犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304051

作品紹介・あらすじ

信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。血の系譜をめぐるスリルとサスペンスにみちた長編推理。

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  • 犬神家の戸籍 | 新宿教室 | 朝日カルチャーセンター
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    「犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5」 横溝 正史[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/199999130405/

  • 池から足だけ出てることで有名なスケキヨですが、わたしはなんとなくしか知りませんでした。初めて詳細を知ってとても面白かったです。
    トリックというかWHYとWHOがとてもきれいでした。映像化されまくるのも納得です。

  • 再々再々…読。何回読んでも面白い。犯人が分かっていても一気読みできる。素晴らしい。

    横溝正史は大好きな作家。
    章の出だしの季節を伝えている文章だったりの導入の部分が、情景を思い浮かべられて、映画を見ているみたいに物語に入っていける。そこがいつも素晴らしいと思う。

    松子のキャラクターは、最初に読んだ中学生の頃と今とでは、息子がいる分、より共感度が高く、切なさと格好良さを感じる。
    腹の括れる強い女性に憧れている今日この頃である。

  • 犬神財閥の創始者・佐兵衛の遺言状。それは遺産相続争いを生む火種だった。それを予期した弁護士事務所の若林は金田一耕助に協力を要請するも殺害されてしまう。見立て連続殺人の中で、一族の悲劇が紐解かれていく。

    ぼくが初めて読んだ横溝正史作品。1950年の作品とは思えない読みやすさ。単語は少し難しいものがあるものの流れで意味を汲み取れる範囲。文章は情報が整理されていて、展開もサクサク進んでいく。人間関係がドロドロしてて読み辛いかなという不安は、読んでみると表現のドライな読み心地が良かった。金田一のキャラも効いてる。まあドロドロはすごくしてるけど(笑)

    ミステリとしての仕掛けも丁寧。いわゆるトリックを暴く系のロジカルな作品というよりは、一族の心情が事件によってさらけ出されていく描写が巧み。誰かのためを思った行動がジレンマを呼び起こしていく連鎖に唸った。仮面を被っているのは佐清だけではない。一族すべてが本当の顔を隠している。仮面が剥がれ本音が明かされる時、事件もまた自然とほどけていく。

    それにしても佐兵衛が諸悪の根源すぎる。一族が屈折するのもやむなしという感じだし、本人は筋を通したつもりだろうが巻き込まれた人たちもいい迷惑。最後が「大団円」ってあるんだけど、イイハナシカナー?ってなる。納得できない一族の人いるよなあ。ひと悶着ありそうだけど、孫の代からは血統の呪いから解き放たれて幸せになってほしいね。

    余談だけど、『ファミコン探偵俱楽部 消えた後継者』はこの作品からかなり影響を受けて制作されていて、比較してみると面白い。ファミコン時代ながら謎解きもドラマも魅せてくれる作品になっているのでそちらもお薦め(5月にはリメイク版が発売予定)。

  • とにかく、莫大な遺産と地位に対しての執着が恐ろしすぎて怖い。松子、竹子、梅子の三姉妹にしろ、その子供達にしろ、いつもこの手の遺産相続が絡んだ本を読むと思うんだけど、自分で稼ごうという気は起きないのか。
    それはさておき、最初の導入から雰囲気に引き込まれて夢中で読んだ。珠世の旦那候補の3人、あの状況では選べなそう。究極の選択。
    でも…なんだか金田一耕助さん、振り回されてる感があって、そんなに名探偵っていう感じはしなかった。結局目の前で起こる連続殺人が止めれず、最後の最後に真相を知るっていう。。

  • またまた横溝正史の金田一ものを一気に読んでしまった。1951(昭和26)年刊。読み始めたら止まらないといった感じで、どんどん先に進んでしまう。
     この「取り憑かれたように夢中になって読んでしまうミステリ」と言えば、アガサ・クリスティの作品がそうだった。他の古典ミステリとは一線を画す面白さで、一時期は十何冊も次々に読んでいったが、読み終えて数年も経つと、このタイトルの本はどんな話だったか、思い出そうとしても思い出せない。引きずり込まれるようにジェットコースターに乗せられて突っ走り、読み終える時は非常に満足しているのに、長期記憶には残らない。やはりその辺は、苦労しながら・味わいながらじっくり読んでいく芸術系の小説とは異なる点なのかもしれない。果たして横溝正史もそうなのだろうか。
     クリティティに比較すると、横溝正史作品はずっと情動豊かである。作者の怪奇趣味による恐怖のエレメント(本作では殺害された被害者の「生首」や、戦場で大きく負傷したという復員者の、凄まじく爛れ肉塊を覗かせる顔貌の描写など)。憧れやスケベ心(?)を喚起するエレメント(本作に登場する「絶世の美女」珠世)。それぞれの場を満たす、憎しみ・怒り・激情といいた振幅の大きな感情のエレメント(犬神家の一族内の、相互の愛憎や呪い、復讐のモティーフなど)。
     こう並べてみると確かに「サービス満点」である。様々な要素が次から次へと織りなされ、適宜緊張感が高まり、息もつかせぬ展開になる。もちろん、殺人は一度きりでなく、連続殺人となってゆくから、それだけでもサスペンスとして盛り上がる。
     そしてミステリの常套というか、たとえば最初の方のある章の終わりにこう書かれている

