迷路荘の惨劇 金田一耕助ファイル 8 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 673
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304341

感想・レビュー・書評

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  • 金田一シリーズって、人間の業炸裂しすぎな有象無象がこれでもかってくらい跋扈するよな〜という思いを読むたび新たにします(褒めてる)。

    旧家で権勢を欲しいままにする刀自。
    地元有力者である夫と美しすぎる妻。
    その周囲に群がり恩恵に預かろうとする人々。
    清涼剤ポジションの、若いアベック(古)。
    そんな人々を脅かす、肉体的・精神的に「何かが欠損している」人間。

    本作の登場人物も、そんなシリーズ読了本のテンプレをしっかり踏襲しています。何とかの一つ覚えかっていうくらい、他作品と代わり映えなさすぎィ(褒めてる。

    強いて違いを挙げるなら、いつもより刑事勢がいい味出してるってことでしょうか。その中の1人のベテラン刑事なんて、キャラ立ちすぎてて一瞬疑っちゃったくらいですよ。

    かつて悲劇の起こった山奥の山荘・迷路荘に集結した関係者達。ホテルになる前の屋敷の最後の姿を偲び、かつて惨禍に散った命を弔おう…。そんな意図で集まった筈の男女は、しかしかつて結婚相手を奪い奪われ・振り振られという痴情のもつれを経てきた人ばかり。
    曰くありげな人々が集い、金田一探偵が現地に到着したその日、果たして第一の惨劇が幕を開けた!!

    って感じですかね。
    うーん、何てテンプr(略

    それにしても、いつもは真犯人に同情の余地を残す金田一シリーズにあって、今作は少ーし異色ですね。いつも少なからぬ憐憫の情を示す金田一探偵が、今回は一顧だに値しないと言わんばかりの素っ気なさで犯人の犯行を推理します。

    なーんか今回はイマイチだな〜と終章まで読み進めると、どっこいその後に語られる真相がヤバかった。もうその犯行シーンの絵面の恐ろしさときたら…想像するだに背筋が凍ります。
    積年の恨み・妄執の果てを描かせたら、横溝御大の右に出る推理作家はいませんね!(褒めてる

  • 読んだとは思うがほぼ覚えていなかった。何とも怖いが、面白かった。

  • 昭和5年。隠し扉やどんでん返しが
    ふんだんに施された通称迷路荘で、
    主人やその妻が殺害される事件が
    起こった。真相ははっりしないまま。
    昭和25年。
    迷路荘にかつての惨劇の時と同じ
    左腕のない男が姿を現し、
    家人達は不安を募らせ、
    現在の館の主人は金田一に調査を依頼。
    そして発生する連続殺人。


    綾辻行人の館シリーズに登場しそうな
    仕掛けだらけの館。
    更に館の下には地下道が通っている。
    ボリュームがあって読み応えは抜群。
    複雑な人間関係が事件をややこしい
    ものにしていて、それも魅力的。
    迷路のような地下道でくり広げられる
    捜査は、冒険小説の様で面白かった。
    戦後すぐの時代設定、
    街から離れた豪勢な館、
    謎の片腕の男、かつて起こった惨劇、
    没落貴族等、
    このシリーズらしい要素が満載。
    金田一の活躍も見事で、
    ラストは好みの締め方だった。
    知名度は低いがもっと読んで貰いたい作品。

  • 金田一耕助ファイル#8

  • のらりくらりした金田一耕助じゃないと駄目なんだと思う。犯人が誰か途中まで本気でわからなくて、はらはらした。問題点は説明文が多いことかなぁとは思う。お屋敷とかになると、間取りが気になってそして分からないので困る。

  • 女は怖い

  • 『ひとり横溝正史フェア』のこちらは、えっとえっと何作目でしょう。
    忘れました。

    豪邸名琅荘は、邸内至る所に仕掛けが施してあり複雑な造りから迷路荘と呼ばれている。
    その迷路荘の創始者古館種人は、美しい後妻加奈子とその遠縁にあたる静馬との仲を疑っている。ある日種人は加奈子を斬り殺し、静馬の片腕を斬り落とした上で自死してしまう。
    そんな迷路荘に知人の紹介で訪れた金田一耕助は、凄惨な殺人事件に巻き込まれる。

    こういって始まる物語で、いつものように金田一耕助がまあまあ殺されてから事件を見事に解決するわけだが、全く内容の記憶がない。
    我が家に「迷路荘の惨劇」は二冊あり、間違いなく最低二回は読んでいるはずなのに。
    全く読んだ覚えがない。
    内容どころか、これって買ったっけくらいに記憶がない。
    どこかで頭でもぶつけたか、いや、もしかしたら殴られたのか。
    事件発生。金田一さーん。

    この本は読み始めるとじきに、子爵だとかフルートだとかが出てきて、なんだかとっても「悪魔が来りて笛を吹く」に似ている。
    勿論、似ているところはそこだけだけれど。
    フルートの音色というものは、どこかしら淋しげで暗い内容の横溝作品にはよく似合うかもしれない。

    屋敷から繋がる洞窟だとか、美しいけれど健やかさはない女性、惨劇に相応しい殺されかたなど面白く読ませる。
    それなのにどうして全く憶えていないのか、謎は深まるばかりだ。

    横溝正史の作品は時代が時代なので仕方ないが、数え年や尺貫法が用いられている。
    そういった表現に慣れていないため、読むたびに頭の中で考えなければならないところが少々手間ではある。かっこ書きで実年齢やメートル法キログラム表記をしてくれると読みやすいかもしれない、などと甘えたことを思ったりもする。

    ラストは横溝作品にはしばしば見られる大団円だが、今回の終わり方は好きではない。
    「女王蜂」のときにも似たような違和感があったが、わかっている犯罪者を金田一耕助の独断で見逃したり、なかったことにするようなことがおかしいと感じる。
    何の権利があって一探偵に過ぎない金田一耕助がそういうことをするのかと疑問であるし不快でもある。金田一耕助の好みで対応を変えられては困る。

    最後に至るまで遂に全く思い出すことなく、初読のように謎解きも楽しめた。
    わたしの記憶がなくなった謎は未解決のままだけれど。

  • 何回目かの読了。

    金田一耕助シリーズは大好きですが
    こちらは良作止まりと思っています。

    悪魔が来りて笛を吹くと八つ墓村のエッセンスも
    感じるのですが、どちらにも及ばず。
    なんていうか美しくないんですよね。

    特に刑事さん達とワヤワヤしているところなど、
    なんだか映像化された作品の台本を読んでいる
    かのように感じます。

    とはいうものの、さすがにその辺のミステリでは
    足元にも及ばない風格と面白さはあるのですが。

  • (^^)

  • 大阪出張の往復の新幹線車中で長編でしたが一気読みして読了しました!
    さすがに複雑に絡み合った人間模様が生み出す凄惨な事件という物語の背景が巧みで至極のミステリー作品ですね!
    二重三重にはりめぐらされた事件のトリックや動機を金田一耕助がすっきり解明してくれます。
    やはりこの作品でも女性の怖さと戦争の爪後、貴族社会というのがキーワードでした。
    どんどん金田一耕助シリーズを読み進めていきたいと思います!

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