- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041303252
作品紹介・あらすじ
絶世の美女に成長したかぐや姫。彼女を射止めたい5人のやんごとない男たちは、与えられた難題をクリアしようと奮闘するが、姫は姿も見せず、月の彼方へと帰ってしまう-。日本最古のみごとな求愛ドラマを、星新一がいきいきと楽しく現代語訳。モテたい男と謎の美女の恋のかけ引き、月世界への夢と憧れ、人類不滅のテーマをSF界の名手が現代に蘇らせた新しい名作。
感想・レビュー・書評
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かぐや姫「どうして結婚が絶対なの?」
おじいさん「…(え?考えたことなかった)…」
的な会話を繰り広げちゃう、SF作家でショートショートの神様たる星新一さんの手になる斬新な竹取物語。
星版のかぐや姫は。
五人の求愛者どころか、育ててくれたおじいさんとおばあさんに対してさえ、少しクール…というか、「地球人の価値観よくわからないんだけど…」なところがあり。
平安古典の認識に惑わされていたけど。
考えてみれば、かぐや姫って月から来た、いわば宇宙人だから、実はものすごいSFファンタジーの主役。
この着眼点は、さすが星さん。
章の合間合間に星さんのちょっと皮肉で冷めた感じのする見解が織り込まれており、純粋な現代語訳というよりは、星流解説書といった仕上がり。
なかでも興味深かったのは、星さんが竹取物語の構成力や展開力にたびたび言及していた点。
この視点は、希代のストーリーテラーだった星さんらしいと言えるかもしれません。
訳文としてそのまま受け取ることはできませんが、巻末に原文が丸々掲載されているので、読み比べるのも楽しかったです。
そういえば、森見登美彦さんも竹取物語を訳してらしたけど、当然ながら、全く違う趣きです。
星訳と森見訳をじっくり読み比べるのも面白いかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大体の中学1年生は国語の授業で竹取物語を学ぶ。
子どもたちに教えるためにも、あらすじだけでなく現代語訳も読んでおくべきかなと思って取った1冊。
ところどころ訳者の茶々(?)が入っているが、逆にそれが良いスパイスとなって堅苦しく感じさせない作品だと思った。
もちろん誰でも楽しく竹取物語を知ることができるが、その中でも竹取物語を学ぶ直前もしくは学んでいる生徒児童諸君にぜひ読んでいただきたい作品。 -
さすが星新一という感じで、とても分かりやすくかかれているし、ところどころ出てくる星新一の冷静なツッコミや解説が面白い。
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竹取物語を星新一さんなりに現代役してある。
堅苦しくなくとても楽しく読める文章であった。
最後に竹取物語の原文が載っている。
今は昔、竹取の翁といふもの有りけり。
お爺さんとお婆さんと同じくらいミカドが重要な登場人物だった。 -
読みやすい現代語に訳した竹取物語。サクッと読める。星さんの解説がちょこちょこ入るのも面白いし、巻末に脚注付きの原文が載っているのも良い。「これは原文だとここだな」とだいたい分かる。
かぐや姫の話は、お伽話というよりはSFなんだな~と改めて思った。原文の「飛ぶ車」って、今でいうUFOだよな。1000年以上前にこの話を考えるってすごい。
あと、かぐや姫とミカドの交流がけっこうロマンチックだったのが意外だった。最後の和歌のやり取りが良い。 -
所々に入っている星さんのコメントがおもしろく、テンポ良く読めた。
言われてみれば、よく考えられた構成だと気付かされる。
これが日本最古の物語だとは驚きだ。
森見さんの竹取物語も読んでみたいと思った。 -
ある漫画で竹取物語の話題が出て、そういえばぜんぶ読んだことはないかもということで手を出してみた。都市伝説かと思っていたかぐや姫は悪い事をして人間界に来た説があっさり肯定されてて驚愕。かぐや姫は何をしでかしたんだ…。他の竹取物語の考察が書かれている本も読みたくなった。星さんの、物語は竹のようなものかという小話が好きだった。
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星新一先生が好きだったことと、竹取物語を通して読んだことがないなあと思ったことが重なり、手に取りました。
ところどころ星先生のコメントなども混ざっていて現代風な点が読みやすいと思います。
古風な、竹取物語そのものの空気感を味わいたいという方には向かないかもしれません。
竹取物語のストーリーを知りたい、簡単に読みたいという方にはおすすめです。
後半に原文が載っているのもよかったです。 -
内容紹介
絶世の美女に成長したかぐや姫と、五人のやんごとない男たち。日本最古のみごとな求愛ドラマをSF界の名手がいきいきと現代語訳。男女の恋の駆け引き、月世界への夢と憧れなど、人類普遍のテーマが現代によみがえる。
内容(「BOOK」データベースより)
絶世の美女に成長したかぐや姫。彼女を射止めたい5人のやんごとない男たちは、与えられた難題をクリアしようと奮闘するが、姫は姿も見せず、月の彼方へと帰ってしまう―。日本最古のみごとな求愛ドラマを、星新一がいきいきと楽しく現代語訳。モテたい男と謎の美女の恋のかけ引き、月世界への夢と憧れ、人類不滅のテーマをSF界の名手が現代に蘇らせた新しい名作。
著者について
1926年東京生まれ。東京大学農学部卒。1968年『妄想銀行』で第21回日本推理作家協会賞受賞。ショートショートの第一人者として1001以上の作品を発表した。著書に『きまぐれロボット』『ちぐはぐな部品』『宇宙の声』『声の網』他多数。1997年、永眠。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
星新一
1926年東京生まれ。東京大学農学部卒。57年日本初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参加。68年『妄想銀行』で第21回日本推理作家協会賞受賞。ショートショートの第一人者として1001以上の作品を発表した。その他、時代小説、少年小説など多方面で独創性を発揮。97年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著者プロフィール
星新一の作品






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