天使 (角川文庫 緑 245-20)

著者 : 遠藤周作
  • KADOKAWA (1982年11月発売)
3.18
  • (1)
  • (9)
  • (33)
  • (1)
  • (1)
  • 101人登録
  • 15レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041245200

天使 (角川文庫 緑 245-20)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 時間が許せば。

  • 初めて読んだ、遠藤周作のエッセイ。…面白い笑

  • なぜかなんとなく食わず嫌いしておった遠藤周作ですが、
    「初恋」の中の、好きなこに「なんだ偉そうにすな。ミチルの役をやったくらいで」という告白をしてしまうちびっこを見てときめきすぎてしまって思わず購入。(この一節は小学生向けの国語の問題集にあったのを読んだ。ひじょーにときめいた)
    誰もが共感できるよーな、ちょっと情けない系のおっさんたちがたくさん出てきて、とても楽しめました。
    他の作品も読んでみたいぞ。

    とりあえず、遠藤周作は阿川弘之とめっちゃ仲良しってことはわかった。

  • 表題作の「天使」は恋愛ものと解釈すればいいのでしょうか。あたしにはホラー以外の何でもないんですけど。
    しかしながら遠藤氏の引き出しは広い。
    短編集ほ苦手だけど飽きずに読めました。それぞれ違った味で楽しかったです。「嘘」はちょっと切ないですね。メールとかLINEじゃなくて手紙っていうのがまたね。手紙をポケットにしまった酒井さんは何を思ったんだろう。この後の彼の行動の行方を読んでみたいと思いました。
    あと最初の犬にまつわる2作品は遠藤氏の実話とか元になったネタとかあるんですかね。「駄犬」のドタバタ劇っぷりがかなり好きです。

  • この本のカバー裏には「ユーモアの中に、人間の哀しさ、優しさが漂う11の物語」という内容紹介があります。しかし私が感じたのは、ユーモアは古びるけど哀しみは古くならないんだな、ということでした。(これは一般論ではありません。あくまでも狐狸庵先生についての話です)
    遠藤周作さんは純文学から娯楽小説、エッセイ、社会運動、CM出演と多彩に活動された方ですが、この本は娯楽小説を中心にした短編集です。

    私はまず「遊子方言 -半可通物語ー 」を読んで少しニヤッとし、「悲喜劇」を読んで少し苦い思いをしました。
    「遊子方言」は副題通り半可通の男が主人公で、彼は偶然再会した同郷の田舎青年を東京見物に誘う。通ぶってバーで偉そうにふるまうが、ホステスたちからはひんしゅくを買い、青年の方がかえってもててしまう、という滑稽譚。当時のバーの様子がわりあい詳しく、風俗資料の趣も。
    話の最後に、この短編が江戸滑稽本の田舎老人多田爺「遊子方言」を現代に置き換えたのだということわりがあります。
    しかしなんであのころってホステスがあんなにもてはやされたんでしょうね。
    文壇バーしかり「昔の名前で出ています」しかり……。
    そこでは擬似的な社交界が成立していたからだ、というのが丸谷才一説(「花柳小説論ノート」)ですが、さてどんなもんでしょう。私は小説やドラマでバーのママとかが重要人物として出てくるとどうも白けてしまうのですが……。

    閑話休題。「悲喜劇」は――昔のはずかしい出来事を思い出して、突然うわあっと叫びたくなる時がありませんか。(えっない? 私だけ? ……そんなことない、ですよね?)
    そういう時に叫ぶのではなく、とんでもない罵詈雑言を近くの人にまきちらしてしまう男の話。悲喜劇とありますが喜劇は感じず、後味の悪い話として読みました。

    この後の「嘘」がよかった。娘を交通事故で亡くし、妻は病気で入院中の夫がふとしたきっかけで女子高生と文通をはじめる話。優しい人しか出てこないのに哀しい話です。
    ありがちかもしれないけど、ジンと来ました。

