悪魔の百唇譜 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 423
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304280

感想・レビュー・書評

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  • うーーーん。

    イマイチ。なーんかイマイチ。個人的には、金田一耕助の活躍が輝く時代設定は、戦後すぐの昭和20年代中盤ぐらいじゃないかと思う。この作品のように昭和30年代になって、それなりに便利なものが普及し始めてる頃になると、戦後すぐの時代背景の金田一作品が持っている猥雑さ、仄暗さというものが感じられなくなる。

    やっぱり金田一が関わる人たちには、戦争から帰ってきた退役軍人、没落した士族や華族や大地主、そしてむやみやたらにそこらじゅうにいる後家さんが出てこないと、らしさが出ないなー。

    横溝作品を制覇したい、というのではなく、とにかく金田一耕助の活躍を読みたい、というのであれば、他の作品から読み始めることを勧めます。トリック自体は、それなりに複雑で面白いんだけどね。

  • 2017/08/23読了

  • 横溝正史というビッグネームに対する期待が大きいだけに、いかにもなタイトルに反して、なんとなく平凡に感じてしまった。
    https://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14944364.html

  • 金田一耕助ファイル#16

  • 東京の離れた二地点で見つかった自動車のトランク内の死体。女の死体の方には、ハートのクイーンのカード、男の死体の方にはハートのジャックのカードが残されていた。被害者の男の方の身許から、「悪魔の百唇譜」事件で殺された男との関連が明らかとなる。「百唇譜」とは、女性の陰部の形を写しとったもので、それをネタにしてゆすりを働いていた男が殺されたというもの。
    いかにも、横溝正史らしいテイストの通俗作品だが、地点・時刻・登場人物が複雑に絡みあっており、わかりにくく、ややこしい話だ。
    容疑者のアリバイ、容疑者の事件当夜の行動の謎、巡査が目撃した男の謎、車内に残されていた鍵の謎、車の目撃情報の謎、男性被害者と女性被害者とのつながり、「悪魔の百唇譜」事件との関連性、2つの事件の時間的つながりなど、様々な謎が盛り込まれているが、真相説明が雑に感じる。
    最後にあっさりとした真相説明があるのだが、これを読んで事件の全体像がすぐに理解できる人がどれだけいるのだろうか。

  • 『ひとり横溝正史フェア』、今回はこちら「悪魔の百唇譜」。いかにも横溝正史がつけそうなタイトル。

    中位の長さの作品で、一言で言うと、いまひとつ。

    深夜の住宅地に停まったままの不審な外国車。
    その中から発見されたのは、胸をえぐられた女性の死体だった。

    この死体から金田一耕助によって淫らな性癖と殺人事件の犯人が明かされるわけだけれど、その過程がいまひとつ。
    横溝正史に変態じみた性癖はつきものだけれど、今回は気持ち悪いだけで面白くない。

    ところで、百唇譜ってなんだろう。
    わたしは購入したときからなんだろうと疑問だったのだけれど、読んでわかったときに感じたことも、なあんだ、という感じ。思ったよりも趣味が悪いという程でもなく、そんなことかと感じたわたしは、もしかしたら変態なのか?

    たいして長い作品でもないのに、その倍以上に長い他の横溝正史作品よりも数倍読むのに時間がかかった。その理由が自分でもわかっているため、更に時間がかかる。
    面白くないからだ。

    どうしたんだ横溝正史。
    ここのところちっとも面白くない。
    もうさっさと残してある「悪霊島」と「病院坂の首縊りの家」を読んでしまいたい。それなのにまだ「幽霊男」「七つの仮面」「悪魔の寵児」「白と黒」と意外とたくさん残っている。
    自分ではじめた『ひとり横溝正史フェア』なので適当に切り上げてやめてしまってもいいのだけれど、こうなると意地もあるし、基本莫迦みたいに真面目なのでつづける。

    殆ど作品の感想ではなく自分の決意を書いて終わってしまった。

  • 終盤になってきた金田一耕助シリーズの長編作品です。お得意の連続殺人事件の真相に挑む金田一耕助の謎解き作品ですが、終盤に展開されるにつれて消去法で誰が犯人なのか?は分かってしまい、やや拍子抜けでしたかね?
    百唇譜というのが、どういう意味なのか?分からなかったのですが、確かに作品の中ではキーワードには、なっておりましたが、それほど意味のあるキーワードではなかったのかな?と思ってしまうのでした。

  • 二人の男女が殺される事件なのだけれど、そこまで謎というものもなく「獄門島」のような雰囲気を期待してしまうと肩すかしをくらってしまう。
    金田一耕助の活躍ではあるのだろうけど、すかっとはしない。

  • 現在と過去の二つの事件が絡まって解かれていくお話しです。
    死体の描写の生々しさでは現在の事件、被害者と加害者の人物の特異な気味の悪い性質は過去の事件が、それぞれ強く感じました。
    百唇譜とは、また気味の悪い物を考えついたものです。

    今回は金田一先生はあまり躍進的では無かったかな、と思います。
    手に取った本の厚みからも想像出来ますが、軽い読み心地、金田一シリーズでありながら、粘着質な不気味さは無くさらりと読めてしまいます。
    でも彼の生活が覗けるのは楽しかったですね。
    朝食の場面。
    黒焦げトーストに茹で過ぎ玉子とアスパラの缶詰、届いたばかりの牛乳一本という慎ましやかな食事をした後に、「山海の珍味をたらふくたいらげたような顔をして」自動車に乗り込むなんて、金田一先生らしくてとても良いです。

  • 角川文庫の横溝長編の中では最も短い作品。ギリギリまで犯人が分からない構成で、中盤は退屈に感じましたが、クライマックスは良かったです。余談ですが、序盤の等々力警部が金田一をほぼ強引に捜査に協力させるシーンと、彼の朝食シーンはちょっと笑えました。

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プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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