首 金田一耕助ファイル11 (角川文庫)

  • 角川グループパブリッシング (1976年10月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041304433

作品紹介・あらすじ

滝の途中に突き出た獄門岩にちょこんと載せられた生首。まさに三百年前の事件を真似たかのような凄惨な村人殺害の真相を探る金田一耕助に挑戦するように、また岩の上に生首が……事件の裏の真実とは?

みんなの感想まとめ

さまざまな事件が短編形式で描かれる本作は、金田一耕助が挑むミステリーの魅力を存分に楽しめます。『生ける死仮面』や『花園の悪魔』、さらには『蝋美人』など、各編は独自の設定とトリックで構成されており、特に...

感想・レビュー・書評

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  • 金田一シリーズの短編集
    『生ける死仮面』とあるアトリエで死んだ少年をめぐる事件
    『花園の悪魔』花畑で発見されたヌードモデルに関する事件
    『蝋美人』死体を元に作られた、蝋人形を巡る物語。個人的には一番面白かった
    『首』数年前に起こった、首を切断された死体の事件、そして、現在に起こった数年前の事件と全く同じ殺され方の死体。それぞれの事件に関する物語。
    全体的にDNA鑑定や科学的な捜査が研究されていない時代ならではのトリックが面白かった

  • 「生ける死仮面」「花園の悪魔」「蝋美人」「首」の4編が収められた短編集。3/4が東京を舞台にした作品で、先日読んだ『犬神家の一族』から急に時代が進んだ気がしました。
    短編となるとなかなか当たり外れがあったりしますが、横溝正史は短い中にもしっかり雰囲気と山場が作られていてなかなか読み応えがありますね〜。

    顔のない死体に肉付けをし、科学的根拠から生前の顔かたちを復元する……という「蝋美人」が衝撃的。
    出来上がった顔はなぜか誰もが知る悪女で、という設定は面白かったものの、謎解きが駆け足だったのが少し残念……。
    そして「首」は本作で唯一の岡山もの(磯川警部も登場!)で、横溝正史の描く地方の風景は、ただそれだけでホッとするなぁとしみじみ。こちらも真相がやや複雑で??な部分も多々あるのですが、静養を台無しにされた金田一さんがかわいそうかわいいのでヨシ!(?)


    ……というかですね、たまたまかもしれないのですが、金田一耕助ファイルの短編集は死姦が多すぎませんか?!!
    エログロを入れようとするとそうなってしまうのか、なんだかあまりにそういう描写が多く……「異常性癖」を描くつもりが、「またか……」となってしまうんですよね;
    他の短編集を読む機会があれば、できればもう死後にアレコレ、はないといいなぁ。。

  • 今年初読みの金田一。年内に〈金田一耕助ファイル〉を読破しようかなと思ってます。
    今回は短編集。『生ける死仮面』『花園の悪魔』『蝋美人』『首』の4作。
    短編はあっさり描かれてるから、直ぐに内容は忘れてしまいそう。だけど、読んでる瞬間は楽しめる。この時代の感覚は今のとだいぶ違うから、自己投影とかせずに現実を忘れて読書できるのがいい。クセになる。

  • 金田一が静養に訪れた村で起きた首切り殺人。しかも首は獄門岩なるいわくつきの場所へ載せられていた!表題作を含む4編収録の短編集。どの話も一捻りあって読み応えがあった。意外性なら『生ける死仮面』、話は『首』が一番好き。

    『生ける死仮面』
    落ちぶれた彫刻家・古川小六のアトリエで警官が見つけたのは、腐った青年の死体と寄り添う彼の姿だった。石膏のデスマスクから、捜索願いが出されていた緒方辰男だと特定されたかと思いきや、事態は思わぬ方向に。

    『睡れる花嫁』を彷彿とさせる導入。まぶたに焼きつく凄惨な場面から始まるが、その後は短編とは思えないほどどんでん返しが続いて驚かされた。ぼくも読んでて思わず珍妙な声を上げてしまった。狂気の犯罪がひっくり返っていく鮮やかさ。人の腐ったおぞましい臭いが鼻に残る。

    『花園の悪魔』
    旅館の隣にある花園。チューリップの花壇の真ん中で女性の死体が発見された。一緒に泊ったはずの男を指名手配するも、足取りは掴めないまま時間が過ぎていく。消えた荷物と男の消息に潜む真実とは。

    花壇と死体の取り合わせも不気味ながら、証言を追いながら進んでいくも、謎だけが色濃くなっていく展開がいい。金田一と等々力警部のハラハラ推理デートも楽しめる作品。そこからのあのオチに戦慄。犯人の冷淡な表情を崩したのは、恐怖という名の愛情だった。後を引くラストになっている。

    『蠟美人』
    法医学で名が知られた畔柳博士が試みた顔の復元実験。実験に選んだのは、軽井沢で見つかった自殺と思われる女性の遺体。復元されたその姿は、なんと夫殺しの容疑で失踪し世間を騒がせている立花マリだった!

    顔のない死体の顔を復元するというセンセーショナルなアプローチで始まるミステリ。復元された顔は真実なのか。そもそも自殺だったのか。掘り起こされたのは顔だけではない。疑惑が疑惑を呼ぶ世論の中で、金田一が現場で見たものを積み上げて、隠された人々の顔を暴いていくのが見事。

    『首』
    金田一が磯川警部と静養に訪れた村で発生した殺人。滝に突き出た獄門岩に載せられた生首。それは300年前の殺人の模倣か、それともクニシン様の祟りなのか。昨年にも起きた首切り殺人が今年も繰り返される!

