ガウディの夏 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.09
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本棚登録 : 77
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041294178

作品紹介・あらすじ

CFプロデューサー峰井透は、オーディションで知り合った新人シンガー水科杏子とともに、他人の気配を強く感じる奇妙な一夜をホテルで過ごした…。その数日後、女優の宮森陽子は峰井を誘い出し、杏子との密会が情報機関にファイルされたことを彼に告げた。そして、宮森自身、また超大物女優原江智子さえも、情報ファイルの刻印をうたれた者たちであったル峰井は陰に、プライベートの情報操作により、人々を不安と絶望に陥いれる謎の人物・岸矢吾郎の存在を知り、愛と自由を求め敢然と立ちむかっていった-。激しく加速度を増した情報社会における現代人の恐怖と苦悩を描いた衝撃の現未来小説の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は広告代理店のプロデューサー。あるキャンペーン案件で新人歌手と出会い、今までその案件を継続していた女優との契約を切り、一方でクライアントから起用タレントを勝手に決められ、みたいな日常がある裏で、ある人物が人に知られたくない情報を収集し活用することで人を操っているということに巻き込まれる。
    のだが、それとガウディがどうもうまくリンクできない。
    30年も前に書かれた小説として、情報を制するものが全てを制するという話を書いているのは、おそらく先見の明だったのだと思うが、あとがきに書かれているようにその情報化社会に対する感情がガウディの建築を見たときの感情に似たものとして書きたかったというのは、自分ごときでは役者不足で理解ができなかった。
    なので、ガウディに関する何かを期待して読むのはおすすめできない。

  • この本を読んだのは遥か20年以上前だ。
    この春、サグラダ・ファミリアが見たくなりスペインに行くことを決め、機内で読み直そうと思い、書棚から引っ張り出した。

    結局、機内では映画などを見ていたため本は読まなかったが、バルセロナとマドリードで超2大ハプニングがあったので、それについて書いてみる。

    ですので、この本のレビューではありません(笑)。申し訳ありません。<(_ _)>

    私的 「ガウディの春」 前編

    サブタイトル
    恐怖のスペイン旅行2大ハプニング(その1)
     「バルセロナに帰れない!!」

    バルセロナ3日目。
    朝早い列車でマドリードへ行く時の恐怖についてはすでに書いたので省略。真っ暗な道にタクシーが停まっており、恐怖を払拭し何の危険もなくマドリードに向かったことも。

    その日のマドリードは快晴。澄み切った青空が一杯に拡がっていた。恐怖で目が覚め3時間ほどしか寝ていなかったため「世界の車窓から」の気分に浸ることもできず、すぐに爆睡。2時間以上の列車の旅を優雅に味わう暇もなかった。

    マドリード駅に着いたが、ピカソの大作「ゲルニカ」が展示されているソフィア王妃芸術センター開館の10時までは時間がある。駅からは歩いて10分ほど。とりあえず朝食をとテラスのあるカフェに入る。テラスではスペイン人が楽しそうに会話をしていた。私も降り注ぐ太陽の光を存分に浴びながら外で食べたかったが、食事をどのように持ち出せば良いか分からなかった(笑)ので仕方なく店内へ。

    本物のバレンシアオレンジ搾りたての生ジュースがメチャ美味かった。私の60年の人生の中で飲んできたどの生ジュースよりも美味しかったかもしれない。カフェオレもまた美味。生ハムの乗ったパンも美味しくこの店は当りだと思った。※この時のあまりの感動が後の悲劇を起こす要因となる。

    生の「ゲルニカ」はやはり素晴らしかった。ピカソの魂と怒りをカンバスにぶつけた迫力が、その大きさとともに見るものに伝わってくる。20分以上じっと見ていた。ミロやダリをも鑑賞してからメインのプラド美術館に向かう。

    心地よい風と暖かさと青空と陽の光で私は幸福の絶頂にいた。
    プラド美術館に着き、入念に計画していた多くの有名な絵画の場所を探しながら歩き回る。しかしプラド美術館は想像以上だった。
    何がって? その大きさが。入館してすぐ日本語の詳しい館内地図をもらうのだが、どこに展示されているのかよく分からんのだ、広すぎて。とうてい2時間ほどで見切れる美術館ではなかった。本格的に見ようと思えば3日くらいかかるだろう。

