犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2518
レビュー : 258
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304051

作品紹介・あらすじ

信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。血の系譜をめぐるスリルとサスペンスにみちた長編推理。

感想・レビュー・書評

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  • 映画では何度か観ているが、原作を読むのは初めて。古い作品なので読むのに手こずるかと思いきや、とても読みやすい文章、読み手をどんどん引き込んでいく展開で、あっという間に読了。

    シリーズ全作を知っているわけではないので、全てがそうではないかもしれないが、金田一耕助はやっぱり「推理小説」じゃなくて「事件簿」なんだよね。巧妙な仕掛けやトリックがあるわけではない。あえて言うなら「人間(関係・思惑)」の絡み合いこそが事件の歯車。全ての事象に意味があるわけではない。世の中には「意図したもの」と「偶然の産物」が溢れている。事件だってそう。人間が引き起こすものなのだから。

  • あまりにも有名な5冊目。「これを読めばドラマが10倍面白い!」という帯がついていたが、「ドラマの10倍面白い」の間違いでは?今のところ全部原作の方が好き。
    かなり残酷な事件な上、真犯人に残酷にする意図は全くないところが事件の違和感を生んでいる。金田一シリーズは「あそこでああしていれば」みたいなやりきれなさが好き。しかし一応の大団円だけど、あれで竹子と梅子は納得できるんんだろうか…。
    次はドラマを見たことがないやつ。

  • 【概要】
     倒錯と純愛の錯綜!かけ違ったボタンと、ねじ曲がった愛は、信州財界の巨人・犬神佐兵衛没後、その遺産の行く末に、大きく影を落とすのだった。犬神佐兵衛の血脈である佐清(すけきよ)・佐武(すけたけ)・佐智(すけとも)、恩人の孫・珠世(たまよ)、さらには本気となった愛人の息子、巨額の遺産・経営権を巡り、血で血を洗う争いが、犬神家の三種の神器「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」を通じ、勃発する。名探偵・金田一耕助は、この陰惨な連続殺人事件を、どのように解決するのか?!

    時期不明        読了
    2018年10月27日 読了
    【書評】
     喜餅の思春期は、江戸川乱歩と横溝正史でできあがっている・・・といっても過言ではない(笑)特に横溝正史の影響は、ほんと・・・デカい(笑)人と人との愛憎に対し、良くいえば、横溝正史のおかげで「寛容」になり、悪くいえば横溝正史のおかげで「欠如」しているという(笑)
     ただ、自己正当化する訳じゃないけれど、作中の「倒錯」「圧倒的にいびつな倫理観」の裏側にある人間の感情の弱さであり純粋さ・・・そういった、ふれたら簡単に壊れてしまうような、繊細な機微・・・を、物凄く、感じるし、物凄く、楽しめてしまった、今回。
     自分も含めて、多くの方達は「スケキヨ(なんでカタカナなんだ?笑)」のイメージが、めっちゃ強いと思う、この作品は。でも実は、冒頭に舞台から(物理的には)消える犬神佐兵衛や、その恩人・野々宮大弐の残留思念の存在感が、凄い。そして、子を想う(想いすぎる)母の人外ぶりも(笑)
     時代背景は昭和20年代、当然、その時代の価値観が、前提として進行する。当たり前だけど、現代と違う。だから「それはそれ」として、楽しめる度量が必要になるよね。久々に読むと、当時は凄い時代だったんだなぁ~と、あらためて、思う。
     ところで、皆さんは、「金田一耕助」といえば、誰を連想する?自分はこの「犬神家の一族」で演じられた石坂浩二さんもイイけど、古谷一行さんもイイよね♪そして、この頃・・・というか、市川崑監督は、影で怖がらせるの、本当に凄いよねぇ。・・・って、映画の話になってしまった(笑)
     久々に読むと、楽しい♪

  • 設定が魅力的過ぎてもう。どんどん読み進めてしまいましたよ。
    佐清、入れ替えトリックはあることは明白でしょうけど、その隠し方が絶妙でした。
    明らかに読者が読む中で浮かび上がる推理を否定するように促されていて、上手いなぁと関心。

