殺人鬼 (角川文庫 緑 304-42)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304426

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  • 金田一耕助もの4篇。
    横溝正史の安定感を再確認。安心して読める探偵小説。

    『殺人鬼』
    ゴシップ的な連続殺人。ほら、あなたのそばにも殺人鬼がいますよ、って話。ひねりも利いて余韻もある。

    『黒蘭姫』
    デパートでの万引事件に端を発する殺人事件。シチュエーション、道具立て、『黒蘭姫』等のネーミングのセンスがいい。

    『香水心中』
    戦後、香水で財を成した化粧品会社にまつわる事件。大胆なトリックが面白い。

    『百日紅の下にて』
    舞台劇を思わせる一対一の構成が楽しい。『あの話』の前日譚。壮大な幕開けを感じさせる。

    やっぱり横溝正史はスタープレイヤー。もちろんホームランを何本も飛ばすが、着実にヒットも刻む。閉鎖的な地方のムラ社会もいいが、戦後から近代へ向かう混沌とした都会もムードがあっていい。しかもそれが雰囲気重視ではなく、それが必然でありトリックへの目眩ましになっているのがさすが。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387160143.html)
    (収録作品)香水心中/黒蘭姫/百日紅の下にて/殺人鬼

  • 表題作を含む短(中)篇集。金田一耕助のキャラクターが若干固まっていないし、戦争が終わったところが強調されているので、かなり初期の作品なのかな?

    表題作は、途中で「あれ、この展開はひょっとして?」と思ってしまうのは、つい先日クリスティーの「アクロイド殺人事件」を読んだから。幕切れはともかく、舞台がガラッと変わるところは爽快。

    最後に名作と認識されている「百日紅の下にて」が含まれる。金田一耕助の設定として、一番最初になるのかな?他の収録作よりも落ち着いたキャラクターになっているので、初出の作というわけではないだろう。

    全ての作が、昔の推理小説、特にホームズシリーズのように、「意外な犯人」に重点を置いた作品なので、犯人の心理などを描く最近の推理小説とは趣向が異なっている。

    また、横溝作品としては、短篇にギュッと全てを押し込めないといけなかった制約もあるのだろうが、幕切れまでに情報が出きっていない感はある。

    しかし、「金田一耕助は獄門島に向かうのであった」って、「獄門島」を読まざるをえないじゃないか。たぶん昔一度読んでいるけれども。

  • 金田一耕助 短編

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プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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