獄門島 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304037

作品紹介・あらすじ

瀬戸内海に浮かぶ獄門島。南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。金田一耕助に託された遺言が及ぼす波紋とは? 芭蕉の俳句が殺人を暗示する!?

感想・レビュー・書評

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  • これは傑作。名作の中の名作といわれるだけある。
    事件の異様さ、腹に一物ある島民たちの無気味さに対して、愛嬌のある金田一のキャラや彼と駐在所のお巡りさん清水、床屋の清公とのやりとりがアクセントになっていて、恐ろしくもとても楽しく読むことが出来た。
    終戦直後という時代背景だからこそ起きた事件。そして、獄門島という閉鎖的な空間だからこその人間関係。ぞっとしながらも目が離せなくなる謎めいた犠牲者の亡骸。あっと驚く犯人の正体。
    島に蔓延る怨みや祟りが見せた数々の悪夢。名探偵の手によりひとつひとつの真実が夢から醒めるとき、狂気に躍り狂った獄門島にも事件の終焉が訪れる。

  • おおっと!
    これは想定外のラスト!!(๑°ㅁ°๑)✧



    戦友で、復員兵である鬼頭千万太が復員船で金田一耕助に遺言を託す。

    瀬戸内海の小島『獄門島』へ行き、妹達が殺されるのを阻止してほしいと。

    獄門島で起こった連続殺人事件には、共通点があった—。

    金田一耕助シリーズ第3弾!


    第3弾!
    …なのに、またやってしまった(-_-;)
    『本陣殺人事件』を先に読む事をオススメする!
    本陣持ってるのに、どうしても『獄門島』読みたい気分でした。笑
    ただ、気にしなければストーリー自体は問題ないと思います。

    瀬戸内海の名物は海賊—。
    海賊の子孫といわれる土着の漁師と婚姻して子孫を残した…と言われる獄門島。
    江戸時代は流刑の地だったそう。

    島の名前もかっこいい(º﹃º )
    排他主義的な島であるという点も魅力的(〃´-`〃)♡
    島内皆家族傾向強し…。

    なるほど…
    これが有名な獄門島…
    ミステリーの金字塔と紹介されているだけの事はある。

    モヤっと感じる人間関係の設定がまたいい。
    たいていお家騒動。

    毎回思うのですが、横溝作品の1番好きな点は『派手な死体』♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝

    一目で発見者を驚愕させるその存在感が素敵.☆.

    今回の名シーン。
    遺体は着物姿の花子ちゃんが梅の木から宙吊りにされております…。(有名なシーンかな?)
    この派手さがとても好き!
    美しや〜‎߹ㅁ‎߹)♡

    細かな真相が小出しなので後半になっても「これは犯人を当てるのは不可能なのでは?」……と思いましたが、金田一が犯人を確信した時点で材料は出揃っているハズなのかも…。
    私は気付かなかったが笑

    これは犯人わからん…(いつもわからんが…笑)

    やはり金田一耕助シリーズ面白い(´▽`)!

    この後、いつものように映画も観ようと思います。
    あのシーンもあのシーンも映像で観るの楽しみ♡

  • ちょうど時期が夏だったので。
    そしてせっかくだから(世間的には有名だけど)話も犯人も知らないやつを。金田一耕助シリーズは父親も青春時代に夢中になっていたと聞いていたけど、莫大な量だからと敬遠していた。(あとはどことなく気味が悪かったから…)

    推理物だから途中様々な角度から事件を整理したり犯行動機を推察したりと、読者もやむを得ず考えさせられる場面が多い。そのためか読後はえらいカロリーを消費したかのように疲れ切っていた。

    まっさらな気持ちで島へと踏み出すと、早速入口からひんやりしていた。舞台の解説だってのに心が落ち着かず…とソワソワしていたが、それも束の間。見えざる何かに手を引かれるように気がつけば話の奥へと踏み込んでいた。

    大抵の推理物でも言えるけど、得体の知れない怪談やオカルトに委ねることなく怪奇は人間が作り出すことをよく証明できている。
    今回はお芝居にちなんだトリックやセリフが多く、凄惨な事件の数々に冷や汗をかきながらも案外楽しめた。

    早苗さんのバックグラウンドについてもーちょい情報が欲しかったけれど、必要以上に首を突っ込まず事が終われば風と共に去るのが金田一耕助なのかなと納得するようにした。

    次はいつどこでお会いできるのやら。

  • 「惨劇の夜は霧のふかい朝となって明けた」

    相変わらず章の出だしが格好良い。

    再々読だが、読みやすく、結末がわかっていても楽しめる。最初から伏線も散りばめられ、「そう、これこれ」とか頷きながら読む。途中で分かったとしてもこれはこれで良いのである。

    「月影を砕いた波が、いぶし銀のように底光りしているなかに点々として黒い島影がちらばっている。夜霧にけぶった漁火が夢のようにまたたいていた。」とか、もう文章が最高。

    頭の中の映像を楽しみながら、やっぱり横溝正史は最高と思うのである。

    解説より「イムポシブル・クライムと意外な犯人、しかも一貫した理論性があって、その間に妖しき情緒が播曳している。そういう小説が書きたいのだけれど…」

    その通りの作品になってます!
    「…大きな野心を持ち、そして試みるべきではあるまいか」  …最高でした。

    所有は昭和49年のもの。高校時代、古本屋を巡って集めてました。懐かしい…

  • 前半やはり読むのがすこし億劫になるが、後半からおもしろくなる ただ、先に読んでいた八つ墓村に比べたらあまり人物に魅力を感じられず、動機やトリックも感心するほどではない

  • 昭和20年代前半発表の作品との事で、戦後の混乱・復興期の時代背景を想像しつつ、エンタメとしての圧倒的な力強さに感動しながら読了。
    かっこいい…

    復員船の中で命を落とした戦友鬼頭千万太の願いを受け、金田一耕助は遺族の住む獄門島に向かう。

  • これ、再読だと思う。
    本のカバーは旧版の方が断然いい。

    再読といっても話しは全然覚えてない。

    横溝正史の作品に漂うなんとも言えぬ雰囲気が好きな私は、定期的に読みたくなるが、今回は「つけびの村」に触発されての再読でした。

    横溝作品には人間の業が描かれている。
    少し集中的に読んでみたいとも思う。

  • 何十年ぶりの再読です。
    見立て殺人の状況と犯人は覚えていましたが、横溝作品の一番大事な部分である「なぜ?」が完全に頭から抜け落ちていました。
    当時、字面しかなぞっていなかったのが良く解りました。

    「○○○○じゃが・・・・・」のセリフも、活字でこそのものだと感じました。
    (おそらく、同じセリフでの制作は今後不可能でしょうけど。)
    完全に錯覚させられました。
    横溝先生、やはり素晴らしいです。
    金田一耕助ファイル、全て読むしかないですね。

  • 古き時代の暗澹たるミステリ。
    獄門島を覆う忌まわしき、晴れることない因襲。

  • 瀬戸内海に浮かぶ獄門島で起こる殺人事件。俳句の見立て殺人の真相は衝撃的だった。読み終えた後、改めて、この作品は傑作だと感じた。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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