不死蝶 (角川文庫 緑 304-20)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 181
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304204

感想・レビュー・書評

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  • 八つ墓村のような鍾乳洞を舞台とした過去の凶悪事件の真相が二十数年ぶりに復活するというストーリーで、なかなかトリックも秀逸で、事件の解決も深く面白い話でした!
    やはり、なぜ?なぜ?というのがキーワードで、そこを紐説いたときに真実が明らかになっていくというのが良かったですね!

  • 図書館に行ってないので、これを機に家の積読を終わらせよう強化週間! いつまで続くかは不明。
    って事で横溝正史です。
    相変わらずの金田一耕助ですが、鍾乳洞と23年前の事件。そして田舎ならではの旧家の因縁と様々な思惑が入り乱れ、そして幾度も起こる殺人事件。
    同時掲載の短編、人面瘡は夢遊病者の姉と性に奔放な妹。
    姉の妹に対する申し訳ない気持ちのオチは、そう来たか! と。
    金田一耕助はどうしても休暇をとれない運命なのね。ある意味ワーカホリック。

  • 相変わらずの横溝独特のミステリー。
    だいたい設定は似たり寄ったりだけど、
    この不気味さがたまらなく好き。

    この本には2編収録されてるけど、
    どっちも犯人は思った人と違ったので、ちょっと驚いた。

    過去を引きずり、そして過去を清算できて良かったな。

  • 不死鳥にかけて不死蝶。23年前の殺人事件の容疑者として不明となった女が帰ってきたのか!?鍾乳洞、旧家の恋愛を巡って発展した対立といった横溝らしい背景に男女のというか人間の泥々した怨讐が描かれます。

    しかし、一個人が23年間も「恨み」・「復讐」といった負の感情を抱え続けていられるものでしょうか?抱え続けた結果、どのような人間になってしまうのでしょうか?こちらの側面の方が恐ろしい気がします。

    もう一編は「人面瘡」。こちらは一人の男をめぐる姉妹のどろどろ。

    どちらも美しい女性の内側に隠された恐ろしい妄念が描かれていて恐ろしい。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387156307.html)
    (収録作品)不死蝶/人面瘡

  • 「不死蝶」「人面瘡」収録。
    どちらもさくさく読めました。表題作のほうは奇妙な明るさがあります。鍾乳洞で起きる陰惨な殺人事件なんだけど・・・

  • 昔読んだことがあるが、犯人を思い出せなかったので、楽しく再読。

  • あたしはいきます
    でも いつかかえってきます
    蝶が死んでも
    翌年もまた美しく
    よみがえってくるように

    信州・射水。湖畔の町。
    玉造家と矢部家は仇敵の間柄。
    23年前、玉造朋子は矢部英二を鍾乳洞で殺し、謎めいた手紙を残して洞窟の奥深くにある底なし井戸へ身を投げ命を絶つ。
    時は流れ、この数ヵ月、玉造家にはブラジルのコーヒー王の養女・鮎川マリ、母の君江、家庭教師の河野朝子が滞在しているが、矢部家当主の杢衛(もくえ)は、君江が朋子にうりふたつなことから、朋子は23年前には死なず、じつは生きてこの町に帰ってきたのではないかと疑いを抱く。そこで杢衛は金田一耕助に調査を依頼する。
    そして、町の有力者が玉造家に招待されたその夜、忌まわしい惨劇が再び鍾乳洞の中で起こるのだった…。

    物語の大半が洞窟内。
    中に入るたびにそこで殺人が発生するのだから笑える。警察は腑甲斐ないが、金田一はよく頑張ったと思う。
    伏線から真相の一つは見抜けても、そこからすべての真相解明へと論を進めるには想像力が必要。犯人が誰かは容易に推測できるが、推測を事実と認定するには物証と自白が足りない(笑)
    いかにも横溝らしい娯楽小説である。

  • 金田一耕助

  • 鍾乳洞の中で起こった殺人事件に金田一耕助が挑む。二転三転する真相。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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