    「読者諸君よ、いままで述べてきたところが、このもの恐ろしい、なんともえたいの知れぬ犬神家の一族に起こった、連続殺人事件の発端なのである。
     そして、いままさに血なまぐさい惨劇の第一幕は、切って落とされようとしている。」(P.90)

     本作は雑誌に連載されたものなので、章の終わりにこういう緊迫した「予告」的な宣言を入れてやることで、次回が待ち遠しくなる。こういうのはもはや完全にありふれてはいる。連続テレビドラマや、連載マンガなどでも「いいところで終わる」のは定石である。そうしたエンターテイメントの常用手段が、戦後間もない年の横溝正史作品においても既に、完全に確立されているのである。
     予告された不在(上記例では、今後の物語の展開)が、読者の心を前へ前へとつんのめらせる。「不在」への欲望がみなぎり、ページを繰る手がはやる。
     とりわけて横溝正史作品の長所は、色濃い情動が絶えず惹起されてゆくことだ。常に読者は、言葉・描写・想像・共感に導かれて巧みに情動を操られてゆく。この意味では、音楽的だとも言える。
     勢いよくほぼ1日で読んでしまい、更に別の作品が読みたくなってしまう。そのように欲望を惹き付ける装置として、よく出来ている。

  • 映画では何度か観ているが、原作を読むのは初めて。古い作品なので読むのに手こずるかと思いきや、とても読みやすい文章、読み手をどんどん引き込んでいく展開で、あっという間に読了。

    シリーズ全作を知っているわけではないので、全てがそうではないかもしれないが、金田一耕助はやっぱり「推理小説」じゃなくて「事件簿」なんだよね。巧妙な仕掛けやトリックがあるわけではない。あえて言うなら「人間(関係・思惑)」の絡み合いこそが事件の歯車。全ての事象に意味があるわけではない。世の中には「意図したもの」と「偶然の産物」が溢れている。事件だってそう。人間が引き起こすものなのだから。

  • 読み終わった本を別の本に交換できる本の交換所コーナーで手に入れた本。
    映画やドラマにもなった超有名な作品だけど、今まで読んだことがなかった。読んだことないけどネタとしては知っていたので、スケキヨ…やっと会えたな!!という気持ちです。
    お互いに憎しみ合った親族間のいざこざ、これぞ横溝正史や。やや消化俯仰気味の部分もあったけど、今度は映像でも見てみたいな。金田一、色んな役者が演じているけど、個人的には古谷一行が一番イメージ通りで好きだ。

  • あまりにも有名な5冊目。「これを読めばドラマが10倍面白い!」という帯がついていたが、「ドラマの10倍面白い」の間違いでは?今のところ全部原作の方が好き。
    かなり残酷な事件な上、真犯人に残酷にする意図は全くないところが事件の違和感を生んでいる。金田一シリーズは「あそこでああしていれば」みたいなやりきれなさが好き。しかし一応の大団円だけど、あれで竹子と梅子は納得できるんんだろうか…。
    次はドラマを見たことがないやつ。

  • 文体が段々と現代風になっていて、今までの横溝作品の中では1番読みやすい。

    大金持ちの遺産は、とある美人が婿に選んだ人がすべて継ぐというところからスタートするので、バチェロレッテが始まるのかと思った。

    ミステリーで絶世の美人が出てくるだけで、その後の展開が気になりますね。

    ミステリーとしての出来もすごく良く、読み終わる直前まで最高評価だったんだけど、なにぶん終わり方が...。

    ほとんど自己中の犯罪者の思惑通りだったので、後味は悪い。その点では獄門島のほうが好みだった。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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