    そして「女の心」。これがさらによかった。集中第一ではないでしょうか。
    初老の画家が、娘が妻子ある男性に恋をしているのかどうか迷う様子を描いています。
    その相手の男性は妻が入院中で(おや「嘘」と同じだ)さびしくしていたが、家族連れで画家の家に遊びに来るようになる。娘は姉のように子供をかわいがる。画家は男性の妻をお見舞いに訪れる。
    表面上はなんの問題もないのですが、娘は実は道ならぬ恋をしているのか、それともただの取越し苦労なのか、ミステリのような心理的綱渡りを体感できます。そして、いい人しかいないのに哀しみが……。古風な話ですし、類例もありそうなのですが、それでも私は感動しました。北村薫さんと宮部みゆきさんの「名短篇、ここにあり」シリーズに収録されていても違和感のない秀作です。

    表題作「天使」や「変質者」「科学の不幸」は気のきいた短編ということなのでしょうけれども、古い。特に「科学の不幸」はミステリ的手法で当時のある世相を風刺しているのですが、今読むのはかなりつらい。「駄犬」「犬と小説家」は作者本人と思しき作家が駄犬に苦労するユーモア小説で、悪くはないけどちょっと物足りない。

    「クワッ、クワッ先生行状記」は小学生のころ住んでいた大連を四十年ぶりで再訪する手記であり、それに同行した阿川弘之さんの奇人ぶりをルポルタージュした交遊録でもあります。(遠藤さんに限らず、第三の新人って交遊録多いですよね)
    この前に配置されているのが大連での初恋を描いた「初恋」なので、続けて読むと一層しみじみします。この構成はいいですね。「初恋」の方では阿川さんの名前が出てなかったり、過去と現在の描写の比重に差があったり、ちょっとした違いも興味深い。両親のいさかいと離婚が少年を苦しめたこと、遠藤さんの劣等生意識は成績優秀な兄との対比で生まれたらしいことなども書いています。

    クワッ、クワッ先生とは阿川さんのこと。船で同室だった阿川さんが一時間に何度もクワッ、クワッと唾を吐くので遠藤さんは閉口したようです。でも全体を通しての印象はいい。落として上げるのがうまいですね。こんな記述も。

    「船中でお別れしました時、奥さまから
    『よろしく、お願い致します』
    と御挨拶いただいた直後、佐和子ちゃんから突然、ギュッと袖口をひかれ、
    『遠藤のおじちゃん、船に乗ったらね、父には海軍・船・飛行機のことで先に口出ししたり、逆らったらいけませんよ』佐和子ちゃんは御主人にきかれぬよう口早に囁きました。『そうしたら、あの父と喧嘩をせずに旅を続けられると思います』私は佐和子ちゃんに有難う、有難うと礼を申しました。そしてまた、ああ、この子は長い歳月、海軍・船・飛行機については異常なまでに執着する父親に苦労をしてきたのだなと、今更のように思った次第です」

    最後に、この本の存在を教えてくれた渡辺真理キャスターに礼を申し上げます。タレントとして特に彼女が好きというわけではないのですが、週刊現代の「わが人生最高の10冊」でこの本を挙げていたので、読んでみようかなと思ったのです。この企画は誰がどんな本を選ぶか興味津々で、毎週楽しみにしています。

  • どこの会社にもいそうな、世話焼きおばさん、まるで天使のようだ。お調子者の主人公は、彼女のおせっかいに甘えていると…。

    遠藤氏は『海と毒薬』『沈黙』などが
    超有名だが、ハートフルな作品も
    多いようだ。他に『父親』も秀逸。

  • 遠藤の短編。宗教ものと違って、脱力した感じがとっつきやすい。紀行文のようなものから、ちょっとしたミステリーのような味のものまで、ヒョイっと引き込んでしまうからさすが。そんな軽いタッチの作品でありつつも、心を見透かされたような一文があったりするから侮れない。

    13/5/25

  • 遠藤周作氏の短編集。軽い読み物ばかりではなく、(実体験と思われる)切ない思い出が語られる。感情移入できる内容。

  • 遠藤周作の天使読み終わりました。
    遠藤周作の作品を読んだことがなかったので、今後の教養のためにも読んでみようと思い手にとった一冊。
    イメージとしてはかなりお硬い作者なのかと思いきや全くそんなことはなく、ユーモアのある優しい人柄を感じました。
    面白かったです。

  • ちょっと怖い。

全15件中 1 - 10件を表示

天使 (角川文庫 緑 245-20)のその他の作品

天使の詳細を見る 単行本 天使 遠藤周作

遠藤周作の作品

天使 (角川文庫 緑 245-20)はこんな本です

ツイートする