    予定していた絵画の七割くらいは見られたので、疲れ果てた私はまたいつか来ようと思って外に出た。固いコンクリートの館内を休みなく歩いていたので脚に疲れが来ていた。本来はその後、徒歩と地下鉄を駆使して観光名所を訪れる予定だったが、その元気がなかった。

    すぐ傍の教会の正面の芝生に腰を下ろし、休みながらどうしようか考えていた。すると旅行雑誌やネットで“お薦め”とされていた2階建て観光バスの姿が目に飛び込んできた。

    これにしよう!! 私は歩き続けるのは無理と判断し、少し高いが(と言っても2500円程度)このバスに乗ることに決めた。10カ所以上の観光名所に止まり、しかも15分おきに次のバスがやって来る。これは結構便利だ。

    チケット売りのお姉さんと英語で話したら、そのお姉さんは京都に友達がいるらしい。そんな話をしながらバスが来るのを待っていた。次のバスはすぐに来たのでチケットを運転手に見せて2階に上がる。オープンエアーの2階座席は風が強いが気持ちよい。写真も撮れる。

    そのバスで、セルバンテスの像、王宮、ナンチャラ広場などで降りたり、バスに乗ったまま街の風景、ニケの銅像などを撮りまくった。途中、交通事故が発生して渋滞などにもあったが、そのせいでゆっくり走ることになったため、写真も撮りやすかった。

    3時間ほど乗ったり降りたりしながら、マドリード駅そばのバス停でバスツアーは終了。
    バルセロナに戻る列車の発車時刻まではゆうに1時間以上あった。帰りは奮発して夕食付の超1等を予約していた。だから少し待てば豪華なディナーを列車で食べられるはずだった。なのに……。

    急にお腹が空いてきた。
    昼飯を食べてなかったことに気づいた。
    何か食べずにはいられなくなった。喉も乾いてきた。周りを見るとマックもあった。豪華なディナーを前にしてスペインでマックなど食べなくても良いよな、とさすがにマックはやめたのだが。

    ここで思い出したのが朝に入ったカフェ。
    あのオレンジジュースがもう一度飲みたくなった。それと軽くお腹に入るものも。その店は駅に近いので安心していた。のんびりオレンジジュースとポテトにたくさんのチーズがかかっている軽い食事をとった。

    帰りの列車の時間を再度バウチャーで確認。6:40発となっている。
    よし、まだ大丈夫。さあ、バルセロナへ帰ろう。「さらばマドリード、また会う日まで」と余裕で呟きながら店を後にした。

    ※この一文で私の大きなミスに気付いたあなたは偉い!! 6:40発という文字のマジックに気付かなかったのですね、疲れていたせいで……。しかも、日本の新幹線と違い、ボディチェックやら手荷物検査で時間を取られる事もすっかり頭の中から消えていた。

    駅に着いた私は、近くにいた警官にバウチャーを見せ「6:40発の列車はどのホームから出ますか?」と訊ねた。
    警官は私を見て笑った。ん?? 何故この警官は笑う???
    「6時40分発だから朝とっくに出発しているよね?」みたいなことを、おそらくスペイン語で言ったのだと思う。

    なにい???
    これ、朝の列車の出発時間じゃないか!!! でも帰りも同じ時間だったような……。
    私は旅行に出かける時、無くしても大丈夫なように紙のチケットは予備を必ず持つようにしている。これが、その時は裏目に出た。朝のチケットの予備の紙をずっと見ていたことに初めて気づいた。そして、帰りの列車は6時ではなく、18時と書かれていなければないことにも。

    頭の中が真っ白になった。
    リュックの中を探して本物の帰りのバウチャーを取り出した。よく見ると出発時間は18:30 となっている。この10分の、僅かだが大きな違いが悲劇を引き起こした。

    駅の時計を見ると18時20分を指していた。
    あと10分しかない。まだボディチェックも手荷物検査も受けていないというのに。しかも2分前にホームに入らなければスペインでは列車に乗れない。正確には残り8分しかない。

