医学部助手の小心な青年だった。彼に人間としての良心はなかったのか?神を持たない日本人にとっての“罪の意識”“倫理”とはなにかを根源的に問いかける不朽の長編。

    ☆遠藤周作さんの本(既読)
    「白い人・黄色い人」遠藤周作著、新潮文庫、1960.03.15
    「沈黙」遠藤周作著、新潮社、1966.03.30
    「死海のほとり」遠藤周作著、新潮社、1973.06.25
    「イエスの生涯」遠藤周作著、新潮社、1973.10.15
    「キリストの誕生」遠藤周作著、 新潮社、1978.09.25
    「スキャンダル」遠藤周作著、新潮社、1986.03.05

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
1923年3月27日 - 1996年9月29日
東京生まれ。父親の仕事で、幼少時代を満洲で過ごす。帰国後にカトリックの洗礼を受けた。1941年上智大学予科に入学したが、中退。慶應義塾大学文学部仏文科入学・卒業後、カトリック文学を学ぶためにフランスへの留学。帰国後の1954年『アデンまで』を発表し小説デビュー。1955年『白い人』で芥川賞を受賞し「第三の新人」として脚光を浴びた。
1958年『海と毒薬』で第5回新潮社文学賞及び第12回毎日出版文化賞、1966年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞、1979年『キリストの誕生』で第30回読売文学賞評論・伝記賞、1980年『侍』で第33回野間文芸賞などそれぞれ受賞。1995年に文化勲章を受章している。
上記受賞作のほか、1993年刊行『深い河』もキリスト教と日本人をテーマにした代表作と見なされており、映画化された。60年代以降「狐狸庵山人」(こりあんさんじん)を名乗り、様々なエッセイを記した。数々の作品が欧米で翻訳され高い評価を受けており、存命中ノーベル文学賞候補だったこともよく知られている。

海と毒薬 (角川文庫 緑 245-1)のその他の作品

遠藤周作の作品

ツイートする