牛をつないだ椿の木―童話集 (角川文庫)

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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041279014

感想・レビュー・書評

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  • 新美南吉の童話で読み応えがありました。学校の道徳教材にも使われる作品です。多分、授業では海蔵の他人に頼ろうとするも頼れず、自分で何とかしようとして自分のことしか見えなくなってた心の移り変わりを中心に展開されると思います。みんなのための井戸掘りに納得しなかった地主と提案した海蔵では表面的には海蔵の方が良い人と言われると思いますが、自分の世界に入り込んでしまっていた海蔵が改心をきっかけに井戸掘りを許可した地主ではどちらがいい人なのかということが考えさせられました。そして、最後の締めが唐突でした笑

  • 新見南吉の物語がここまで面白いということに初めて気づいたのが、この「牛をつないだ椿の木」を読んだ時でした。

    物語自体は特に奇抜な内容でもなんでもないのですが、主人公が思いつく善行がなかなか成就しないという骨子に、脇役がそれぞれ面白く絡むという話の中に
    人生のむずかしさ、もどかしさ、そして最終的には人間の希望や優しさが映し出されていく美しい話です。

    この話が南吉が亡くなる1年前に書かれているということもなんとなくこの作品のぬくもりと無関係ではないのではないか?と思います。裏庭にやってくる蜂、おどろくほど小さな卵をうむ鶏。読むほどに光まぶしい裏庭の木々、心地よい土の香り、高い空。そういう自然が目に浮かびます。

    まだ生きていてほしかった作家のひとりです。

  • 愛知県半田市が誇るもの、それは「ミツカン」と新美南吉。などといふと、半田市民から「半田にはそれだけぢやない、もつと多くの魅力があるぞ」と叱られさうですが、まあ許してください。

    おそらく誰もが幼少時に読んだ(読まされた)と思はれる「ごんきつね」「てぶくろを買いに」などで知られる新美南吉は今年で生誕101年。中途半端なタイミングですが、偶然読む機会がありましたのでちやつかりここで報告するものであります。

    以下、いくつかの作品の感想。
    「張紅倫」...戦前の時代に、敵国人を礼賛するとも受け止められかねない内容の作品を書いたこと自体、驚tきを隠せません。
    「正坊とクロ」...人間と動物は結局分かり合へない結末の作品が多い中で、これはしつかりと交流が描かれてゐます。正坊とクロ、今後の新たな関係が示唆されて終ります。
    「ごんぎつね」...子供の頃読んで泣きました。悪意を持つ人物・動物は結局ゐなかつたのだが、訪れる悲劇。
    「手ぶくろを買いに」...かあさんぎつねの「ほんとうににんげんは、いいものかしら」といふつぶやきが本作を象徴してゐますね。子供の頃は単純に人間賛歌だと思つてゐましたが、実際はもつと複雑なやうです。
    「病む子の祭」...切なくも美しい児童劇。わたくしはかういふのに弱いのです。
    「久助君の話」...半田の岩滑(やなべ)といふ土地を舞台にした「久助君」シリーズ(?)は、幼い日に誰でもが味はつたであらう漠然とした不安や期待、子供ならではの人間関係が詰つてゐます。久助君はわたくしだと思ひました。

    他にも、表題作「牛をつないだ椿の木」や代表作のひとつ「おじいさんのランプ」、人の善意にあふれた「花のき村と盗人たち」など、ツブ揃ひであります。
    幸薄い人生を過ごした新美南吉ですが、その作品は今後も読まれ続けるのではないでせうか。
    ここではたまたま角川文庫版ですが、他にも岩波文庫などから作品集が出てゐます。どれでも良いので、手に取つてみてはどうですかな。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-184.html

  • 北原白秋のながれから、また、先日NHK子供向けドラマ『時々迷々』で名前を見かけて。「ごんぎつね」「てぶくろを買いに」も収録。大変おもしろかった。道徳と悲哀のなかに無邪気さと貧困が見える古き良き日本的価値観。大人から押し付けるのでなく、子供が進んで読んでくれる世の中になるといいなぁ。

  • 表題作は牛だけの話でないのですね

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著者プロフィール

1913年愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校卒業。教師をしながら創作活動を続け、童話・小説・詩など多くの作品を残す。代表作に、『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』『おじいさんのランプ』などがある。1943年咽頭結核により、29歳の生涯を終える。

「2021年 『新美南吉童話集 ごんぎつね・手ぶくろを買いに など』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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