    焦った私は猛ダッシュ。手荷物検査場まで走った。
    しかし何人か並んでおり、すぐには通れない。とにかく上着を脱ぎ、ポケットの中のものを取り出す。こういう時に限って何故か金属探知機に引っ掛かる。2回ほど戻って、何とか通過し再び時計を見た。

    18時27分。残り1分!!!
    しかし、ここでまた悲劇というか何と言うか。ホームがどこなのか分からんのである。あっち行ったり、人に訊いたり。で、その2番ホームだったか、に到着したときはすでに18時30分。ホームに降りるガラスドアは閉まっており、人影もなし。

    哀れ、私はマドリード発バルセロナ行き豪華ディナー付き一等のチケットを無駄にした。
    折角日本にいた時に早割で予約し、通常なら2万くらいするやつを1万3千円ほどで購入し喜んでいたというのに。

    さて、ここからがまた大変だった。
    チケットの振替で手数料だけとか、割引とかしてくれないものかと日本の「みどりの窓口」みたいな場所に行った。ところが英語が通じない。窓口のおっさんの言っていることがスペイン語で全く分からん。

    挙句は「そのチケットはここではなく、その先を降りた下のフロアだ!!」みたいなことをスペイン語で言って私に怒鳴るのだ(笑)。全くひどいやつだ。ホスピタリティという概念はこいつにはないのか!! と私は自分のミスなどお構いなしに、怒っていた。

    「下のフロアに降りろ」って何処にそんな場所があるんだよ。
    おっさんの指さした方角に歩いたが、そんな階段やらエスカレーターやら見つからん。周りの人に訊いても要領を得ない。スペイン人、もう少し英語覚えろよ!! と私は自分の下手な英語を棚に上げ、理不尽な怒りで吠えていた(笑)。

    しかし、時間はどんどん過ぎていく。
    今度は新たな不安が芽生えた。バルセロナ行きの最終って何時なの? と。最終が無くなったら帰れない。マドリードに泊まる羽目になる。さらに金がかかるどころか、翌日朝に予約しているサグラダ・ファミリアまで観られなくなるじゃん!!

    必死に走り回り、何人もの人に訊いても分からん。
    もう一度、あのおっさんが指さした方角に歩いた。すると、トイレに入る横に小さな階段があり、そこから下のフロアに降りられるようになっていた。

    下のフロアに行くと、今度は本物の「みどりの窓口」らしきものがあり、そこに入り並んだ。この時はすでに汗びっしょり。
    私の順番が来て窓口のおやじにバウチャーを見せた。これ、何とかならんですかね?? と。

    しかし、さすがに無理な話。
    まあ、日本でも無理でしょうが。悪いのは時間を間違え乗り遅れた私なのだから。で、新たにバルセロナ行きのチケットを購入。その時すでに19時10分過ぎ。「19時半と20時があるけどどっちにする?」と彼は言った。

    早く帰りたいけど、19時半を購入してまた乗れなかったらアホだよなあ、と思ったので20時を購入した。そのチケット代は、二等の座席ながら、私がドブに捨てた超一等豪華ディナー付きとほぼ同じ13000円だった。

    まあ、二等とは言っても新幹線の普通車みたいなもので、そんなに悪いわけではなく、人も少なかったのでのんびり帰ったけれど。ただ、バルセロナに着いたのは22時過ぎで、すでに真っ暗になっていたので結局またタクシーで帰る羽目になった。

    というわけで、私のバルセロナからマドリードへの日帰り旅行は散々な目に遭い、疲れ果ててホテルに戻りました。さらに、この日の疲れが翌日まで尾を引き、「タクシーを降りたら財布が消えた!!」という心臓が止まるような事件に繋がっていったのです。続く。

