扉の影の女 (角川文庫 緑 304-26)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304266

感想・レビュー・書評

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  • 今一冊は、短編二つをおさめた本だけど、なかなか面白かった!
    というのは、珍しく金田一耕介の生活ぶりや、彼を囲む人々が、彼のことをどう思っているのか、ということの描写が今までよんだ作品よりも多かったからかもしれない。金田一といつも共に事件にあたる等々力警部はそれを一言で「天才の孤独」と現した。

    「あのひとを見ているとおれはいつも胸がせつなくなってくる。孤独なんだね。それもなにか事件が起こって、われわれと行動を共にしている時のあのひとはそれほどでもないが、事件が無事に解決して、もはやじぶんに用無しとなった時のあのひとの孤独感にゃ、なにか救いがたいものを感ずるね。例えばあの人に奥さんがあって、子供ができて、、、なんてことを考えると、考えただけでも滑稽なような気もするんだ。天才の孤独というやつかもしれんな。」

    グッとくる一言でした。やはり天才はどんな時代でも孤独なのだろうか。

  • 「扉の影の女」
    奇妙な手紙の切れ端に書かれていた文章の謎、死体を移動させた謎、複数見つかったハット・ピンの謎、現場にカシワが持ち込まれた謎、マダムXの正体、金門剛のもとに届いた手紙の謎、ひき逃げされた少女と事件とのつながり等、様々な謎が示され、それが合理的に説明される真相はなかなかの出来と感じるが、後出しで登場する人物がふたりもいて、読者が犯人を推理できる内容になっていないし、登場人物がうまく活かせていない点が残念。

    「鏡が浦の殺人」
    金田一耕助が策を弄して、事件を解決する話だが、金田一耕助の推理自体は必然性に乏しい。
    大学教授とその孫の読唇術が、物語の進行にうまく活かされている。

  • 金田一耕助ミステリーシリーズですが、タイトルともなっている中編「扉の影の女」と短編「鏡が浦の殺人」の2編ですが、「鏡が浦の殺人」のほうが王道ミステリー的作品で犯人は誰だ?という単純明快なストーリーで面白かったのですが、「扉の影の女」は物語が捻りすぎていて、よく金田一耕助が事件を解明できたなぁと感嘆すると同時に、腑に落ちない感じもしました。

  • 築地の橋下で若い女の変死体が発見された!被害者は鋭い帽子の留め針で首を一突きにされ、そばには謎めいた手紙の切れはしが…。金田一耕助の事務所を訪れた依頼人の女性は、この事件の目撃者だった。だが、その供述によると犯行現場は西銀座にある人気のない路地だったという。 俄然、闘志を燃やした金田一は事件解決に乗り出す。金田一耕助の日常生活を浮き彫りにした異色作。

    発表年:1957年

    角川文庫(1975.10)

  • 金田一耕助

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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