悪魔の手毬唄 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304020

感想・レビュー・書評

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  • 金田一耕助シリーズの長編ですが、複雑すぎる多くの登場人物と人間関係に頭が混乱しましたが、なんとか終盤になるにつれて整理されてきました。
    そして、その複雑怪奇な人間関係が整理されるにつれて事件の全貌がみえてくる、なかなか面白いミステリー作品でした。それにしても里子という登場人物がせつないです。
    また、磯川警部の恋まで見破るとは金田一耕助恐るべしですね。

  • 題名に反して、おどろおどろしいというのではなく「訳がわからない」事件にどんどんと引き込まれる。「これはアレかな?」と思わせるトリックに見事に引っかかった。妙に映像的というか、光景を目に浮かばせる描写。

  • トリックよりも人間関係が秀逸なのが横溝正史だと思います。これもその一つ。恨みつらみとか、悲しみや怒り、それに家族への愛など人が捨てきれない業が描かれています。手毬唄も不気味です。それにしても日本の童謡ってちょっと怖いの多いですよね?

  • 何たる面白さか。いつ以来か分からない2度目でも全く印象は変わらない。面白過ぎる。

  • 昭和世代の人はよくご存知でしょうが、角川映画ブームというのがあって、それは今に続くミステリーブームでもありました。
    角川映画の第一弾は「犬神家の一族」で、それで横溝正史ブームが本格的になり、横溝正史の金田一耕助という探偵ものが続けて映画化されます。
    その角川映画金田一耕助シリーズの第二弾が「悪魔の手毬唄」でした。
    岡山県と山奥、兵庫県との県境にある「鬼首村(おにこべむら)」で起きる手毬唄の歌詞をなぞった連続殺人事件、およびその二十年前に起きた迷宮入りした殺人事件の謎を追う話です。

    この映画ブームが起きたとき、僕は中学生、当時からミステリーは読み耽っていたので小説は読んでいました。
    しかし、大学時代に角川映画の「悪魔の手毬唄」を観て、その映画としての完成度と魅力にも驚かされ、それ以来、横溝正史作の中で僕は「悪魔の手毬唄」がベスト1になっています。

    実は最近この40年前の映画の資料集が発売されて、思わず購入。
    横溝正史ブームの時のちょっと怪奇趣味的な表紙絵から、毛筆て「毬」と書かれたあっさりした表紙に変わった新装の文庫本も買い直して再読しました。

    今読み返すと、意外と最初の殺陣が起きるまでが長い!でも、童謡殺人という仕掛け、犯人を推理させる伏線の引き方、など完成度の高い作品です。

  • 辺境の山村で起こる連続殺人事件。行方不明になった旧家の隠居、そして若い娘が一人二人と手毬唄の見立てのごとくに殺されていく。犯人の動機は一体何なのか?目的は?そして十数年前の殺人事件の真相とは? 見立ての手毬唄にすっかり持ってかれて、犯人もトリックも全然わからんかった。日本の推理小説は、犯人の動機が難しく推理しにくい!という言い訳。

  • まさに横溝ワールドといった作品。
    手毬唄の歌詞になぞらえて形作られた見立て殺人。
    犠牲者たちは次々と奇妙に飾り立てられていく。
    そして登場する、誰ひとり正体を知る者もいない庄屋の妻だったという老婆。
    さりげなく張りめぐらされた伏線の数々。
    最大の謎は20年前に起きた殺人事件にある。
    すべての発端はここにあり、金田一がその謎に迫っていく。
    手毬唄の歌詞を知らなければ「見立て殺人」だとは誰も気づかない。
    そして、村人のほとんどがすでに手毬唄の歌詞を知らない。
    何故そんな中、あえて「見立て殺人」にこだわったのか。
    古き時代の因習や閉鎖的な空気感が物語を覆っている。
    謎解きそのものはそれほど驚かなかったけれど、そこに至るまでの複雑な人間関係に少々疲れすぎて・・・。同年代の娘たちの違った個性が面白かった。
    それぞれの人間性が細かな描写でわかりやすく伝わってきた。
    真犯人の身勝手な動機がどうにも納得がいかない。
    もっと違った手段がいくらでもあっただろうに・・・と思うのは、現代感覚に染まった考えなのだろうか。

  • 金田一耕助ファイル#12

    ドラマで内容は知っているにも関わらず、登場人物が多いので中々混乱しました(正直、登場人物一覧が欲しかった)。
    金田一耕助の推理にも少し疑問が残ったので、また再読するつもり。

  •  昭和30年、岡山県の鬼首(おにこべ)村で起きる若き女性の連続殺人。それは23年前、同じ村で起きた男性殺人事件と詐欺事件に大きく関わっていた。
     時代を超えた2つの事件を結ぶ糸は、言葉巧みな色男、下半身ジャジャ漏れ男に翻弄された女の業か?。

     金田一の目線=謎解き目線ではなく、本作の犯人、あるいは犯人の子供達の目線で物語を見る方が、心に迫るものがあるのでは…。そう感じる推理小説である。

     一方、戦前農村地域での身分差、男女差。差別の一部に反旗を翻しつつ、その差別の在り様に上手くタダ乗りした恩○○○の所業。この実感に迫る叙述は見事だ。

  • 昭和30年7月

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プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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