空の青さをみつめていると―谷川俊太郎詩集 1 (角川文庫 (2559))

著者 : 谷川俊太郎
  • 角川書店 (1985年8月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041285015

空の青さをみつめていると―谷川俊太郎詩集 1 (角川文庫 (2559))の感想・レビュー・書評

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  • 中学のときに読んだ。その翌年くらいにクラスメイトが持っていて、普段詩なんか読まないようなヤツだったのに谷川俊太郎はすごいみたいな事を言っていたので、お前よりもずっと早く自分はそんな事知ってると言いたかった。
    小学校のときには好きだった谷川さん。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    二十一歳のときの第一詩集『二〇億光年の孤独』をはじめ三十三歳の【週刊朝日】連載の時事諷刺詩まで、主要作品を年代順に自選形式で網羅。宇宙的なものへ、社会的なものへ、前進的で活動的作品である。

    【キーワード】
    文庫・詩集・空・青

  • 詩集です。
    結構ほかの詩集ともかぶってるけど、谷川俊太郎さんの言葉が好きなんだよな。適当なのパラパラめくって、ジッと 読むのです。

  • 私は詩に対する感受性が鈍くて、谷川さんの詩のファンではないし、大方の詩は好きも嫌いもなく、という感覚なんですが。
    やさしい言葉で深いことを言うから、たまに、ものすごく言葉に詰まるほどの衝撃を覚える。
    この詩集に収録されているの、ほとんどが旧字というか、「言った」の促音が「言つた」の時代の書き方なのね。


     子どもは……

    子どもはなおもひとつの希望
    このような屈託の時代にあっても

    子どもはなおもひとつの喜び
    あらゆる恐怖のただなかにさえ

    子どもはなおもひとりの天使
    いかなる神をも信ぜぬままに

    子どもはなおも私たちの理由
    生きる理由死を賭す理由

    子どもはなおもひとりの子ども
    石の腕の中ですら

  • 飛行機に乗るときに読む本。

  • 以下引用。

    ――――詩集「二十億光年の孤独」より――――

    「生長」

    三歳
    私に過去はなかつた

    五歳
    私の過去は昨日まで

    七歳
    私の過去はちよんまげまで

    十一歳
    私の過去は恐竜まで

    十四歳
    私の過去は教科書通り

    十六歳
    私は過去の無限をこわごわみつめ

    十八歳
    私は時の何かを知らない(p.14~15)


    「かなしみ」

    あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
    何かとんでもないおとし物を
    僕はしてきてしまつたらしい

    透明な過去の駅で
    遺失物係の前に立つたら
    僕は余計に悲しくなつてしまつた(p.21)


    「二十億光年の孤独」

    人類は小さな球の上で
    眠り起きそして働き
    ときどき火星に仲間を欲しがつたりする

    火星人は小さな球の上で
    何をしているか 僕は知らない
    (或はネリリし キルルし ハララしているか)
    しかしときどき地球に仲間を欲しがつたりする
    それはまつたくたしかなことだ

    万有引力とは
    ひき合う孤独の力である

    宇宙はひずんでいる
    それ故みんなはもとめ合う

    宇宙はどんどん膨んでゆく
    それ故みんなは不安である

    二十億光年の孤独に
    僕は思わずくしやみをした(p.28~p29)


    「ネロ  ――愛された小さな犬に」

    ネロ
    もうじき又夏がやってくる
    お前の舌
    おまえの眼
    お前の昼寝姿が
    今はっきりと僕の前によみがえる
    お前はたった二回程夏を知っただけだった
    僕はもう十八回の夏を知っている
    そして今僕は自分のや又自分のでないいろいろの夏を思い出している

    メゾンラフィットの夏
    淀の夏
    ウィリアムスバーグの夏
    オランの夏
    そして僕は考える
    人間はいったいもう何回位の夏を知っているのだろうと

    ネロ
    もうじき又夏がやってくる
    しかしそれはお前のいた夏ではない
    又別の夏
    全く別の夏なのだ

    新しい夏がやってくる
    そして新しいいろいろのことを僕は知ってゆく
    美しいこと みにくいこと 僕を元気づけて くれるようなこと 僕をかなしくするようなこと
    そして僕は質問する
    いったい何だろう
    いったい何故だろう
    いったいどうするべきなのだろうと

    ネロ
    お前は死んだ
    誰にも知れないようにひとりで遠くへ行って
    お前の声
    お前の感觸
    お前の気持ちまでもが
    今ははっきりと僕の前によみがえる

    しかしネロ
    もうじき又夏がやってくる
    そして
    僕はやっぱり歩いてゆくだろう
    新しい夏をむかえ 秋をむかえ 冬をむかえ 春をむかえ 更に新しい夏を期待して
    すべての新しいことを知るために
    そして
    すべての僕の質問に自ら答えるために(p.33~36)


    ――――詩集「六十二のソネット」より――――

    「41」

    空の青さをみつめていると
    私に帰るところがあるような気がする
    だが雲を通ってきた明るさは
    もはや空へは帰つてゆかない

    陽は絶えず豪華に捨てている
    夜になっても私達は拾うのに忙しい
    人はすべていやしい生れなので
    樹のように豊かに休むことがない

    窓があふれたものを切りとつている
    私は宇宙以外の部屋を欲しない
    そのため私は人と不和になる

    在ることは空間や時間を傷つけることだ
    そして痛みがむしろ私を責める
    私が去ると私の健康が戻つてくるだろう(p.66~67)


