美は乱調にあり (角川文庫 緑 265-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041265024

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤野枝という人物を寂聴が追って調査。大杉栄との長子の摩子、野枝の妹ツタとの出会いとインタビューなどが、本人の姿が目に浮かぶようでちょっと感動。野枝はかなり個性的な人物だったようだ。辻潤との同棲に至る経緯も詳細な分析でリアル。この辺りは寂聴ならでは、の観測かもしれない。辻に初めて野枝が出会ったときの描写は新鮮で胸がときめくほど。
    平塚らいてう、神近市子の男女関係にも詳しい。彼女たち才色兼備の100年前の女性たちは最先端の女性解放の騎手だったと思うが、伊藤野枝も含めた男女関係の緩やかさ、恋に奔ってしまう姿は驚くほどだ。最後は神近事件で終わる!主人公は野枝だと思うが、もしかすると3人の女性たちすべてに著者は思い入れがあるようだ。

  • 女性の解放を謳った『青鞜』に関わった人たち。その中に途中から参加し、最後には「青鞜」を自分のものとした伊藤野枝。彼女を中心に葉山事件までの話。

  • 婦人解放運動家の伊藤野枝が辻潤を捨てて大杉栄のところにいき、大杉の愛人だった神近市子が刃傷沙汰(日蔭茶屋事件)を起こす直前までの物語。

    雑誌が発禁になってもめげない当時の活動家はガッツがあるなー。一方で、私情はさみまくりの批判を書いたり個人的な色恋の詩を載せたりとわりとやりたい放題な印象も受けた。一般大衆ではなく、その時代の知識人や批評家向けに雑誌を作っていたということがうかがえる。

    伊藤野枝の半生を中心に据えていながら、わりと辻に同情的というか、野枝の行動や大杉栄については冷静な視点で書かれている。

  • (1990.06.01読了)(1984.03.23購入)
    *解説目録より*
    明治44年春九州から上京、上野高等女学校に在学中の伊藤野枝は、新任教師の辻潤を知る。波瀾の生涯のそれが始まりであった。潤との熱烈な恋、雷鳥平塚明子との交友、「青鞜社」への参加、そして社会主義者大杉栄との宿命の出会い、その妻としての凄惨な死…。激しい女の生命を乱調の美に彩った28歳の生涯を描く力作。

  • 瀬戸内晴美さんの名前の頃の伝記小説の名作ですね。ほとんど忘れていますゴメンナサイ。坂本龍一氏が小さい頃に、この『美は乱調にあり』という言葉を書いて学校の先生がビックリしたとか…インパクトのある言葉だもんね…

  • 恋愛小説として面白かった。
    どの辺まで事実で、どのへんが妄想なんだろう?
    この時代の事がもっと知りたくなった。

  • 明治四十四年春九州から上京、上野高等女学校に在学中の伊藤野枝は、新任教師の辻潤を知る。波乱の生涯の始まりであった。大杉栄との愛、激しい女の生命を乱調の美に彩った二十八歳の生涯。

  • 婦人解放運動家伊藤野枝の生涯。

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