海と毒薬 (角川文庫)

著者 :
制作 : 駒井 哲郎 
  • 角川書店
3.58
  • (84)
  • (169)
  • (230)
  • (27)
  • (6)
本棚登録 : 1295
レビュー : 172
  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041245255

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 戦争と生体解剖という組み合わせが怖くて、敬遠していた
    やっと読む心の準備ができたので、図書館で借りた

    勝呂という医師たちが、過去、戦時中に大学病院で外国人捕虜の生体解剖を行ったことに関する話
    昭和25年に九大医学部で実際に起こった生体解剖事件(相川事件)を下敷きにしているらしい
    読み始めてすぐに、近現代文学だなぁ、と感じる
    本文の「黒い波が押しよせては引く暗い音が、砂のようにもの憂く響いている。」という文章と、「人間の良心なんて、考えよう一つで、どうにも変るもんやわ」という科白が、心に残る
    波のように、罪の意識は罰の意識と混ぜ合わされ、押しよせては引いていく
    解説の「罰を恐れながら罪を恐れない」ということが日本人の習性とされていることに関しては、納得できる
    越えてはならない一線というものがある
    その一線の上に立ったままなのが主人公の勝呂で、私たちも考えさせられる

  • そこに関わった人たちが、それぞれただの人間なのだと思いながら読んだ。ただの人間であっても、時と場合によっては、こうなってしまうのだと。

    文体はとても読みやすかった

  • 平野謙氏の解説によると本作は実際に起こった生体解剖事件をモデルとしながら、「異常な状況における異常な事件を、できるだけ医局内の派閥争いとか恋愛とか人間性格とかの平常な次元に還元しようと努め、そのことによって、日本人の罪責意識そのものを根元的に問おうとした」とされている 主人公の勝呂のように、人間の尊厳を軽んじるような残虐な行為が実施されようとしているのを、間違ったことだと感じながら周囲の悪意に満ちた空気に呑み込まれそれを止めようと行動することのできない人間の心の弱さ 確かにこれは程度の差こそあれ、戦時のような異様な状況下でなくともどのような時代を生きる人間にもあるのではないかと思った 

  • 再読。
    特製カバーはブルーだが、海とも空ともつかない微妙なブルーなのがいい。

  • どの道長く生きられない人だから・・・
    それならば、将来の医学に役立つ方が・・・
    と、今では考えられないことが正当化してしまっている戦争中のことを、改めて恐ろしいと感じました。

  • 生体解剖実験をテーマにした衝撃作。

    ちょっと難しい内容でした。

  • 話が見えない感じの前半はだらだら読んでたけど、中盤から面白くって夜更かししてしまった。

  • グロテスクなシーンは少しだけでしたがくらっときました
    全体的に淀んだ雰囲気がもったり流れてる感じ
    読み終わったあとはなんとも言えない気分 国語力がないので合う言葉がみつからない…
    看護師さんの話のところが好きです
    看護師さんの考え?にすごくゾクッときて凄いドキドキしながらその部分読みました
    また時が経ったら再読します

  • 色々リアルに想像できて気持ち悪くなった
    怖かった

  • あらすじは最後に読もう!

全172件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
1923年3月27日 - 1996年9月29日
東京生まれ。父親の仕事で、幼少時代を満洲で過ごす。帰国後にカトリックの洗礼を受けた。1941年上智大学予科に入学したが、中退。慶應義塾大学文学部仏文科入学・卒業後、カトリック文学を学ぶためにフランスへの留学。帰国後の1954年『アデンまで』を発表し小説デビュー。1955年『白い人』で芥川賞を受賞し「第三の新人」として脚光を浴びた。
1958年『海と毒薬』で第5回新潮社文学賞及び第12回毎日出版文化賞、1966年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞、1979年『キリストの誕生』で第30回読売文学賞評論・伝記賞、1980年『侍』で第33回野間文芸賞などそれぞれ受賞。1995年に文化勲章を受章している。
上記受賞作のほか、1993年刊行『深い河』もキリスト教と日本人をテーマにした代表作と見なされており、映画化された。60年代以降「狐狸庵山人」(こりあんさんじん)を名乗り、様々なエッセイを記した。数々の作品が欧米で翻訳され高い評価を受けており、存命中ノーベル文学賞候補だったこともよく知られている。

海と毒薬 (角川文庫)のその他の作品

遠藤周作の作品

ツイートする