悪魔の寵児 金田一耕助ファイル15 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304129

作品紹介・あらすじ

胸をはだけ乳房をむき出し折り重なって発見された男女。既に女は息たえ白い肌には無気味な死斑が……情死を暗示する奇妙な挨拶状を遺して死んだ美しい人妻。これは不倫の恋の清算なのか?

感想・レビュー・書評

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  • パートナーの蔵書を整理していて昔読んだらしい本を読んでみた。
    横溝正史は好きで沢山読んでいるけど、これは未読だった。ものすごいエログロで相当昔の作品かと思ったら、悪魔の手毬歌とか書いた頃の作品らしい。ストレス解消には良かったな。作者もたまにはこう言う息抜きしたくなるよね(笑)

  • 話が入り組んでて、かなり面白かったけど、最後結末にたどり着くまでがサクサクし過ぎてたのが残念だったな。とはいえ横溝作品らしい結末だった。
    内容的にはかなりエログロで、今まで読んだ横溝作品にはない直接的な描写が個人的には興味をひいた。多分嫌いな人は大嫌いだと思う。

  • 戦後の混乱に乗じて財を成した風間欣吾。彼の妻が謎の画家と連名で挨拶状を遺し、心中を思わせる状況で死亡する。それを皮切りに、彼の愛人たちが凄惨な死を遂げていく。犯人・雨男の正体とは…?!

    メディアに悪魔の寵児と言わしめた犯人の残酷さが凄まじい。まさに悪魔の所業。これだけのことをしておきながら、金田一たちを煙に巻く狡猾さも備えている。最後の最後まで犯人がわからなくてスリリング。登場人物みんな怪しすぎるし、もう残りページ少ないよ、終わっちゃうよ!っていうほど(笑)

    語られた動機を知ると、本当の悪魔は誰だったのかなと考えてしまう。悪魔の寵児というタイトルは読み終わってみると味わい深い言葉だなと。人間のドス黒い部分が満ち満ちた作品だからこそ、愛や男女の繋がりとは何なのかということが色濃く浮き立つ。

    金田一は中盤からの登場で、記者の水上三太が事件を追うのが中心。金田一をライバル視する彼が手柄欲しさに怪しい蝋人形館や風間邸など、とにかく侵入しまくる姿にハラハラさせられた。金田一も最後はきっちり活躍してくれる。あの名前がそこに繋がってくるのかと。でも相変わらず口が堅いというか、もう少し阻止してくれってなる(笑)

  • 推理小説…ではなかった、私的には。

    エログロ要素が大きすぎたかな。
    おどろおどろした具合は、最初嫌いじゃなかったのだけど。
    ま、正月に「悪魔の」みたいなタイトル読み始めた私が、時期のチョイスをミスったかな。
    しかし結局狙われ始めた人たちがほぼ助からなかったなぁ。
    金田一の推理は間に合ったと言えないのではないかなってところが推理小説と思えないとこかも。

  • 犯人は最後まで分からなかった。だけど、今回は狙われる人が最初から分かりやすかったので、ドキドキ感が無かった。どう殺されるんだろうくらいで。

  • シリーズ中でも屈指のぐろさでは…。

  • 悪魔の寵児
     第1章 日月堂の客
     第2章 酒場カステロ
     第3章 挨拶心中
     第4章 帯締めと注射器
     第5章 死体消失
     第6章 望月蠟人形館
     第7章 悪婆の射撃
     第8章 雨男
     第9章 欣吾の不安
     第10章 現代歓喜天像
     第11章 悪魔の女狩り
     第12章 瓶と栓
     第13章 短銃と注射器
     第14章 女狩り第二号
     第15章 覗かれた愛戯
     第16章 奇妙な取り合わせ
     第17章 狂ったバランス
     第18章 恐ろしき魔像
     第19章 オート・ミール
     第20章 狙撃手
     第21章 女狩り第三号
     第22章 卍
     第23章 罠
     第24章 嵐の後
    面白倶楽部 1958年7月~59年7月

  • 10年ぶりくらいに読んで、前半で犯人思い出した…。エログロが強めで要注意だったことも思い出した。

  • シリーズで1番好きかもしれない。惜しみなく人が死ぬのは毎度の事だけど、その度に「あの時のあれは何だった?」が浮上してきてわくわくした。雨男が複数だと分かってからは止まらなくなった。
    いつにも増して防御率は低い。石川兄妹誘拐のところはそりゃ風間だってブチ切れるわ、と笑。三太に出し抜かれっぱなしの金田一だったけど、最後はちゃんと決めてくれた。みんな死んでるけど。

  • 金田一耕助は抑えめの登場。
    トリックより人間構成とかあの時誰がいなかったとか、そういう状況証拠から解いていく感じなのかなぁ。
    死体の描写から、犯人は女性になのではという予感はあった。
    悪魔の寵児ってネーミングが関係者の中に浸透していふとこが時代を感じる。
    あと最後の方での欣吾が父となった描写。自分に子供が出来たのは2人目。そのどちらも妊娠には気がつかなかった。自分の愛人たちが辱められては殺された後でも、彼は過去のこととして人生を続ける。そんな感を受ける描写が印象に残った。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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