八つ墓村 (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 2388
レビュー : 300
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304013

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり原作は面白い!

    映画もドラマも大好きだけど、
    本筋がその都度変わっているので、
    久しぶりにそうだった~っと、
    省かれていた重要人物やエピソードの1つ1つに
    懐かしくなったり、金田一耕助の原点に帰る
    ハラハラドキドキの楽しい陰惨の旅[笑]

    おどろおどろしい事件が進行しつつ、
    鍾乳洞の宝の地図や、
    崖一面から発せられる夜光苔の幻想的な景色、
    天真爛漫な典子ちゃんの恋にわくわく。

    八つ墓村の原作ではほとんど金田一さんの
    活躍がないところもまた面白い。
    モジャモジャ頭で風采の上がらない
    愛すべき人物・金田一さん。
    新しい物語が読めないのがすごく残念だけど
    何度も大切に読んでいこう。

  • 映画もやったが、本だけ読んだ。テレビもやったな。主人公は、金田一耕助探偵。国語辞書を著していた金田一京助から付けたらしい。頭ぼさぼさの不潔系であるが、頭脳明晰。次々と難解な事件を解決する。過去の一族の血筋とかの恨みなど、結構、暗いのが多いこのシリーズ。金田一探偵のおとぼけさに救われる。

  • 祟りじゃ!八つ墓村の祟りじゃ~!ドリフしか知りませんでした(恥)。この夏、洞窟小説にはまり、有名すぎるコレを。池か沼に逆さに刺さって死んでるシーンが衝撃だった『犬神家の一族』は、映画で観ました。小説では初・横溝作品。リーダビリティありすぎて、うっかり仕事に遅れそうに。金田一氏は出てこなくても良かったんじゃないかなー(笑)。長持ちから繋がる抜け孔、さらに続く鍾乳洞…。読んでいるだけでイメージが拡がりました。実際の津山事件が題材になっているとは驚き。夏読了、ギリギリセーフ♪映画も観てみたいです。

  • 急にふと読みたくなった横溝正史。
    我が家には横溝正史とアガサ・クリスティは、全部ではないが一部二冊づつある。
    一冊は学生時代に買ったものが実家に、一冊は働きだしてから買ったもの。
    結婚して実家からも運んできたので二冊づつになった。
    こういうところが無頓着なのか、実家にあるから持ってきて読もうと思わず、読みたくなると都度買ってしまう。どうせ買うなら読んでいない横溝正史にすればいいのに、そういうときは記憶に残るオドロオドロシイ場面が読みたくて仕方ない。
    他は几帳面なのに、こういうところは持ってるのに気にせず買っちゃうんだね、本が好きなひとってみんなそうなの?と夫にも訊かれたけれど、多分みんなこんな勿体無いことしないんじゃないと答えた。
    きっとこれはもう癖みたいなもので、もし何か長期間家を離れることがあってまたふと思ったら本屋さんで同じ本を買うのだろう。バカですよね。

    有名すぎる本作は、実際に起きた悲惨な惨殺事件である『津山三十人殺し』をベースにしている。事実は小説より奇なり、きっと横溝正史はそう思ったのじゃないかなと想像したりする。
    映画化やドラマ化も多くされているし、有名なセリフ、「八つ墓村の祟りじゃ〜」だったり、あんな格好のひとが深夜に走り回っているのを見たらそれだけで心臓が止まりかねない奇怪な殺人鬼だったりで、物語自体をきちんと知らなくても、ああ、あれでしょと誰もが知っているだろう作品。

    こちらも金田一耕助シリーズではあるが、読むと金田一耕助って出てた?くらいに存在感がない。主人公は田治見辰弥。この作品は彼の回想のような形で語られるため、金田一耕助の存在が薄いのも仕方ない。
    わたしが観た映画では金田一耕助役は渥美清さんが演じておられ、渥美清さんには申し訳ないけれど、どうしてもフウテンの寅さんにしか見えない。渥美清さんが出てくるたびに、オドロオドロシイ感じから笑いとペーソス溢れる感じになってしまう。ちょっと残念だった。
    わたしは金田一耕助役といったら古谷一行さんがいいかな。石坂浩二さんだと知的で品がありすぎて原作のややオドオドした感じや身なりに構わない感じが足りない。やはり古谷一行さんに豪快に頭をボリボリかいてフケを撒き散らしてもらうのが一番いい。もう少し吃音気味だと更にいいけれど。

    こちらと「犬神家の一族」は数ある横溝正史作品の中でも特に映像化されて生きた作品と言えるのではないだろうか。
    読み返してみると落武者を村人が惨殺する場面も、田治見要蔵の村人惨殺場面もそれ程の衝撃はない。むしろ史実のひとつといった感じで淡々と描かれている。
    これは子供が観ちゃ駄目じゃないか、今だったら間違いなくR-18指定されていそう。そんな作品を昔はお茶の間で気軽に観られたのだから、現代よりも随分ピリピリしていなかったなと思う。

    戦後の混乱した時代、閉鎖された村にありがちな排他的な思想、絶対的な財力を持つ者と持たないものとの差、虐げられるままでしかいられない女性、ひとの心に残る怨みや妬み、いかにもな横溝正史の世界観が味わえる一冊。
    そして読み終えるとやはり映像としても楽しみたくなる。確か最後に崖の上で尼子義久ら八名の落武者が血塗れの顔で笑っている姿が映るところが、とても恐ろしかったと記憶している。
    この記憶を確認するためにビデオレンタル屋さんへ駆け込め。

