- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041303269
作品紹介・あらすじ
太閤秀吉の遺言に従って、豊臣秀頼は7歳を迎えた正月早々、大坂城に移された。世間と隔絶され、美と絢爛のうちに育った秀頼にとっては、大坂城の中だけが現実であり、安らぎに満ちた世界であった。ところが、徳川との対立が激化するにつれ、秀頼は城の外にある「悪徳」というものの存在に気づく。異常な人間関係の中での苦悩と滅びの人生を描いた表題作のほか、「正雪と弟子」「はんぱもの維新」など5編の時代小説を収録。
感想・レビュー・書評
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星新一さんといえば、SFのイメージがありますが、本書はそんな星さんの珍しい(?)時代モノ短編集です。
5編が収録されていますが、どの話も展開の絶妙さといいますか、持っていき方が上手くて、皮肉の効いたオチとなっております。
第四話「すずしい夏」は、内容的に結構残酷で、正直、地獄なのですが、展開の仕方が巧みなので、こんなに酷い話をサラっと読ませてしまうというところに不思議と感心してしまった次第です。
個人的には、表題作「城のなかの人」が好きでした。戦国最後の貴公子・豊臣秀頼の生涯が描かれているのですが、秀頼の特殊な育ち方故の繊細さが、淡々とした描写だからこそ伝わってくるものがあって、秀逸だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編やSFで有名な著者の歴史小説。これがまた面白い。どうしてかというと、SF短編と同じく一本のテーマが軸として物語をしっかりと貫いているからだ。それゆえに横にそれず救われない物語もあるのにある意味爽快感を味わえるという一冊。また、時代の空気や人の繋げ方が見事で、こう来たのかと唸らされる。
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ショートショート的に時代小説が書かれてあって、面白かった。
由比正雪と紀伊国屋文左衛門をくっつけて創作しているところが、
面白く、伏線の張り方もうなづけた。 -
星新一の時代小説は初めて読んだのですが、ユーモアたっぷりで、面白かったです!
「すずしい夏」が一番面白かったかな。ブラックユーモアのどんでん返しで。
普段時代小説を読まない人でも、読みやすいと思います。 -
静かなる大阪の陣から、はんぱものによる明治維新まで。
すらすらと流れるように読めた。 -
表題作「城の中の人」やけに静かな大坂の陣だった。印象深い。
大坂の陣に始まり、維新に終わる短編集。どれも星新一らしいシニカルな結末で面白かった。
著者プロフィール
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