    「45」

    風が強いと
    地球は誰かの凧のようだ
    空がまだ真盛りの間から
    人は夜がもうそこにいるのに気づいている

    風は言葉をもたないので
    ただいらいらと走り回る
    私は他所の星の風を思う
    かれらはお互いに友達になれるかどうかと

    地球に夜があり昼がある
    そのあいだに他の星たちは何をしているのだろう
    黙つてひろがつていることにどんな仕方で堪えているのか

    昼には青空が嘘をつく
    夜がほんとうのことを呟く間私たちは眠つている
    朝になるとみんな夢をみたという(p.68~69)


    ――――詩集「愛について」より――――

    「空の嘘」

    空があるので鳥は嬉しげに飛んでいる
    鳥が飛ぶので空は喜んでひろがつている
    人がひとりで空を見上げる時
    誰が人のために何かをしてくれるだろう

    飛行機はまるで空をはずかしめようとするかのように
    空の背中をあばいていゆく
    そして空のすべてを見た時に
    人は空を殺してしまうのだ
    飛行機が空を切つて傷つけたあとを
    鳥がそのやさしい翼でいやしている
    鳥は空の嘘を知らない
    しかしそれ故こそ空は鳥のためにある
    〈空は青い だが空には何もありはしない〉
    〈空には何もない だがそのおかげで鳥は空を飛ぶことが出来るのだ〉(p.81~82)

  • 空の青さを見つめていたら読みたくなりました。本棚に棲みついてから10年強のこの詩集。
    10代の頃は、青空っていうのは希望とか未来とかの象徴で、遠くを見るという行為には、まだ見ぬ世界を見るようなちょっとした誇らしさを感じていた。
    今もその気持ちはあるし、そういう気持ちを抱くことで自分の中の空気を入れ替えたりはしているけれど、
    最近になったやっと実感しはじめたのは、青空には過去を見るし、遠くを見ると過去の自分の目線を感じるということ。そしてそのぶん、未来の有限性についても目を向けることになるということ。

    歳をとることは真っ白であった瞬間から遠ざかることであり、時を重ねることであり、縦横無尽に筆を走らせ色を重ねたキャンバスのようで。
    ぐちゃぐちゃに重ね塗られたその一枚絵から、一つ一つの感情の色を綺麗に、そっと抽出してくれる。失敗した線も、哀しいときに塗った色も。いつかぷつりと何も塗れなくなるその瞬間について、想うときの筆の震えも。そんなイメージの、決してやさしいばかりではない、だけれどここにこうして息している瞬間を小さな奇跡と慈しませてくれる、詩集です。


    過去を持つことの幸せと、切なさと。未来という名の残りの道のり。
    おとなになるって、愚かだけれど素敵なことだ。

    「今日の期待は明日に似ている
    だが明日になると 期待は今日にすぎない

    しかしわたしのまわりに晴天の一日がある
    子供の時から私は何が好きで生きてきたか?
    ふと私に近く何かのよみがえる気配がする」

  • 詩の一編一編が澄んだ空気が広がっていて素敵(^'^)

  • 「二十億光年の孤独」
    「六十二のソネット」
    「絵本」
    「愛のパンセ」
    「あなたに」
    「21」
    「未完詩篇」
    「旅」
    「落首九十九」
    「その他の落首」

    大岡信による丁寧な解説。
    解説中に出てきた谷川俊太郎の言葉。
    「詩において、私が本当に問題にしているのは、必ずしも詩ではないのだという一見奇妙な確信を、私はずっと持ち続けてきた。私にとって本当に問題なのは、生と言葉の関係なのだ。(中略)私も、自分自身をいきのびさせるために、言葉を探す。私には、その言葉は、詩ではなくともいい。それが呪文であれ、散文であれ、罵詈雑言であれ、掛声であれ、時には沈黙であってもいい。もし遂に言葉に絶望せざるを得ないなら、私はデッサンの勉強を始めるだろう。念のためにいうが、私は決してけちな自己表現のために、言葉を探すのではない。人々との唯一のつながりの途として言葉を探すのである」

  • 私がご紹介したいのは、谷川俊太郎氏の初期の詩を集めた、
    『詩集 空の青さを見つめていると』です。

    谷川俊太郎氏のことをご存知の方は、多いと思います。

    執筆や翻訳、作詞など、今も実に様々な場で、
    ご活躍をされている方です。
    (以前TVCMでも、『朝のリレー』という氏の作品が使われていました。)


    私がこの詩集を手にしたのは、高校生の頃でした。
    現国の先生が、「62のソネット」という連詩を、
    授業で取り上げたのがきっかけです。


    なんとなく興味を持って書店で立ち読みをし、
    そのまま、購入してしまいました。


    文章や行間から、
    その場の空気の色や匂いまでもが
    漂ってくるような、強烈な印象を受けたからです。

    自身も多感な年頃だったこともあり、
    若き日の谷川氏の文章に、圧倒されたことを思い出します。

    自分が産まれる以前に書かれた文章に圧倒される・・・というのも、
    初めての経験でした。

    思えば、文章を書くということに興味を覚えたのは、
    この詩集に出会ったからかもしれません。
    (その後、私も頻繁に詩を書き始めました。)


    今読み返してみても、時代を感じさせません。
    文章を書くということを仕事にする者にとっては、
    勉強になることばかり。


    言葉の選び方、リズム。

    情景や心の切り取り方。

    比喩の巧みさ。

    擬態語のオモシロさ。

    読む人のイメージを膨らませるテクニック。


    詩という、決して長くはない文章の中で、
    こんなにもたくさんの表現が可能なのかと、感じ入ります。


    詩というと、それだけでマニアックな感じを受ける方も、
    独特の世界観が苦手・・・という方もいらっしゃるかもしれません。

    でも、一度頭の中を真っ白にして、手に取っていただきたいな。
    そう思います。

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