それぞれの夜 現代ホラー傑作選第1集 (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (1993年4月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041245231

みんなの感想まとめ

人間心理に根ざした恐怖を描いたホラー短編集で、心霊的要素が少ないものの、独特の魅力があります。有名作家たちの作品が収められており、現代のホラーとは異なる視点からの恐怖を楽しめる点が特徴です。特に、吉行...

感想・レビュー・書評

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  • 心霊系ではあんまりないチョイスだけど、個人的には当たりの作品多かった

  • 再読。

    ホラーアンソロジーではあるがあまり恐怖感は無し。今作においては心霊よりも人の心の闇を取り扱った作品が多めな印象

    高橋克彦「遠い記憶」
    歴史小説家が仕事で立ち寄った故郷。物心つくかつかぬかの年頃の間しか住まなかった土地にて朧に蘇る記憶と、大ファンだと語り接近する美女。
    故郷を嫌う母の言動に違和感を持ちつつも、次第に蘇る記憶と過去の真相…小説家の立場となれば家族にまつわるゴタゴタ、そして起きた事件はそりゃあ恐ろしい記憶である

    三浦哲郎「楕円形の故郷」
    東北から上京してきた男と女。女は次第に東京の生活に染まり、一方何も変わらず職場で指を失った男はひたすら女の後をついてまわる。偶然、盆栽の世界を知り故郷によく似た盆栽を借り受けた男は鉢の中の世界に没入するが…。ある種ノスタルジックな幻想譚とも言える。昔は女の方が酷いように思っていたけれどその変化に気付かないフリをして追いかけ続ける男の愚直さもちょっとしんどい

    黒井千次「音」
    近所の工事現場の音に耐えられず、友人の持つ山奥の別荘に滞在し執筆作業を行う事にした作家。一人きりの別荘はあまりに静かで次第にあらゆる妄想が膨らみ…。途中まではホラーらしい演出もあるが、心霊云々ではなく自然の圧倒的存在感に対する一生物の小ささ弱さを表した孤独感恐怖の物語か

    河野多恵子「雪」
    雪への恐怖と屈折した母との因縁を抱える女。父親の不貞と狂った母、その歪みを受け死児と同じ名前を付けられ年齢も変えられた、血の繋がらぬ娘…。関係性が少しごちゃまぜになり分かりにくい点はあるが、母娘の奇妙な依存関係、死児の取り憑いたかのようなラスト主人公の言動は静かな恐怖を呼ぶ

    澁澤龍彦「髑髏盃」
    盃への収集癖を拗らせた一人の盲人の物語。死者を辱める髑髏盃の呪いでも良さそうな所、過去命を落とした使用人の息子の怨念の可能性も…の点は蛇足のような気も

    山川方夫「お守り」
    同じ間取りに同じような家族構成で住む、団地に暮らす人々。同じ建物に詰められた人々はドッペルゲンガーのように似通って…。世にも奇妙な物語的なジワジワと来るいやな怖さがある。ある意味時代性が出ているというか。今ならタワマン文学?

    三島由紀夫「怪物」
    悪逆非道を繰り返してきた怪物のような男が脳梗塞に倒れ、肉体の檻に閉じ込められる。因果応報なのだが、身動きが取れないまま幼児に構い付けられるシーン等は地味に怖い() どれだけ酷い人間でも主観でままならなさを見せつけられると共感はあるのだな…と感心する(まあ最後まで酷い人間だが)

    阿川弘之「浴室」
    宿泊していたホテルの鍵が見つからない所から始まる。男は家庭を持っているが、妻とは別に関係を持った女がいる。鍵を持っていったのは女か?部屋に隠れているのでは?と思う出来事がありつつもその場にはいない。そして電話がかかり、女が産婦人科にかかっている事、局部からの不正出血があったという話と浴室の排水溝から垂れる赤錆色の水の対比が不吉な感覚を残すがそれ以上は語られない。怖さよりもいやな感じが強い

    吉行淳之介「埋葬」
    このアンソロジーの中では一番印象に残る作品。主人公は結核療養所の入院患者から頼まれ雌猫を預かる。その後、自殺した患者から遺書のような手紙が届き、猫を預かってほしいという頼みは信頼以上の好意を持たれていたのでは、自殺の原因は失恋ではないかというざらりとした嫌な感覚。そして家の中を伺うように往復運動を繰り返す死者の妹。眠っているうちに押し潰し死なせてしまった子猫達を密かに埋葬した秘密…身近の家族にも言えない事が積み重なる嫌な感覚。ヒヤリとする嫌さと恐ろしさが積み重なる物語

    遠藤周作「その一言」
    「死んでしまえ」という願いが叶ってしまう、という不安を抱える妻の告白。嫌な感覚を覚えつつもすっかりと忘れ、気付かぬ妻の姿に調子に乗り不貞を楽しむ夫。しかし不倫相手のホステスは段々とつれなくなり、不調ばかり訴える。不調は嘘であり浮気をしているのでは、と男は疑うも実は…。結論としては浮気良くない

  • '95.2読了。

    ホラーではない。良かったのは以下三編。
    「遠い記憶」高橋克彦
    「音」黒井千次
    「その一言」遠藤周作

  • 三島由紀夫、遠藤周作など有名どころの書いたホラー短篇集。今の時代に描かれているホラーとはまた違ったホラーが味わえた。

  • 遠藤周作が選んだ現代ホラー短篇集。
    収録作家=高橋克彦/三浦哲郎/黒井千次/
    河野多恵子/澁澤龍彦/山川方夫/三島由紀夫/
    阿川弘之/吉行淳之介/遠藤周作……と
    気になる作家が多かった。
    中でも、三島由紀夫の『怪物』が好き。

  • ホラー小説アンソロジー。文学的な作品が多いためか、派手さには欠けてもひっそりじわりとくる作品が多いです。
    お気に入りは高橋克彦「遠い記憶」。「記憶」シリーズの一作で、本当に怖い話。あとは山川方夫「お守り」。読んでいるときにはあまりホラーっぽくは思わないのだけれど、読み終わった後で無性に怖くなってしまいます。特に団地に住んでいる人は怖いでしょうね……。

  • 『それぞれの夜 現代ホラー傑作選第1集』
    遠藤周作/編

  • 発送でキャッチした本。
    短編のホラー集なんですが、ホラーまでは怖くなくミステリーくらいです。
    でも、とても面白かったです。
    とくに、遠藤周作さんの短編はハラハラドキドキ。。。

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