- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041294215
作品紹介・あらすじ
淋しい冬の海。隠岐の民宿で働く牟田口アカネは、自分の醜い容貌に絶望し生きていた。彼女が待ってしたものは、まさに。そんな彼女を絶世の美女に変えようという、神への反抗ともいうべき試みを企てる男が現れる。草影真人-。彼と摩天崖の絶壁に立ったとき、アカネの命は奇妙な軋みを立て震えた。美醜の対立がもたらした鮮烈な愛と冒険の新ホラー・ロマン。
感想・レビュー・書評
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06.12.30
むかしテレビでやってた。あの人の妹さんに勧めたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
深く考えさせられた。
また時間を置いて読み直したい。
人は容姿より内面が大切。 -
夫が図書館で借りたので私も読んでみました。
醜い容姿に絶望していた女性が過去を捨て、整形して美女に生まれ変わるお話です。
人は皆平等というのは幻想で、実際の社会では美醜による差別が存在しているということを明示し、その前提の上で主人公が差別される側からする側に変わり、優しさとは優越感の上で成り立つ感情なのか、様々な種類の差別は立場や時代や場所や状況によって変化するが、不変の平等はあるのか、などを考えさせられる少し哲学的なお話に感じました。
確かにね、ブスは心がキレイ、というのは幻想ですから。 -
知性にあふれた、良質な作品。お腹いっぱいです。
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すごく魅力的なお話でした。
どんな展開になるのか予測出来ず、モスクワに行った辺りから一気に読み進めました。
見た目よりも中身。
平凡な容姿の者はそう思いたいし、そうなりたいと思ってしまうけど、そういう次元ではないところに視点を持って行けたような。
色々な基準による差別はどんな場合でも発生する。
その基準は確実なラインがあるわけでは無く、場所や状況によって変動する。
だったら細かい事で一喜一憂するよりも、今の自分を受け入れて、自由な思考を持つ方が素敵な存在になれるんじゃないかな、と思いました。
主人公がストックホルムから各国を回って、素敵旅行を散々している合間にふと「中学生だった頃の私」ってセリフが出て来てものすごいその単語だけが浮いて見えた。
中学生なんて当たり前に経験もしてくるし、知ってるものだけど、インドやヨーロッパではそんな単語で共通認識は得られないんだなぁ〜と強烈に感じた。
卑屈な考え方をしてしまう時が来たらまた読み返したいと思いました。 -
醜い外見のために諦観の中で生きてきた女性が、容姿や才能に恵まれながらも生きることをやめようとしていた男性と出会い、お互いが変わっていく。
恋愛ものか、あしながおじさんものか、と思いきや、物語はとても無機質に、淡々と進んで行く。
誰もが惹きつけられるような容姿を手に入れても驕らない彼女の聡明さと、そんな彼女に執着した醜い男の顛末が、なにやらとても悲しく、温かかった。 -
五木 寛之さんの作品はこれしか読んだ事が無いけれど、面白かったです。生きるヒント、大河の一滴など有名ですが、私はコレしか読みたいと思ったモノは無いですね。
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ふかい。
シンプルなお話なんだけど、考えさせられる。
哲学的!
この本は買う。
著者プロフィール
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