悪魔の手毬唄 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.76
  • (134)
  • (196)
  • (251)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 1686
レビュー : 136
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304020

作品紹介・あらすじ

岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。この地に昔から伝わる手毬唄が、次々と奇怪な事件を引き起こす。数え唄の歌詞通りに人が死ぬのだ! 現場に残される不思議な暗号の意味は?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 四方を山に囲まれた鬼首村。静養のためにこの地を訪れた金田一耕助だったが、村に古くから伝わる手毬唄の歌詞通りに巻き起こる連続殺人事件に遭遇する。その真相は23年前の迷宮入り事件の謎へと続いていた!

    ミステリの中で人情を紐解き、風俗を映す横溝正史の筆致。読めば読むほど迷い込む村の温かさと閉塞感のコントラストが美しい。23年前の殺人と、現在の見立て殺人という二つの謎を追う面白さ。何よりもラストの長台詞がいい。明かりが消えていく村の中を、ここまで読んできてよかったと心から思えた。

    ぼくが読んだ金田一耕助シリーズ7作の中でも、特に登場人物が多くて覚えるのが大変だった。自分で登場人物リストと家系図を作っても、これは〇〇家の人だよね?と何回も確認することに。さすがにこれだけ読んでくると、この人物はきっとここと繋がってるんだろうなあって勘は当たってくるね。そういう意味では予想を裏切らず、それでいてしっかり面白いというところがすごい。

    里子と千恵子が好き。犯人を巡る問題はまさに村と人の闇の部分を感じたけど、苦境に立たされても持つ覚悟によってあの二人のように強く輝けるんだなとも思えた。ただ、それがゆえにやり切れない物語でもある。生まれは選べない。でも、生き方は選べる。強く生きていきたいと思わせてくれる作品だった。

  • これは、最高でした。
    横溝のエッセンスが詰まった舞台設定はエンタメとして読み進める手を止めることは出来なかったし、主となるトリックの斬新さも好きです、かつ巧みに伏線いれてて。
    読み終わってもなお興奮が収まりません笑
    誰かと語りたい作品です。

  • 23年前の昭和7年の未解決事件の話を磯川警部から聞いていた矢先に起こる殺人事件。そして誰もいなくなったのマザーグースの時も子供にきかせるには不気味な内容と思ったが、この手毬唄もなかなかのもの。
    最後の最後まで面白かった。金田一耕助シリーズやっぱり好き。

  • 映画やテレビドラマを見る前に、原作を読んで全部の内容を知って、見比べようと思って読んだ。
    思うに登場人物が多く複雑な人間関係も手伝ってか、映画やドラマでは内容の一部を変更したり省略せざるを得ない作品なのだろう。
    文章と映像、わかりづらい点が相互に補完され、楽しみかたの幅が広がって良かった。
    他の作品も読んでみようと思う。

  • 横溝正史はまだ読んだことなくて、何なら探偵小説もミステリもほとんど読まんのやけど、何となくエンタメ読みたい気分やったし、横溝正史は読んどきたかったし、岡山やし、…と思ってカドフェスで買ったけど、めっっちゃ面白かったーーー!
    単なる探偵小説ならそこまでときめいてないよ、ホラーっぽい不気味な雰囲気があったのがほんとによかった。横溝正史はどれもこんな雰囲気?最低岡山のやつはぜんぶよんどこー!とおもた。

    しかし、事件が解決してしまうとこのホラーな雰囲気が一気に俗っぽくなるなあ。仕方ないかあ。ふしぎが解決するけん探偵小説なんやもんなあ。

  • 昭和30年、岡山県の山奥にある鬼首村で起こった若い女性ばかりの連続殺人事件には、昭和7年に同地で起きた未解決の殺人事件が関係していた。金田一耕助は、村の古い手毬歌と殺人現場の状況が一致していることに気づく。
    村で勢力を二分する名家の対立、落ちぶれた庄屋、身分差別、人気の若者を巡る花嫁争いなどが、複雑に絡んで物語が進む。
    仕掛けといい、意外な犯人といい、見事に騙される。最後に金田一耕助が謎解きをするが、結局一人も助けられなかったことになる。途中で謎解きをしてしまったら、物語が完結しないわけだから、こればっかりは致し方ない。

  • 金田一耕助シリーズの長編ですが、複雑すぎる多くの登場人物と人間関係に頭が混乱しましたが、なんとか終盤になるにつれて整理されてきました。
    そして、その複雑怪奇な人間関係が整理されるにつれて事件の全貌がみえてくる、なかなか面白いミステリー作品でした。それにしても里子という登場人物がせつないです。
    また、磯川警部の恋まで見破るとは金田一耕助恐るべしですね。

  • 題名に反して、おどろおどろしいというのではなく「訳がわからない」事件にどんどんと引き込まれる。「これはアレかな?」と思わせるトリックに見事に引っかかった。妙に映像的というか、光景を目に浮かばせる描写。

  • トリックよりも人間関係が秀逸なのが横溝正史だと思います。これもその一つ。恨みつらみとか、悲しみや怒り、それに家族への愛など人が捨てきれない業が描かれています。手毬唄も不気味です。それにしても日本の童謡ってちょっと怖いの多いですよね?

  • 何気なく本屋さんで手に取り、初めて読む金田一耕助ファイル。
    面白かった〜。

    犯人が誰かわからない不気味さ、夜に一人で読めない。

    推理小説なんてたくさんあるけどその淘汰を乗り越えてきた面白さなのかなと思った。

全136件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1902年、神戸市に生まれる。旧制大阪薬専卒。26年、博文館に入社。「新青年」「探偵小説」の編集長を歴任し、32年に退社後、文筆活動に入る。信州での療養、岡山での疎開生活を経て、戦後は探偵小説誌「宝石」に、『本陣殺人事件』(第1回探偵作家クラブ賞長編賞)、『獄門島』『悪魔の手毬唄』など、名作を次々に発表。76年、映画「犬神家の一族』で爆発的横溝ブームが到来。いまもなお多くの読者の支持を得ている。82年、永眠。

「2021年 『雪割草』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横溝正史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

悪魔の手毬唄 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×