城のなかの人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 386
感想 : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041303269

作品紹介・あらすじ

太閤秀吉の遺言に従って、豊臣秀頼は7歳を迎えた正月早々、大坂城に移された。世間と隔絶され、美と絢爛のうちに育った秀頼にとっては、大坂城の中だけが現実であり、安らぎに満ちた世界であった。ところが、徳川との対立が激化するにつれ、秀頼は城の外にある「悪徳」というものの存在に気づく。異常な人間関係の中での苦悩と滅びの人生を描いた表題作のほか、「正雪と弟子」「はんぱもの維新」など5編の時代小説を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 星新一さんといえば、SFのイメージがありますが、本書はそんな星さんの珍しい(?)時代モノ短編集です。
    5編が収録されていますが、どの話も展開の絶妙さといいますか、持っていき方が上手くて、皮肉の効いたオチとなっております。
    第四話「すずしい夏」は、内容的に結構残酷で、正直、地獄なのですが、展開の仕方が巧みなので、こんなに酷い話をサラっと読ませてしまうというところに不思議と感心してしまった次第です。
    個人的には、表題作「城のなかの人」が好きでした。戦国最後の貴公子・豊臣秀頼の生涯が描かれているのですが、秀頼の特殊な育ち方故の繊細さが、淡々とした描写だからこそ伝わってくるものがあって、秀逸だと思いました。

  • 短編やSFで有名な著者の歴史小説。これがまた面白い。どうしてかというと、SF短編と同じく一本のテーマが軸として物語をしっかりと貫いているからだ。それゆえに横にそれず救われない物語もあるのにある意味爽快感を味わえるという一冊。また、時代の空気や人の繋げ方が見事で、こう来たのかと唸らされる。

  • 星新一が歴史ものも書いていたなんて知らなかったのでとても楽しめました。いやはや内容は残酷で悲しいのですが。秀頼が主人公の「城のなかの人」が一番好きです。とても静かな大坂の陣。ちょっとした秀頼の言葉に切なくなります。「すずしい夏」の残酷さも嫌いではないです。「はんぱもの維新」に榎本武揚が出てきてくれたのがうれしい!大坂の陣から始まり維新で終わる、歴史の虚しさを感じました。

  • ショートショート的に時代小説が書かれてあって、面白かった。
    由比正雪と紀伊国屋文左衛門をくっつけて創作しているところが、
    面白く、伏線の張り方もうなづけた。

  • 星新一の時代小説は初めて読んだのですが、ユーモアたっぷりで、面白かったです!
    「すずしい夏」が一番面白かったかな。ブラックユーモアのどんでん返しで。
    普段時代小説を読まない人でも、読みやすいと思います。

  • 静かなる大阪の陣から、はんぱものによる明治維新まで。
    すらすらと流れるように読めた。

  • 「仮に万一のことがあれば・・・燃え上がる城の炎のなかで死ぬのです」

    星新一の時代小説・ということで読んでみました。
    ちゃんと時代小説なのに星ワールドが濃くて面白かった。

    「正雪と弟子」の由井正雪像がなんか妙にかわいかった(笑)

  • 表題作「城の中の人」やけに静かな大坂の陣だった。印象深い。
    大坂の陣に始まり、維新に終わる短編集。どれも星新一らしいシニカルな結末で面白かった。

  • 表題作は秀頼の話。城の外の汚いものを見ずに育った秀頼が、結局は秀吉の歩んだ道の逆を行く人生だったんだなーと気付く辺りにぞくっとしました。
    その他全部時代・歴史もの。短編好きにはたまらなかったー

  • 星新一さんの時代小説ははじめて読みましたが、とても読みやすく面白かったです。

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著者プロフィール

1926‐1997。東京生まれ。東京大学農学部卒。1957年、日本初のSF同人誌「宇宙塵」に参加。「ショートショートの神様」といわれ、1001編を超す作品を生み出した。日本SFを代表する一人。

「2020年 『きまぐれ学問所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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