- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041304020
作品紹介・あらすじ
岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。この地に昔から伝わる手毬唄が、次々と奇怪な事件を引き起こす。数え唄の歌詞通りに人が死ぬのだ! 現場に残される不思議な暗号の意味は?
感想・レビュー・書評
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というわけで金田一さんの冒険譚をゆるりと読み返しております
『悪魔の手毬唄』ですわ
最初に今作を読み終えたとき西の空に向かってこころの中で雄叫びをあげたのを思い起こしました
「見たか!グレートブリテン!日本には手毬唄があるんじゃい!マザーグースなんぼのもんじゃい!」と
なんか歪んでますね(苦笑)
というわけで本作は岡山県の山奥の村に伝わる『鬼首村手毬唄』になぞらえた見立て殺人なわけです
(見立て殺人(みたてさつじん)とはあるものに見立てて事件が装飾された殺人のこと)
見立て殺人というのは横溝正史の得意とするところで、作中でも語られている通り『獄門島』なんかも同じなんですね
で、今回再読してあらためて感じたのは
『悪魔の手毬唄』は『獄門島』の10年くらい後の作品なんですが、『悪魔の手毬唄』はより読者への挑戦の色合いが濃い作品だなぁと
「推理」というものを楽しみたい読み手にとってはほんとに必須課題図書です
時系列を整理しながら、人物相関図を書きながら読み進めれば必ず犯人に行きつくこと請け合いです
驚くべき犯人にも関わらず、誰もがそこに行きつく道筋が示されている
「推理」小説のお手本とも言える傑作です
「推理」小説好きを標榜する諸氏には今からでも遅くない!是非読んで欲しいぞよ!詳細をみるコメント16件をすべて表示-
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安定の金田一耕助シリーズ。
ミステリー小説の基本ですね^ ^
面白かったです。
鬼首村(おにこべむら)の『亀の湯』で休息する事になった金田一耕助。
磯川警部は、ここで起きた20年前の事件の解決をさりげなく促す。
そして、殺人事件に遭遇する。
死体には『手毬唄』の歌詞に沿った装飾が施されていた。
真相を探る金田一。
20年前の事件との関連は…。
この話の魅力は、なんと言っても「異様な死体」です。
手毬唄の歌詞に沿った意味ありげな証拠品の数々。
いかにも「犯人はこの人ですよ」と言わんばかりのヒントであり、金田一は裏をかく推理で真相を暴きます。
もうひとつあるのですが、ネタバレになってしまう可能性があるので…( -᷄ ᴗ -᷅ )
横溝正史作品はまだ2作しか読んでいませんが、感じたのはやはり、登場人物が多い。
前半はメモが手放せません。
私だけ…?(´・_・`)
鬼首村には昔から苗字ではなく、屋号で呼び合う風習があり、そこもまた引っかけの一部かなと。
桝屋、秤屋、庄屋など、手毬唄殺人に沿っていくには必要な設定ではあるものの、演出として重要な意味をもち、私の大好物でもあります。
人物メモをクリアすると、非常に読みやすいです。
文章が分かりやすい。
そしてこれまた、意外な犯人!
毎度の低次元推理力を装備する私には、犯人当たりませんでした笑
伏線はすべて回収され、納得の結末。
田舎の村独特の雰囲気も、閉鎖的な村あるあるの展開も、とても興味深い。
映画も観てみたいと思います。
あのシーンを、昔TVの予告でチラッと観たような…( ≖ᴗ≖)
皆さん、どのシーンだかお分かりかな。 -
四方を山に囲まれた鬼首村。静養のためにこの地を訪れた金田一耕助だったが、村に古くから伝わる手毬唄の歌詞通りに巻き起こる連続殺人事件に遭遇する。その真相は23年前の迷宮入り事件の謎へと続いていた!
ミステリの中で人情を紐解き、風俗を映す横溝正史の筆致。読めば読むほど迷い込む村の温かさと閉塞感のコントラストが美しい。23年前の殺人と、現在の見立て殺人という二つの謎を追う面白さ。何よりもラストの長台詞がいい。明かりが消えていく村の中を、ここまで読んできてよかったと心から思えた。
ぼくが読んだ金田一耕助シリーズ7作の中でも、特に登場人物が多くて覚えるのが大変だった。自分で登場人物リストと家系図を作っても、これは〇〇家の人だよね?と何回も確認することに。さすがにこれだけ読んでくると、この人物はきっとここと繋がってるんだろうなあって勘は当たってくるね。そういう意味では予想を裏切らず、それでいてしっかり面白いというところがすごい。
里子と千恵子が好き。犯人を巡る問題はまさに村と人の闇の部分を感じたけど、苦境に立たされても持つ覚悟によってあの二人のように強く輝けるんだなとも思えた。ただ、それがゆえにやり切れない物語でもある。生まれは選べない。でも、生き方は選べる。強く生きていきたいと思わせてくれる作品だった。 -
23年前の昭和7年の未解決事件の話を磯川警部から聞いていた矢先に起こる殺人事件。そして誰もいなくなったのマザーグースの時も子供にきかせるには不気味な内容と思ったが、この手毬唄もなかなかのもの。
最後の最後まで面白かった。金田一耕助シリーズやっぱり好き。 -
金田一耕助シリーズ中期の代表作。
推理物としてはとても面白いんだけど、なにぶん登場人物が多すぎて、誰だ誰だかわからないまま読み進めることになるため、なかなか没入感が得にくい。
4つほど家があってそれぞれ夫婦、子供、孫がいるだけでもわかりにくいのに、養子縁組などで関係が変わったり、あだ名があったり。
できれば犬神家のように登場人物の相関図みたいなものがあれば、読みやすかったと思う。 -
金田一シリーズ中、最も怪奇色が強く峠で山頂で老婆と会うシ~ンはヒタヒタと背中まで恐怖がはしること間違いなし!
犯行動機のやるせなさ…ぜひ読んで!
手毬唄口ずさんでしまいます〜 -
横溝正史はまだ読んだことなくて、何なら探偵小説もミステリもほとんど読まんのやけど、何となくエンタメ読みたい気分やったし、横溝正史は読んどきたかったし、岡山やし、…と思ってカドフェスで買ったけど、めっっちゃ面白かったーーー!
単なる探偵小説ならそこまでときめいてないよ、ホラーっぽい不気味な雰囲気があったのがほんとによかった。横溝正史はどれもこんな雰囲気?最低岡山のやつはぜんぶよんどこー!とおもた。
しかし、事件が解決してしまうとこのホラーな雰囲気が一気に俗っぽくなるなあ。仕方ないかあ。ふしぎが解決するけん探偵小説なんやもんなあ。 -
映画やテレビドラマを見る前に、原作を読んで全部の内容を知って、見比べようと思って読んだ。
思うに登場人物が多く複雑な人間関係も手伝ってか、映画やドラマでは内容の一部を変更したり省略せざるを得ない作品なのだろう。
文章と映像、わかりづらい点が相互に補完され、楽しみかたの幅が広がって良かった。
他の作品も読んでみようと思う。