  • 横溝正史の多分代表作だと思います。
    津山の大量殺人事件をモチーフにしているとは事前知識で知っていましたが、その大量殺人が背景であり、どちらかというとアガサクリスティーのABC殺人事件のように、関係ない人を殺すことによって犯人の動機を隠すのが主眼の物語でした。

    また、横溝正史が得意な、地方の因習にとらわれた集落を背景に物語が展開して、そこはかとない恐怖感を煽るのもさすがだと感じました。

    登場人物は多いのですが、かなり殺されますし、大体が対になっているので多すぎてわからなくなることはありません。

    ちなみに、本作は金田一耕助が解決するものの、彼はあまり全面に出ません。どちらかというと、主人公の冒険奇談をもとに進んでいくのも特徴です。

    最後に、読む前はとにかくおどろおどろしい話しだろうと認識していましたが、エンディングはあり得ないくらいのハッピーエンドだったのが意外でした。

  • 本作のモデルとなった津山三十人殺し事件に興味があり購入。横溝正史の作品は初めてだったが、語りのテンポの良さでグイグイと読ませる。そういう意味では楽しかった。しかし、もっとおどろおどろしいホラーなものを想像していた。1番怖かったのは八つ墓村という村名の由来になった、村人による落武者惨殺事件と庄左衛門&要蔵の発狂(序章)である。本章はといえば「名推理によって解決される」事のために展開されるかのような筋運びが、なんだか御都合主義的に感じてしまいイマイチ乗り切れなかった。これがミステリーの最高峰に位置するものなのだとするならば、作品のせいというより自分とミステリー全般との相性の問題なのかもしれない(
    早合点かな?)

  • 久々の横溝作品。(2015年に「獄門島」を読んで以来)

    本作は、映画(ショーケンが出ている方)は見た事あるのですが、原作は未読でした。
    もう辰弥の受難っぷりが、お気の毒としかいいようがない・・。それだけに、典ちゃんや、春代姉さんの存在に癒されました。
    ラストの真相説明部分は少々雑な気がしましたが、幸せな感じで終わったので、良かったです。
    やっぱり、金田一シリーズは面白いですね。まだ読んでいない作品がいくつもあるので、今年中に“ファイルシリーズ”を制覇しようと目論んでいます。

  • 暗いところジメっとしたところが苦手な私にはとても恐ろしいお話でした。怖いもの見たさもあって、怖いと思っても読むのを止められず。そして、女性たちがそれぞれに魅力的で引き付けられました。

  • 日本の犯罪史史上、最多の犠牲者を出した戦前の連続殺人事件・津山事件。
    同事件を題材に取った作品と言えば、まず島田荘司先生の龍臥亭事件が記憶に新しいんですが、高校生の頃に読んだ本作もインスパイアされていたとは知らなんだ…。

    当時は完全に、横溝先生の作り話怖すぎィ!何その殺人犯の奇天烈な格好!盛りすぎやろ!!っていうスタンスで読んでました、多分。

    さて、本作。
    八つ墓村です。

    犬神家や獄門島等に比べれば、キャラがちょっと、いえ大分物足りない感は拭えません。
    薄いキャラ陣の中、ちんまい双子のおばあちゃんが頑張ってはいますが、座布団の上でフガフガしてるちんまいおばあちゃんズなんて、横溝作品の中では珍しくも何ともありません。
    冒頭で出てくる、20年以上前の大量殺人鬼の風体が、キャラ的にはクライマックスです←

    本作の語り手であり、恐るべき連続殺人の中心人物ともなる主人公・辰也が、物語の舞台となる八つ墓村を訪れる前から、事件は発生します。

    そして、村人達から白い目で見られながらも入村を果たし、病弱な兄姉と感動(?)の対面を果たしたその席でも発生する殺人事件!

    彼が運んだ膳に手を付けた坊さんが死亡!

    彼が会いに行った女性も死亡!

    某コナンくん並みに、行く先々で死体を量産する主人公!!

    国家権力を味方に付けたコナンくんはもちろん容疑者圏外が当たり前ですが、本作のタツヤくんは、村人からも警察からも怪しまれまくりです!!(当然)

    事態は、犯人の捜索、地下迷宮の探索、村人達からの逃走を経て、いつにも増して部外者感の強い金田一探偵の推理披露で大団円へと至るんですが。

    推理小説スキー視点から言わせて頂くと、この殺害方法はやっぱり容疑者を狭めちゃうから乱発は好きじゃないなあとかは置いといて。

    【想定外の被害者と、その被害者を生むキッカケになったある証拠物にまつわる推理】

    これがお見事でした。
    ここの部分を読むまで、本作は、

    「幾多の困難に立ち向かいながら、村に伝わってきた宝物を探し抜き、愛を勝ち取り、果たして運命に打ち勝った男の物語」

    に過ぎませんでした。
    (それだけでも十分面白いんだけど)

    ところが、この【ある証拠物】にまつわる推理を金田一探偵が披露した時に、「やられた!」って思ったんですよね〜。

    その証拠物が、何故、いつ、どうやって警察の手に渡ることになったのか。

    その真相が明らかになった時、真犯人を正面から指摘する材料を私(=読者)は与えられていたのだと、嬉しく歯嚙みいたしました*\(^o^)/*

    金田一探偵の推理の後出しジャンケン感は拭えませんが、この一点はすごく印象に残りましたねー(^^)

  • 金田一さんが驚くほど何もしない。次から次へひとが死に、なんで?どうして?ワクワク!とページを繰っていたら終わってしまい、動機についての考察(京極堂)を思い出したり。

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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