本陣殺人事件 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 1892
レビュー : 202
  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304082

感想・レビュー・書評

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  • わー。昔の表紙が復活している!やっば、角川文庫の金田一シリーズはこのおどろおどろしい絵でないとね。(笑)つーか、コワイ!
    読了は確か学生時代です。
    金田一耕助初登場の事件譚にして、その耽美的世界といい、個性的な登場人物といい、和風密室の謎といい、金田一が関わるにふさわしい難事件です(!)
    その大仕掛けの密室トリックや、現代ではいまいち馴染めなくなった動機にしても、古き良き時代の探偵小説を満喫できる作品でした。
    金田一初登場時の設定も面白い。

    • 深川夏眠さん
      やっぱり表紙は杉本画伯の絵がいいですよね……(´・ω・`)
      やっぱり表紙は杉本画伯の絵がいいですよね……(´・ω・`)
      2013/04/16
  • 中短篇3篇を収録。

    『本陣殺人事件』
    正直なところメイントリックに関しては、過去に映像作品でも観た事があるし、あまりにも有名なので予め知ってはいた。しかし実際に原作を読んでみるとやはり面白かった。密室殺人の真相解明にいたるまでのロジック。ミスリードの巧みさ。そしてなにより『三本指の男』の来訪理由には感心した。文章は抜群にうまいし、構成や演出も素晴らしい。ミステリはトリックだけわかっていても(凄くても)ダメなんだという事を再確認。あらためて横溝正史の偉大さがわかった一作。

    『車井戸はなぜ軋る』
    いきなり二行目に挑戦的な一文が。
    「付、本位田大助・秋月伍一生き写しのこと」
    西村京太郎『殺しの双曲線』の序文「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」に匹敵する驚きと警戒心を抱いた。そしてやっぱり面白かった。途中『犬神家の一族』を思い起こさせる場面あり。いろいろな仕掛けが短篇にギュッと詰まっていて、これまた感心。

    『黒猫亭事件』
    序盤で横溝先生らしき人が探偵小説講義をやるのが面白い。しかも「密室の殺人」「一人二役」「顔のない屍体」について。そのうえ「一人二役」型は最後まで伏せておくべきトリックであって、この小説は一人二役型らしいと読者に感づかれたら負け、などと抜け抜けと書いているのが最高。そして今回は『顔のない屍体』という導入。終盤のひねりにまたまた感心。

    それぞれ独立して素晴らしい出来のミステリ中短篇だが、『本陣殺人事件』『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』をピックアップし、この順番で編んだ角川文庫版の編集者に拍手。相乗効果で作品の面白さが格段に上がっている。

    金田一ものの一連のシリーズは、探偵金田一耕助が体験した事件を語り、作家横溝正史(らしき人物)がそれを小説に仕立てるという体で書かれている事がわかったのも楽しい収穫だった。

  • ホラーが苦手で金田一耕助のシリーズはあまり惹かれず、今まで手を出さずにきてしまいましたが、それを後悔させてくれました。
    日本の歴史や風習からくる動機やトリックなど、本当に秀逸でした。また、結末を容易に想像できないことで、最後まで飽きさせない仕掛けがしてあり楽しめました。やはりミステリーは最後の最後まで雰囲気を壊してはならないと思います。
    また、海外の名作もいくつか話題として上がるところに、海外の名作を踏まえた上での日本の事件を描いていくというところに感慨深いところがありました。
    ただ、若干ネタバレが含まれていたことが気になりましたが…。アクロイド殺しを読んでおいて良かった。

    本陣殺人事件は本当に名作ですね。
    これから他の作品を読み進めていきたいと思います。

  • 突然はじまった『ひとり横溝正史フェア』の二冊目は「本陣殺人事件」。
    金田一耕助シリーズとしてなら戦前の若い金田一耕助のはじめて扱う事件。こちらを先に読むのが順序だと思うけれど、「八つ墓村」が読みたいなとはじまった『ひとり横溝正史フェア』なので、この順番でいいのかなと。

    こちらは結婚初夜に起きた密室殺人事件を金田一耕助が見事な推理で解き明かすというもの。
    読み返して気づいたけれど、本書には「本陣殺人事件」の他に二篇の短編が収録されていた。「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」のふたつ。

