有田川 (角川文庫 緑 262-3)

著者 :
  • KADOKAWA
3.75
  • (4)
  • (3)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 32
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041262030

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 有吉佐和子の「川もの三部作」の一つ。
    川に生まれ、川と共に生きた女性の一生を追体験するような作りになっており、有田地方の独特の方言は、読み手にごく自然に情景を思い浮かばせる。
    自分の運命をあるがまま受け入れ、健気に生きていく主人公・千代。強さも弱さも併せ持つ彼女の視線の先には、いつも有田川の穏やかな、けれど時に厳しさを見せる流れがあった。

    この作品では川に翻弄される千代の運命がテーマだが、主人公の成長とともに変化していく周囲の環境にも注目したい。時代の移り変わりと共に、有田みかんは栽培法や出荷法(舟から鉄道へ)を新しくさせ、缶詰への加工事業を切り開いていく。
    また作品に大きな転換をもたらす二つの祭りもポイントだ。糸我の会式と千田祭りは時世を色濃く反映し、千代の心境とは正反対の様相を見せる。有吉佐和子の筆力には感嘆する。

    個人的には川守貫太の男臭さがオススメ。惹かれてしまった千代の気持ちも分かる!

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

昭和6年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学英文科卒。昭和31年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』など話題作を発表し続けた。昭和59年没。

「2022年 『閉店時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有吉佐和子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有吉佐和子
有吉 佐和子
有吉佐和子
有吉佐和子
谷崎潤一郎
有吉 佐和子
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×