  • ある日、探偵の金田一耕助のもとに法律事務所の若林豊一郎から一通の文が届く。
    信州財界一の巨頭、犬神佐兵衛の一族の間になにやら恐ろしい争いが起こるという。
    佐兵衛が亡くなり、遺言状がまだ公開されていないことなど、好奇心を煽られた金田一は犬神家の在る那須市へと向かうのだが…。

    *****

    映画化を機に読むことに。

    横溝正史さんの「金田一耕助シリーズ」は古い作品ではあるけれど、その名前を見聞きしたことがある方がほとんどではないでしょうか。
    特に私と同世代くらいなら「金田一少年」(講談社コミック)のヒットをきっかけに知った方も多いかも。

    読み終わって、面白い、と素直に感じた。
    古い作品なんだけれど、けして色褪せていない。

    探偵・金田一耕助も登場人物たちも魅力的、魅惑的。
    最初からラストまでが劇的。

    またシリーズに手を出してしまった。
    それも面白かったからコツコツ読んでいかねば。

  • 横溝正史は、初めて読んだ。
    そして、度肝を抜かれた。
    夢中で読んでいた。
    ドキドキとワクワクが止まらなかった。
    何故、もっと早く読んでおかなかったのかと、後悔している。
    それくらい、魅力のある作家だと思う。

  • 犬神家の一族は有名な作品で名前は知ってるけど一度も読んだ事がなかったのでとても楽しめました。

    犬神家の資産家である佐兵衛の遺産を巡って争いあうドロドロした話でした。
    文章も分かりやすく内容もスラスラ入ってきました。
    目の前に湖が広がる資産家の豪邸に戦場で負傷した顔を隠して不気味な仮面を被ったスケキヨが物語にマッチしていてとても良かったです。

  • 横溝正史の代表作の一つ。
    映画の方を先に見ました。

    どちらがいいかは微妙なところですが、面白いことは確かです。

    特に、随所随所に伏線が張っており、最後きちんと回収されることはさすがです。

    映像にすると、結構ショッキングですが、文字で読むとそれほどでもないことが不思議です。

  •  一言で言えば普通に面白い。
    当時日の出の勢いだったカドカワ映画の第一号(の原作)ということで知名度も高い。
    それはお釜帽に袴姿、そしてもじゃもじゃ髪という原作のイメージに忠実な金田一像を作り上げ、それまでにあった「洋装の金田一耕助」という原作無視の憤慨物を全て黒歴史にしてしまうインパクトを持っていた。
    他にも湖から足だけ突き出した死体や白い不気味な顔マスクなど強烈なビジュアルイメージを残し、流石は実質第一作となる金田一映画の原作に選ばれただけのことはある。

     が、
    本作の映画も実は細かい所が結構原作と違うため、純粋に推理小説を楽しみたいなら原作本がお勧めだ。
    特に本作の影の主役とも言える犬神佐兵衛を巡る人間関係は映画だとなかなか掴みきれないし、あまつさえ省略すらされる事があるので注意が必要。
    本作のトリックは殺人の方法やアリバイ工作などというものではなく、タイトル通り「一族」の血縁関係にあるのだ。

  • めちゃおもだった

    古典だから難しいんじゃないかと思ってたけどとても読みやすくて一気に読んでしまった
    すっとんきょうな推理をしながら読むのが好きなので、金田一が実はこうなのではないか、といろんな案を作中で言い出すのがおもしろかった。ミステリーの探偵って作中全部わかってるんですよ、ってかんじで最後に答え合わせしかしないタイプばかりなので新鮮だった。まさか古典で新鮮さを味わえるとは…

    江戸川乱歩みたいな薄暗い雰囲気も多少あったけどぜんぜん湿っぽくなくてそこもよかった

    ほんとは八つ墓村を勧められたのでそれを買うつもりが間違えて(笑)こちらを手にとってしまったのだけど、金田一シリーズのとっかかりとしてはとてもよかったのかもしれない

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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