    静養にいい場所はないかって話なのに、未解決事件がある村へ誘う磯川警部よ(笑) 生首をいわくつきの岩に置くという見立て殺人。去年と今年、まるで接点のない人間が同じ方法で殺される。なぜ犯人は首を切って見せしめにする必要があったのか。二重に流れる事件の川を、人情味ある推理で解く金田一が素敵。

  • 【生ける死仮面】猟奇的でエログロな内容で、始まるが、動機はいたって単純で、遺産相続が犯人の狙い。
    【花園の悪魔】ヌードモデルの全裸死体という、スタートから怨恨が動機かと思うと、
    じつは、擬装工作で•••••
    【蝋美人】白骨死体からデスマスクを作成し、モンタージュ写真を撮影し、被害者を特定する
    それに関わるすべての人物が怪しい。
    【首】山奥の部落に伝わる、三百年ほど前の事件から始まり、映画撮影の監督の首が獄門岩の上にのっていることが事件。猟奇的な殺人事件のようだが、動機は怨恨。謎解きの際に金田一の優しさが見られる。

  • 300年前の滝の途中に突き出た獄門岩に載せられた生首事件を真似たような、村人殺害の真相を磯川警部より依頼された金田一耕助は調査に取り掛かる。それを待っていたかのように、再び、獄門岩の上に生首が置かれた事件が起こる。被害者は村にロケに来た映画監督だった。金田一の推理が光る「首」。
    腐乱した死体と共に暮らしていた男の作ったデスマスクから事件が展開する「生ける死仮面」。
    「花園の悪魔」「蝋美人」など猟奇的な事件の解決する金田一の推理が冴える短編集です。
    どれも短編だけど、読者を引き込ませる展開は横溝正史は上手いと思う。
    2024年12月31日読了。

  • 相変わらずおどろおどろしい雰囲気の短編集。サクッと読めて面白かった。結末がなんだか妙に心に残っているのは「蝋美人」でした。

  • 金田一ファンというより、杉本画伯の描く横溝世界に惹かれて古本屋さんを歩き回って集め、事件年代順に読むという金田一祭りを一人開催中。やっぱり、寝苦しい夜は横溝だなぁ。

    読んだ本は、昭和51年発行の杉本画伯が表紙を飾る文庫版でタイトルは「花園の悪魔」。表紙絵は表題作の犠牲者がおどろおどろしく描かれています。
    収録作は同じです。

    死体陵辱等異常者による猟奇的な事件など、都会においてのおどろおどろしさを出そうとすると、こういう要素が必要になるか。田舎の因習に縛られた一種閉鎖環境での異常性と対比すると興味深い。

    金田一は吃音癖があって地方訛りも少し残っているという設定ではなかったっけ?表題作中での口調が「・・・でさぁ。」って。他ともまったく違う感じになっていて、これはこれで謎・・・

  • 『生ける死仮面』のみ読んだ。
     作者同性愛ネタ好きだなー。光子ウッカリ過ぎない?
    『花園の悪魔』
    『蝋美人』
    『首』

  • 「獄門岩」なので繋がりがあるかと思ったら別になかった。
    『生ける死仮面』『蠟美人』は二転三転するところが好き。でもやっぱり長編の方がおどろおどろしくていい。

  • 短編集

    とりたてて感想はなく、よくある横溝話。
    標題の首は、過去の事件ともう少し捻った繋がりがあるのかと思ってたが、参考にしただけだったので残念。

  • イマイチ

  • 四篇からなる短編集。
    こちらも今回の『ひとり横溝正史フェア』ではじめて読む作品。

    横溝正史はどちらかというと長編でこそ本領発揮する作家のようで、短編の出来はいささか物足りない。
    この短編集でもそうで、横溝正史らしい世界観の構築が不足しているように思う。「生ける死仮面」では死体愛好、「蝋美人」では復顔といった、それなりのものを題材にしているが、踏み込みが足りないというかなんというか。

    「首」では、また金田一耕助の粋な計らい、いわゆる人道的配慮といったことを行うのだが、ちっとも粋じゃない。
    でも、金田一耕助は魅力がある。
    磯川警部もまた然り。

    「花園の悪魔」改題。

  • 金田一耕助シリーズのタイトルにもなっている「首」他、「生ける死仮面」「蝋美人」「花園の悪魔」の計4編の短編からなる作品です。どの話も、なかなか秀逸な犯行の動機やトリックが隠されており、面白かったですね!
    個人的には「生ける死仮面」が中でも一番秀逸な話だったと思います。

  • 個人的には「花園の悪魔」がいちばんゾクゾクする結末でしたね。久しぶりに手を伸ばした横溝作品を、なんと驚愕の1時間20分で読了。

  • 長編、殊に映像化作品においては、金田一は単独の探偵で、ホームズに対するワトソンのような所謂「助手」はいないと感じられる。
    ところが、本書のような短編においては、バディとしての磯川警部や等々力警部の姿が、鮮やかに浮かび上がってくるのである。

    長編においても(読み直してみれば)彼らの協力が、事件の解明に不可欠であることが分かるのだが、短編においてはそれが際立っている。
    特に磯川警部の如きは、遠方まで静養に来た金田一を何くれとなく世話する様子が、じつに微笑ましい。

    事件の内容自体は、金田一の短編においては定番の、ネクロフィリア、首無し、男女入れ替えと若干マンネリ気味である。

  • 高校生当時にハマって読んだ横溝正史作品。文庫本、よくとってあったな俺。

    暑い夏にヒンヤリしようと再読してみたのですが・・・かえってドロっと、ベトっとした気分になりましたね(笑)
    そうそう、こんな感じだっただった!

    言わずと知れた名探偵 金田一耕助が猟奇な謎を解き明かす、推理小説短篇集。

  • なつかしい

  • うーん。

  • 長くはない話でも驚きを何段も詰め込んでワクワクと読める、これぞエンターテイメント!

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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