獄門島 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 265
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304037

作品紹介・あらすじ

瀬戸内海に浮かぶ獄門島。南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。金田一耕助に託された遺言が及ぼす波紋とは? 芭蕉の俳句が殺人を暗示する!?

感想・レビュー・書評

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  • これは傑作。名作の中の名作といわれるだけある。
    事件の異様さ、腹に一物ある島民たちの無気味さに対して、愛嬌のある金田一のキャラや彼と駐在所のお巡りさん清水、床屋の清公とのやりとりがアクセントになっていて、恐ろしくもとても楽しく読むことが出来た。
    終戦直後という時代背景だからこそ起きた事件。そして、獄門島という閉鎖的な空間だからこその人間関係。ぞっとしながらも目が離せなくなる謎めいた犠牲者の亡骸。あっと驚く犯人の正体。
    島に蔓延る怨みや祟りが見せた数々の悪夢。名探偵の手によりひとつひとつの真実が夢から醒めとき、狂気に躍り狂った獄門島にも事件の終焉が訪れる。

  • 文句なしに面白い。閉ざされた島、凝り固まった人間関係、座敷牢に幽閉されるキチガイ、因縁や祟り…横溝正史作品のこの禍々しさ最高。そんな中で金田一耕助は朴訥としていて和むから大好き。それにしても、ちょっと頭がアレだったとはいえ、特に悪いこともしていないのに殺されてしまった被害者たちには同情を禁じ得ない。終戦直後の時代、色々な偶然が重なって起こってしまった、まさに悲劇。名作だなぁ。

  • 私の中で不定期で、無性に横溝作品が読みたくなる時がある。

    今回もその不定期期間がやってきたらしく、まだ読んでいなかった獄門島を読んだ。

    金田一さんのシリーズって本当に、地方の閉塞感満載の島や村、事件が起こる名家の因縁、伝説等がよく似合う。

    今回もそのご多分に漏れずで物語が展開していくのだが、犬神家や八つ墓村のようにおどろおどろしい感じではなくて、
    結末がなんとも寂しく、そして切ない。
    時代のせいで皆の思考が少しずつズレた結果の、悲劇。

    面白かったのでラスト1/3は一気に読破。
    まだ読んでいない人は、是非!

  • 最高に美しくて無意味な死

  • [艶なる故殺]「三人の妹たちが殺される」と復員船の中で死に際に男が放った言葉を胸に、名探偵の金田一耕助は瀬戸内海に浮かぶ獄門島へ降り立った。外の者しか気づかない気狂いの空気がその島には立ちこめていたのであるが、金田一が到着するやいなや、島を取り仕切る網元の三姉妹たちが次々と猟奇的な方法で殺害されていく......。数ある金田一シリーズの中でも、その完成度の高さから出色と言われるミステリーの金字塔。著者はもちろん、横溝正史。


    謎解きと同時に、その謎の解決があわせて犯人の人間性や時代の空気感までをも浮かび上がらせていくところが妙。戦後間もない頃を舞台としているのですが、まさにその設定でなければ成り立たないストーリーに陶然としてしまいました(そしてそういうストーリーはなぜか一様にある種の特異性が絡まって面白い)。横溝正史の金田一シリーズは本書が初めてだったのですが、よく知られる『八つ墓村』などから次第に手を伸ばしていこうと思います。


    また、会話文の巧みさも本書の素晴らしさを際立たせる一要因になっているのではないでしょうか。立て板に水のごとく読む者を次に誘うだけでなく、感情の波の満ち引きまでをも自由自在にコントロールしてしまうかのようなやり取りの数々に魅了されること間違いなしです。特に、ところどころでキーパーソンとして出てくる床屋の清公と金田一の会話なんてまさに「声に出して読みたい日本語」です。

    〜気ちがいじゃが仕方がない。〜

    比較的最近にDVD作品も発売されてるんですね☆5つ

  • H30.03.08 読了。

    一言で言うと、とてつもない傑作を読んでしまった。
    何この話。
    横溝正史、天才かよ。

    おどろおどろしさ。
    そして後味の悪さ。
    それも含めて美しい。
    言い回しなど、時代を感じるところはあるものの、めちゃくちゃ面白い。

  •  戦友の死の間際の願いを聞き入れ「獄門島」にやってきた金田一耕助が、島で起こった連続殺人に挑むミステリー小説。

     なんとなくあらすじは知っていた作品ですが、今回ようやく読了。ミステリーの金字塔と言われるだけあって、見立て殺人、前近代的で排他的な集団、印象の強い三姉妹と怪しげかつ、不気味なケレン味たっぷりの作品です。

     そうしたいろんな要素を推理で一つにまとめていくさまもお見事! 連続殺人なのに一つ一つの事件の謎解きの趣向が分かれているのも、ミステリ好きにはうれしいところです(そうした趣向は解決まで気付けませんでしたが……)。

     前回読んだ『八つ墓村』では金田一の人物像がつかみきれなかったのですが、おどろおどろしい雰囲気を和ませてくれる、なんとも愛らしい名探偵だったのですね。横溝作品はタイトルからして恐ろしげなのですが、金田一はそうした中で一種の清涼剤になっているのかもしれない、とも思いました。

     ある意味では時代が生んだ悲劇ともいえるこの事件。金田一の推理披露からエピローグまでの流れは、運命の恐ろしさを感じさせるとともに、もの悲しさが漂っていて、単なる推理小説を読み終えた以上の余韻が残りました。これもまたこの作品が「名作」として現在も残り続けている理由かもしれません。

  • 古典ミステリーの金字塔と名高い本書。
    ミステリー好きとしては一読しなければと思い、購入しました。

    トリックの秀逸さ、真犯人の意外性、
    そしてあまりに日本的な見立て殺人。

    くわえて、戦後まもなくという時代背景や本土とは隔離された瀬戸内海の小島が舞台であること、獄門島ならではの権力図や宗教観など、設定のほとんどが事件の真相に多かれ少なかれ結び付いている。

    確かに日本の古典ミステリーとして非常に完成度の高い作品だと思います。

    期待していたよりもインパクトは大きくありませんでしたが、密度の濃い読書ができました。

  • 金第一耕助シリーズ最高傑作!!
    週間文庫、「東西ミステリーベスト100」堂々の1位!!
    ミステリー小説の金字塔!!

    天晴れの一言です。
    かなり昔の作品ですが、今読んでも色褪せないお手本となるような作品です。
    事件が起こる事を事前に知っていてもそれを防ぐ事が出来ない!次々と予言通りに殺されていく被害者たち!現在では到底出来ない殺人トリック、その時代(獄門島)ならでは風習、背景。そして真相!

    最終章の怒涛の展開で何度唖然したか私自身も覚えていません。数あるミステリー小説を読んできましたが、この展開は初めてです。←当たり前か(笑)

    かなり昔の作品ですが、思ったよりも全然読みやすかったです。ただし、俳句の意味は分からなかったです。
    それでも、絶対に読まなければならない一冊です。

    未だ未読の方は是非ご覧になって下さい!

  • NHKスーパープレミアム「獄門島」(主演:長谷川博己)が放送されるのを機に読んだ。
    因習の深さ、大胆なトリック、最後に残る絶望感など、さすが名作と言われるだけのことはある。

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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