恋愛論 (角川文庫 緑 250-7)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 199
感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041250075

感想・レビュー・書評

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  • いつもの喫茶店でなぜか恋愛バナシをしたせいで、雨上がりの帰り道に「驟雨」を読みたくなって書店へ。でも、本棚にはお目当ての本はなく、なんとなく手に取ったのがこの本だった。

    「恋愛とは美しい誤解である」。

    吉行淳之介先生は、クールに言いきる。そのわりに、「いつあげたらいいのか考えてるの…」というたあいない女の言葉にギョッとし(おそらく心底から)、また別なときには「恋というのは厄介なもの」とため息をつく。ときに辛らつに男女の機微を論じ、ときに楽しげに恋愛に翻弄される気持ちを描いたりもして。僭越ながら、「このひとって、チャーミングだなぁ」と思う。

    恋愛中に読むにはやや刺激が強い気がするので、恋愛をおやすみして遠巻きに見ているときに読むことをおすすめしたい。

    ちなみに、R.チャンドラーの「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」を引用しちゃう男性は、クールなロマンチストであることが多い、と思う(たまにカンチガイしてる人もいるけど)。

  • 男らしくとか女らしくとかくだらない、と思うことがときどきあったけど、そもそも違うものなのだから、適すること・適さないことがあるのは当然なんだなぁ、と、思い始めた。
    最後の部分で、女性の悪口かと思ったわたしは浅はかなんだ…。

  • 高校生だったか中学生だったかの国語の教科書に載っていた吉行淳之介の文章があまりにも鮮烈で、以来、ずっと彼の本を読みたいと思っていた。
    小説だけかと思っていたら、エッセイまでやっている。あのとき、思春期真っ盛りの私にでも分かるくらいに、彼の文章は色っぽかった。そんな彼の書く恋愛論はいかに。
    結論。視点の鋭いひとはどの時代にもいて、その普遍的なものの見方はどの時代でも通用する。
    表面的には彼の生きていた時代とは今は変わっているのだろうけれど、底辺に流れるものは驚くほどに変わっていない。女性解放のあたりなんて、今のフェミニストにも言えるようなこと。つくづく、「色っぽい」というのは「エロい」とは違うのだな、と思う。似て異なるものを言及し、鋭く切り込んだかと思いきや、「そんなこと、結局どうだって良いのだよ」と着物の襟元を緩めるような。そういう緩急が、大人だなあと感じる。このひと、さぞかしもてたでしょう。というのは、こんなエッセイを読んでおいてあまりにも陳腐な感想かもしれませんが。良い男ですね、彼は。イメージは豊川悦治。

  • 初めの方は面白く読めたが、後半になるにつれてマンネリ化してラスト50ページほどは流し読みしてしまった。
    何というのか、恋や愛やセックスに関する見識は、習慣や風習や時代を除いて、何百年も変わってないことが分かる。加えて、大多数の人間がある程度まで考えることのできるサブジェクトだなあと感じた。まあ、それを言葉巧みに文章化する文士はさすがの一言なのだが。

  • 名前は固いけど中身は気軽なエッセーでした。唯一時代を感じたのは、たまに出てくる「女性の開放」というワードくらいで、40年前にこう考えていたこの方が今の状況についてどう思われるか拝聴でけたらいいのになぁと思う。

  • 高校生諸君よ、ネットや携帯ばかりいじってないで
    この本を読みなさい。この本を。

    と言いたくなった。

  • 幅允孝氏から。
    他の名著も引きつつ、昔から変わらぬテーマについて。

  • 女であるわたしよりも吉行さんの方が
    女のことをわかってるんじゃないかと思った。

    すごく参考になりました。
    女であることをちゃんと自覚して
    そのことを考えて生きようと思います。

    わたし今まで、どちらかというと男みたいな自覚の仕方であったなぁ。

  • 恋愛論と呼べるほど高尚ではないが、吉行流恋愛考察(あるいは、一談義)として読むと、おおよそ誰が手にとってもたのしいだろうと思う。
    本書の優れている点は吉行の体験談と身の回りの話が終始引用される点で、人間が語るものだから40年近く経った今も埃くささは感じない。これは時代が今と変わらないということではなく、吉行の達観した姿勢に現代モラルが追いついてしまった、というところだろう。
    しまった、というのはどうも北欧の話(フリーセックス、女性解放運動の一環としての自由のようなもの、ルールとリスクの関係)が目の前にちらついて、また草食だのと言われる男性が取り上げられていることから、最早男は生まれながらにして結婚しているかのように萎縮してしまっているのかもしれないと思うからである。あきらめ、でもある。
    肩ひじ張らずに読む本だ。話はほうぼうに脱線して具体的な案はほとんど提示されないが、特に男性が読むと楽になれるだろう。おもしろい。

  • 期待はずれ、と言っても著者が悪いわけではない。著者の「女」像に私が当てはまらない事と多分私自身の今の心の問題だろう。

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著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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