華やかな野獣 (角川文庫 緑 304-37)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 98
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304372

感想・レビュー・書評

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  • 軽く読める金田一もの3篇。

    『華やかな野獣』★★★
    表題作。貿易会社を経営する美貌の敏腕家、高杉奈々子が主催する破廉恥パーティー(!)で起こる殺人。

    『暗闇の中の猫』★★★
    終戦後の東京、金田一最初の事件。とある銀行強盗事件にまつわる顛末。

    『睡れる花嫁』★★★★
    朽ちたアトリエに花嫁装束の腐乱死体。陰惨な事件。

    最初の2篇が、わりと普通で油断していただけに『睡れる花嫁』はちょっと驚いた。ある程度は予想できたがひとひねり有り。そのひとひねりが良かった。

    金田一耕助の神出鬼没さがちょっとコントの様でもある。
    短篇なのにそれぞれ人が死に過ぎる。いや、いいんですけど。
    金田一さん、なにやってんの。笑ってる場合じゃないよ。

  • 母の蔵書より。

    前に「戦後すぐのミステリにはエログロは当たり前だった」という話を聞きましたが、横溝作品なんてモロその時代ですね。。
    でも乱歩よりはエログロ成分すくなくって好きです。秘密乱交クラブだとか、死姦だとか、あまり必要なさそうなエロエッセンスは出てくるものの、そのこと自体は特に本筋にからんでこないし、あと気持ち悪いカタカナ擬音語も少ないし(笑)

    「眠れる花嫁」を読んで、映画「乱歩地獄」の「蟲」を思い出した人は少なくないはず。
    青黒く落ちくぼんだ目をつむって、金襴緞子に身を包み、
    目にもあでな高島田を枕に寄りかからせて、死んでいる花嫁。


    なぜ腐乱手前の死体と豪奢な衣装は相性がいいのだろうか?

  • NHK BSドラマを見て25年くらい積ん読だった本書を読む。謎解きとしては表題作が一番面白い。解決編の前に、読者への挑戦状が入ってもいいかもしれない。情事の描写が独特で、ドラマ版のBGMが文章とよくマッチしていた。吉岡監察医(アンミカ)の「そうとうモーレツにやっとるねぇ」が印象的。

  • 金田一耕助シリーズの短編集で、タイトルの「華やかな野獣」と「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」の3編から構成されていました。金田一耕助シリーズの短編は中長編に比べるとストーリー的にいまいちなものが多いのですが、やはり「華やかな野獣」と「暗闇の中の猫」はいまいちでしたね。
    「睡れる花嫁」は以前別の短編集で読了済でしたが、この話は、短編の中では、なかなかよく練られているストーリーだと思います。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387160219.html)
    (収録作品)華やかな野獣/暗闇の中の猫/睡れる花嫁

  • 金田一耕助

  • 今回の表紙は、表題作がテーマ。華麗なマスクをつけた暗い表情にも見える女性のアップ。色調はくすんだ黄色と薄緑。顔色に黄色や緑を使うと非常に病的にみえ、派手な装飾とあいまって退廃的な感じを見事に表現した表紙です。3篇のどれも退廃的な事件(乱交パーティー、死体愛好・・・)を扱った短編集。短編なので、謎解きに焦点が当てられ、まるで数式(しかも変態的な)を読んでいるよう。表題作では、もじゃもじゃ頭のままで、タキシード姿のボーイとなりパーティーに潜入している金田一探偵の姿が・・・でも、いくらトリックを見破る自信があるからといって、目の前で毒殺された人がいるのに、にこにこ笑っててはいけません。

  • どれもまあまあ。金田一耕助って、現代だと違法にあたる捜査方法をするよね、たまに(笑

  • 金田一耕助の論理的推理。変装好き。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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