白昼堂々 (角川文庫 緑 267-3)

著者 : 結城昌治
  • KADOKAWA (1971年2月発売)
4.00
  • (1)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • 26人登録
  • 2レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041267035

白昼堂々 (角川文庫 緑 267-3)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 伊坂幸太郎のエッセー集『3652』。
    そこで紹介されていた小説を何冊か読んだところ、どれも面白かったので、「これは金脈を掘り当てた」とばかりに読みあさっています。
    この小説もその一冊。
    物語は昭和40年頃と思われる、九州北部のシーンから始まります。
    ある事情で故郷を訪れた、中年の男。
    記憶を頼りに帰った彼は、炭鉱の町だった故郷がすっかり、寂れてしまっていることに愕然とします。
    何か手がかりがないものかと、別の集落に住む、旧友の元を訪れた主人公。
    人気のない炭鉱の町の中でなぜか、人並みに近い暮らしをしているその集落。
    旧友の話から、その集落が「スリ」を生業にしている人々の集まりだと知って・・・という始まり。
    炭鉱が廃れ、生きる術を失った人たちが、苦しい生活を行く抜くために選んだのが、「他人からモノを盗む」という道。
    スリ、そして万引きの技術だけでなく、故郷がばれないように、標準語の教育までして、住人の「生活力」を鍛える、集落のリーダー。
    その活動は、集落の団結の力を活かして、さらに組織的な、大掛かりなものへと発展していきます。
    「奇想天外な話だなあ」と思いながら読んだのですが、この時代に、同じような事件が実際にあったと知って、驚きました。
    Amazon古書店で取り寄せた文庫版の奥付には、「初版昭和46年」と記されていました。
    使われている言葉や表現には古めかさを感じますが、逆に現在からの振り返りではない分、当時の空気というものがリアルに伝わってくる描写だなと、感じました。
    最近の小説に食傷気味な読者にとっては、逆に新鮮に感じる作品かもしれません。
    このような時代の作品も網羅しているとは、さすが伊坂幸太郎ですね。
    他のオススメ作品も、読んでいくことにします。

全2件中 1 - 2件を表示

白昼堂々 (角川文庫 緑 267-3)のその他の作品

結城昌治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
PK
伊坂 幸太郎
キース ピーター...
三浦 しをん
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

白昼堂々 (角川文庫 緑 267-3)はこんな本です

ツイートする