病院坂の首縊りの家(下) 金田一耕助ファイル20 (角川文庫)

著者 :
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レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304624

作品紹介・あらすじ

〈病院坂〉と呼ぶほど隆盛を極めた大病院は、昔薄幸の女が縊死した屋敷跡にあった。天井にぶら下がる男の生首……二十年を経て、迷宮入りした事件を、等々力警部と金田一耕助が執念で解明する!

感想・レビュー・書評

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  • 切なくて割と金田一シリーズの中で好きかもしれない。犯人の滋がすごくいい人なんだよなあ、そして小雪ちゃんも、ビンちゃんも結局みんな狂わされただけで、根からの極悪人じゃなかったところが辛い。
    女傑の弥生も、実の子や孫には冷たいとは言え、金田一シリーズによく出るような悪女ではなかった。

    謎解きがすごいというわけでもなく、生首風鈴に至る過程ももっと凄惨を想像してたから物足りなかったけれど、それでも事件の背景が哀しくて好きだった。

    最後のシリーズとしての終わり方も好き。アメリカから帰ってきて本陣殺人事件を解決し、病院坂の事件を終えてアメリカに帰っていく。

  • 上巻を読み終わった興奮のままに本屋へ駈け込んだもののどこの本屋へ行っても下巻がない。店員さんに聞いたところ、下巻はここ最近ずっと欠品中だとか。金田一耕助最後の事件として知られる病院坂を長らく欠品状態にしてるとか角川大丈夫?やる気ある?

    金田一シリーズはどうしても紙で読みたいので古本で買うならば、と初版を買いました。1978年にこの世にでた紙面は茶色く変色していましたが、やはりふるえるほど面白い。おぞましさやおどろおどろしさは40年の歳月を感じさせないほど瑞々しい。いや、瑞々しいって表現もアレだけど。でも血の滴りや嵐の夜の風雨が湿度を持って想像できるところに、横溝作品の楽しさがある。この色褪せない恐怖と生々しさ、そして一片の切なさが、長きにわたって読む者を誘い、惹きつけているのだと改めて思った。

    とにかく角川書店は早く重版してください。ほんと一刻も早く!

  •  世の中にはたくさんのシリーズものがある。

     面白くて長く長く続くもの。
     惜しまれながらも終わってしまうもの。
     終わったはずなのに、再び始るもの。
     
     期待通りか、期待はずれか。
     見る側の想い。作る側の考え。
     交錯して、うまく昇華したり、すれ違ったり。

     気に入った主人公のシリーズは、ずっと続いて欲しいけれど、
     惰性で続いていく姿を見たくないのも事実。
     その終わり方、最後の姿をどう決着をつけるか。


     金田一耕助最後の事件。
     馴染みの登場人物。
     垣間見られる積み重なったエピソード。
     散りばめられたそれぞれに、うれしくもあり、
     冗漫さも感じてしまう。

     ベテランアクションスターが久しぶりの復活。
     喜びの思いと、痛々しさ。
     そんな思いがよぎる。

     ネタが割れてしまう謎もあるが、
     年月を重ねた家族にまつわりついた呪いは
     さすが横溝。

  • 恐るべき生首風鈴事件から約二十年の時を経て、再び起こる酸鼻な事件。複雑で隠微な人間関係の数々が絡み合い、おどろおどろした雰囲気を盛り立ててくれます。世代をまたいで受け継がれるかのような因縁がもうたまりません。そしてもちろん、ここで過去の事件の真相も明らかになりましたが。想像の斜め上を行くとんでもなさでした……。
    無残で悲愴でどうしようもない悲劇の物語ではあるのですが。不思議と読後感は悪くありません。まるで救いのないわけでもないのか。そして金田一耕助最後の事件なので、有終の美という雰囲気もありますかね。
    ところでトリック、最近読んだ「蝶々殺人事件」と一緒だなあ、って思っていたら。作中でしっかり言及されていたのに笑いました。作中の世界でも読まれてたんですね。

  • 金田一耕助最後の事件。
    刊行順に、まだ読んでない金田一耕助シリーズを読んでいたので、短編集続きだったが、久々の長編。
    長編の方がやっぱり面白いなぁ。

    下巻の謎解きと新たな事件の重ね技で、続きが気になった!
    金田一シリーズ全般だが、時代のせいか動機とか男女の関わりが共感出来ないが…仕方ない。
    普通に由香利がかわいそうなんだが?!

    怒れる海賊たちの同窓会からの墜落は劇的でした。
    犯人は意外でしたね〜

  • 上巻よりその後も、金田一耕助は密かに事件関係者の動静を見守ってきた。そして一見事件に巻き込まれたかのような人物が、実は色濃く関わっていた事が確信に変わり、20年後、その者の死をきっかけに新たな惨劇が始まる。
    恐怖を煽る演出と、全てが白日になった後の結末の描写が金田一耕助シリーズらしく独特だった。

    上巻の感想でも述べたが、とても読みやすかった。他の作品も改めて手に取ってみようと思う。

  • 下巻読了。

    まさに“金田一耕助最後の事件”にふさわしい読み応えでした。
    特に、20年前の事件の真相が明らかになる終盤部分は、ページを繰るのがもどかしいほど、夢中で読みました。
    この一冊で「金田一耕助ファイルシリーズ」をコンプリートしたので、その意味でも感慨深いものがあります。

  • 金田一耕助ファイル#20

  • 下巻では、20年後に新たな殺人事件へと発展しましたが、20年前の殺人事件まで含めて全ての謎が氷解してスッキリしました!さすがに、いろいろな因縁が絡んでいてストーリー的には面白かったですね!金田一耕助シリーズの集大成的作品で良かったです。
    最後には金田一耕助がアメリカに旅立ち、消息不明となるシリーズの終わり方も良かったと思います。
    これ以上、新作が読めないというのは甚だ残念ではありますが、なんとなく金田一シリーズ全作品を読み切って、やり遂げた感はありますね!
    でも、ついでといってはなんですが「金田一耕助の冒険」も読んでおきたいと思います。

  • 横溝正史の血みどろのおどろおどろしい世界が昔は大好きでよく読んでいました。首だけが切られて部屋の天井から吊るされているなんて…本当に残忍です。最近は好みが変わっていて、他の作家の本をよく読むようになりました。

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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