    このレビューではない単なる笑い話を読まれた方々、お気軽にご感想などをコメント欄にいただけたらとても嬉しいです。(^^)/

    • 杜のうさこさん
      センパ~イ、こんばんは!
      お返事遅くなってしまって、申し訳ありません。
      例によって、PC放置状態で昨晩お知らせメールに気づきました。
      ...
      センパ~イ、こんばんは!
      お返事遅くなってしまって、申し訳ありません。
      例によって、PC放置状態で昨晩お知らせメールに気づきました。
      >うさこさん、体調悪くて大変だったのですね。気付かずに申し訳ない。
      そんな時期に私は浮かれて、サグラダ・ファミリアが見たい!!と思いたちスペイン旅行など行ってきました。<(_ _)>
      そんなそんな~、お気遣いさせてしまいこちらこそ申し訳ありません。<(_ _)>
      最近センパイからの業務連絡がなくて寂しく思ってました。
      ご連絡下さってありがとうございます!
      旅行のことは、YouTubeで読んで知っていたので、いつ読めるかな~と楽しみに待ってました!
      もうね、センパイの旅にお約束のハプニングがないはずはない(笑)
      ラグビーの遠征より前に、それが読めるなんて!!わくわくですよ。

      お約束の猛ダッシュも、念には念を入れ、用意周到準備したはずのことが裏目にでてしまうことも。うふふ。
      >全くひどいやつだ。ホスピタリティという概念はこいつにはないのか!!
      >スペイン人、もう少し英語覚えろよ!! 
      あ~もうセンパイ可笑しすぎます!

      >※この一文で私の大きなミスに気付いたあなたは偉い!! 
      もしかしてそれって…と、私も気づきました。
      でも、どんな状況でも決してあきらめないセンパイのタフさを、心から尊敬して止みません。(本心です。)
      楽しいお知らせをありがとうございました!
      このところ、色々あって、凹みまくってましたが、久しぶりに笑わせて頂きました。
      免疫力上がるかな?
      ドブに捨てた超一等豪華ディナー残念でしたね。メニューがやけに気になります。(傷口にシオを塗る悪魔の後輩です。笑)
      さてさて、この続きはいかに…

      最近全く本が読めてません。
      読みためた分の感想を書かなくてはと思ってるんですが…。
      それと、いつもYouTubeで癒されております。
      猫バンバンのアイコンが私です。
      ではでは、
      (その2)楽しみに待ってま~す!
      2019/06/01
  • 新書文庫

  • 年末の図書館で手に取った一冊。
    とてもおもしろく、あっという間に読み終わったが、テーマがない。
    作者の後書きにも、すべて深い意味は無い、ということが書かれておりちょっとがっかりした。

  • 終わり方が…
    不完全燃焼感満載。

  • タイトルのガウディの・・・と、イラストに惹かれたこの本。
    中盤から、とんでもない世界に引きずり込まれていく、なんとも不思議な話。


    今この世に存在しているということ。
    どんな事態に巻き込まれようと、それは確かで、人はその間に何かをしたいと思っている。
    いつか終わってしまう人生だから。


    建築も同様。
    未完成のサグラダ・ファミリア。
    ガウディは、未完成にすることで、もしかしたら「永遠」を手に入れたかったのかもしれないなぁ。
    な~んて。


    この本は、1987年に初版が出ている。
    インターネットも普及していない時代に書かれたことが驚きだ。

  • 100205(c 100215)
    100403(s 100414)

  • 家の本棚にずっとあったけれど読んでいなかった。
    広告マンが主人公。
    彼をとりまく得意先の企業や、芸能プロダクションの社長、そのタレント、大物女優。
    みんながある人物を通じて繋がっている。それは逃れることのできない網に入っている様。
    情報をたくさん持つ者ほど強い権力が持てるのか?
    ダークな情報がダークな情報を増やしていく・・・そしてそれを握っている者が好き放題できる世の中なのだろうか?

    ガウディに噛まれた人がキーワード

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著者プロフィール

五木寛之(いつき ひろゆき)
1932年福岡県に生まれる。生後間もなく朝鮮半島にわたり、1947年引揚げ。
代表作に『蒼ざめた馬を見よ』『大河の一滴』、近著に『歎異抄手帳』『捨てない生き方』などがある。

「2022年 『五木寛之セレクション 第Ⅰ巻 【国際ミステリー集】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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