    数ある金田一耕助シリーズの中では、こちらは正直それ程好みではない。
    元々、横溝正史作品での殺人事件では、そこまでやるかといった演出が魅力でもあるので、そこを否定するとどうにもならない。
    ただ、「本陣殺人事件」に用いた密室トリックの余りにもアクロバティックな方法が、とてもではないが真実味に欠ける。
    事件に意味を持たせる見立て殺人としての演出と、事件のそもそもを問う密室作りとしての仕掛けでは意味合いが違う。見立てはばれても殺人の目的は遂行出来るが、密室の謎は解明されては元も子もない。
    そんな大切なところに、こんな一か八かの大勝負を仕掛けるなどといったギャンブラーなことをするというところと、犯人の性格に整合性がないように感じてしまう。

    なんてことを置いておいても面白く読めるけれど、ちょっとケチをつけてみました。

    同じように「黒猫亭事件」もやや無理があるかなとも思えるけれど、小品としてでここまでの仕上がりはさすが横溝正史という感じ。
    個人的には「車井戸はなぜ軋る」は短い作品であるのに、いや、短いからこそピリッと締まった作品に感じられた。

    随分斜め上なことを書いてきたけれど、つまらなかったら『ひとり横溝正史フェア』は早々に終了するところを、間に他の作品を読みつつつづいているので、つまりは横溝正史って面白いねということだ。

    現在、「獄門島」を読んでいる。
    犯人がわかった状態で読む推理小説も、横溝正史くらいになると違った楽しみ方があってこれはこれでいいのかもしれない。

  • 金田一耕助シリーズ。
    「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の3編。
    本陣殺人事件のトリックがいまいちわからなかったので映像で見てみたいなと思った。それにしても、女性の貞操問題が殺人事件の動機になり得るのが当たり前みたいな風潮、すごいなと思った。3編の中では「車井戸はなぜ軋る」が一番好きです。横溝作品はそんなにたくさん読んでないけど、田舎の旧家の閉ざされた世界という雰囲気が禍々しくて良い。度々作中出てきた「獄門島」も読まなくては。
    それにしても金田一耕助は本当に好人物だなぁ。彼が出てくるとついニコニコしてしまう。

  • 短編三つ。八つ墓村ではあまり明らかにならなかった金田一耕助の身辺が分かってくる。

  • 金田一さん初登場の本作、まだ読んでなかった。本陣の密室のトリック、なんじゃこりゃあー!!!と松田優作もびっくりな(ちょっと古いかww)すごい仕掛けが。。。こんなの、どうやって考えつくの横溝さん?と言いたい。

    あとの2編は、黒猫亭が好きかなー。黒猫亭、まんまと騙されたわ(笑)

  • 旧版(緑304)で読了。『本陣殺人事件』機械仕掛けの密室はあまり好きじゃないが、金田一耕介初登場作品として必読。『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』とあわせて、横溝正史の文体からかもし出されるオカルティックな雰囲気が大好き。

  • 最近読みたい本が無くなってきたので、日本ミステリーの王道とも言うべき、横溝正史の金田一耕助シリーズを読破しようと思い立ち、まずは本作から読んでみることにしました。
    本作は基本となる「本陣殺人事件」とサイドストーリー的な
    「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三部作から構成されておりましたが、どの話もトリックが秀逸で面白く、その謎を解明する探偵 金田一耕助という図式もいいですね!
    次は、この作品と同時期に金田一耕助が謎を解明して、一躍有名探偵となった「獄門島」を読んでみます。

  • これまた表紙が違うのだが、まあいいか。杉本一文氏の素晴らしい表紙をなくしてしまう、角川文庫にはガッカリだよ。

    本作は、表題作を含む3篇の短編集で、全て金田一耕助物。旧表紙の通り猫を扱うものが2作。収録3篇とも素晴らしい。出てくる人物を片っ端から殺したり、ものすごい冒険があったりするわけではなく、密室や入れ替わりというトリックをいかに楽しませるかというところに力点が置かれている。

    さらにそれぞれ他の長編とは異なって、自由に書いたのかもしれないが、導入部分と末尾で、探偵小説のジャンルを解説した論文のようなものがあり、種明かしをされるところも面白い。もちろん、金田一以外の人物のキャラクターもしっかり立っている。

    まあ、本当に惜しいのは表紙だけですよ。あの黒い縁に緑の文字、水彩の素晴らしい絵で復活してもらいたいものです。

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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